石油化学協会会長から学ぶ、石油化学産業の2023年と2024年。
素材目線の景気の見方
素材業界らしい景気の見方の一つに、「国内エチレンプランの稼働率を見る」という手法があります。素材業界は川上には資源業界がいて、川下にはプラスチック、ゴム、塗料、界面活性剤等がありますが、さらにそれらの川下となれば工業分野のほぼ全てを網羅することになります。故に、一般的に化学業界は「景気連動型」と呼ばれる産業なのですがその中でも最も景気連動型と呼ばれているのがエチレンという化学の中でも最もど汎用製品です。
ど汎用すぎるので川下の製品を一つ一つ辿れば多種多様なものに使用されるので、回り回って景気が良ければエチレンの出荷量が増えるし、景気が悪ければエチレンの出荷量が減るという具合です。
そんなエチレンなのですが、一般的に言われているのは稼働率90%が損益分岐点とされています。国内エチレンプラントの稼働率が90%を超えると好景気(生産<需要)、切ると不況(生産>需要)と判断されます。
この前置き情報を持った上で、直近の稼働率をざっと見てみます。
びっくりするほど不景気です笑
日本の景気が不況だとか、世界経済は低迷している!とかいう言葉がニュースで飛び交っておりますが素材の観点から見ても、そういうことなのです。2022年の7月を最後に16ヶ月連続で90%を切っております。化学は装置産業ですので、基本的にはプラントを潰さない限り生産能力は一定となりますので、稼働率が低いということは単純に実需が少ないということになります。
年末年始を終え皆様でも一年の振り返りや新年の見通しを改めて整理されている方も多いのではと思いますので石化業界はどうなの?!という筆者自身の頭の整理も含めその分野のトップのコメントが出ているので参考になればと思います。
石化協会の会長はどう見ているのか?
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