見出し画像

『住友化学』石油化学が・・・苦しい 

化学企業のQ2/上半期決算が出揃いました。大手総合化学は前年比較で軒並み減収、減益です。化学企業全体に関する決算分析はまた別の機会のそーなんだ化学の投稿で準備しておりますので、今日はその中でも特に目立った不振っぷりを見せている住友化学について、話題の「ラービグプロジェクト」迄話を広げながら、お話できればと思います。
”住友化学”とネットで調べると割とすぐに”ラービグ失敗”などの表現がでますが、その背景にある仕組みや意図を理解することでまた違った見え方になるかと思います!

不安定極まりない、石油化学事業。

住友化学の2014年からの事業別決算推移を見ても明らかに不安的な事業が石油化学です。(年次によって呼び方は変わるのですが、内容は石油化学ですので、勝手ながら統一させて頂いております。)

ここ数年化学産業では”石油化学産業再編”という言葉が流行っております。三菱ケミカルの外国人社長ジョンマークギルソンさんもこの言葉をよく使っており、メディアでも結構頻出ワードです。

背景には、人口減少を伴う国内需要の低迷に伴い既存の石化プラントでは供給過多気味になってきている事(そんなにいらない説)、またそれらのプラントはほぼ高度経済成長期に建設されておりプラントが老朽化してしまっている事(寿命説)が挙げられます。
ここにカーボンニュートラルが加わる事で、「石油化学産業」自体に対する風当たりが厳しくなっており、メディアを中心に”石化再編”という言葉が飛び交っているのです。

石化産業はなぜ”不安定”なのか?

ここから先は

2,194字 / 7画像 / 2ファイル

そーなんだ化学+α

¥630 / 月
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?