きっと死んだあと伝説になる

忘れないでよーわたしのこと。寂しいよ、死んだら忘れられてしまうなんて。
みんなこんなふうに生きてるのに、明日生まれてくる子は今日死んだ人の人生をどうがんばっても知れないんだよ。

なんで地球にはこんなにたくさん人がいるんですか。一生かけても出会えないような人を、神様はなんで作ったんでしょう。
バイト中とかお客さんいなくて暇なとき、わたしはいっつもまだ出会ってない最高なあいつに挨拶しに行きたいと思ってるよ。どっかでわたしみたいにちょっと平和すぎることを考えてる子がいるのかなって、その子の髪の毛はブリーチしなくても真っ金金だったりするのかなって考えてる。

なんで自分は日本に生まれたんやろか。
この冷房のリモコンってなにでできてるんやろか。プラスチックか、じゃあそのプラスチックって何でできてるんやろか。もうわからん。
こんなんじゃ一番最初の物質なんてわかるわけない。

本屋で小津安二郎の本見たとき、この人は死んだあと伝説になったんだなって思った。
それでわたしもそうなりたいと思った。
あのシンガーも、あのボクサーも、いつか伝説になるんだろうなって思った。きっと死んだら伝説になるよ、あの人たちは、羨ましい。

もうちょっといろんなスポーツやればよかった。というか、少なくとも肩幅ゴツくなるスポーツ選ぶんじゃなかったと思ってる。
教科書に載るんならプリクラがいいかな。いや、プリクラだと余計肩幅わかるんだよ。顔面だけ異様に小さくされるから。

すごい人になりたい。