スヌレポ④沈黙の効力
沈黙と寄り添うことについて考えてみたいと思う。
何かに苦しんで泣いている人が隣に居るとする。
何かしてあげたくなったり、
励ます言葉をかけたくなったり、
どうしたのか聞きたくなったり、
自分の考えや気持ちを伝えたくなったり、
私たちはついしゃべりすぎる。そんな時の言葉は辛い人にとって暴風雨である。
もう一歩踏み込んで考えてみる。
今死にたい気持ちの人が隣に居るとする。
死にたいと言われたら誰でも怖い。不安になる。
それゆえに、「死にたいなんて言わないで」「死んだら悲しいよ」と言葉をかけてしまうかもしれない。
一見優しく響くのだけど、そんな時の言葉は死にたい人にとって暴力である。
普段ならば人を繋ぎとめてくれる言葉がなんの力もなくなる時がある。
そんな時に力を発揮するのが沈黙である。
人それぞれ誰かに求めることは違うけれど、
まずはそこに一緒に在ること。
一緒に居てくれること。
苦しい時間を一緒に過ごしてくれること。
死にたい気持ちを否定せず受け止めてくれること。死にたいほど辛い時間を一緒に過ごしてくれること。
これらが大切であると感じるし、これらに言葉は必要ない。
そんな時間を過ごすことで、はじめて安心できる空間ができるのかもしれない。
ぽつりぽつりと話をしてくれるのかもしれない。
そんな時が会話の出番である。
会話がなくても人は繋がることができるし、ともに在ることができる。沈黙は奥が深い。
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