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化学業界大変革時代のトップ達-2024年版-

筆者の個人的見解で恐縮なのですが、この3年間は日本の化学業界が大きく変わっていくとみてます。既にメディアでも「石油化学業界再編」というワードは頻出しておりますし、これまでのそーなんだ化学でも日本を取り巻く環境の変化については説明してきた通りです。

この半年で見ても大手化学企業を中心に汎用化学品の撤退・切り出しが進んでおり国内石油化学コンビナートはある程度の規模までは一旦縮小が進むでしょう。ただ、口で言うのは易しで、実際は非常に厳しい交渉が続きます。というのも、日本の化学産業の特徴の一つなのですが石油化学コンビナートといえど複数の企業の集合体として形成されているためいわゆる「イチ抜けた!」ができないわけです。

具体的に海外と日本の石化コンビナートの構造的な違いについは以下の過去投稿をご参照ください。

見るだけでも、企業同士の関係性がウェットなのが伝わってきます。「私はこの事業を撤退します」と言っても「うちの原材料の供給はどうなるのか?」とか「コンビナートとしての採算が取れない」とか多方面からの圧力が掛かってきて一筋縄ではいきません。

ですが、日本の需要と今後の成長を鑑みても今の状態は供給過剰だという事実は変わらず遅かれ早かれ誰かがやらねばなりません。この多方面からの圧力を押し切り、それでも変革に向けた指揮を取れる企業から変革が進んでいくのがこの3年だと見ております。そういうわけで、その指揮を先頭に立ってとる化学企業のトップには今後着目です。

今回はそんな変革期にある日本の化学/素材企業のリーダー達をまずは広く伝えるという観点からなるべく退屈しないような目線で取り上げてみます。最終学歴・部長/事業部長時代のキャリア・年齢を軸に一挙に比較してみます。
これがきっかけとなり皆様各位が興味を持った社長をさらに深掘りいただければ幸いです。


日本の化学産業を牽引するBIG5の経歴


こう見ると面白いものです。
化学企業といえば理系の巣窟のイメージですが特に最大手5社の2024年4月時点での社長達は全員文系出身で、しかもなんと法学部が多い!

個別議論でいけば三菱ケミカルホールディングスは期待の外国人社長ジョンマークギルソンが退任になってしまったことでまた生え抜きの人間がトップにつくにあたり筑本社長への注目度は高いのではと思います。
住友化学についても現在の業績悪化を踏まえ社長の発言・施策の一挙一動に関心が寄せられているでしょう。旭化成は繊維出身の方が社長になっているというのは少し意外です。そして信越化学・・・・相変わらず不思議な会社で経歴がほとんど公開されていないのですがなんと今の社長は米国に30年以上も駐在しているとのことで信越化学のキャリア制度の異様さが伺えます。


N数が少ないのでもう少し広げてみてみようと思います。

渦中のエチレンプラントを持つ企業のトップ達

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