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『石油元売り』変革への投資

脱炭素社会への世界的なシフトの中で、モロに影響を受ける人達が石油元売り会社です。素材業界でも『石化再編』という言葉がにぎわっておりますが、石化はあくまで化学/素材産業の一部領域であり、全てではありません。

一方で石油元売り企業にとって、石油は全てと言っても過言ではなく、脱炭素社会はその石油をほぼ否定してしまっております。ほぼ強制的に既存事業からの変革に向けた動きに走らされる事になっており、当事者の皆様からすれば本当に忙しい日々を過ごされているかと••••

変革の時だからこそ各社の目の付け所に差がでる今が見所です。今回はその中でも金の動きに注目します。ビジネス界だと『限られた経営リソースをどこに使うか』なんてかっこつけていっちゃうのですが、わかりにくいのでもっとシンプルに、『限られたお金を、どう使うか』という目線で見たいと思います。

ENEOS以外は、腰が重たい••••?

3社の中期経営計画で公表されている投資計画を新規事業/既存事業に分けて比較してみました。

見たまんまですが金額規模の絶対値はENEOSが圧倒的です。そして新規領域(※ENEOSの公式では戦略領域と言ってます)の割合が50%を超えているのもENEOSだけです。

他2社も中計の中で変革への意欲、外部環境こ変化への危機感には触れているものの、実際の金の使い所は既存事業の維持に多めに使わざるを得ないというのが実際です。


特に日本の石油や石油化学プラントは高度経済成長期に建設したものが多く、維持メンテナンス費用も年々上がってきますので出光興産やコスモも既存事業に満足しているというわけではないでしょう。『限られたリソース』というのは企業にも勿論財布の大きさが各社まちまちですから、そもそも10,600億も突っ込めるENEOSの考え方と他2社の使い方は異なります。

金の使い所を、もう少し各社で見ていきます。

新エネルギーだけでなく、『金属』にも

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そーなんだ化学+α

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