他人の転職談って楽しい
ずっと前から気になっていた、こちらの書籍を読みました。
前から気になっていたと言ったものの、正直どこでこの本を知ったか全く思い出せない。初版は2023年12月なので、多分半年以上寝かしてたかもしれない。
経緯はさておき、この本は20代のうちに6回の転職を経て、最終的に文章を書く仕事に就いた女性のエッセイだ。著者のプロフィールを見ると、私とそう年齢が変わらない。当たり前だが、世の中には面白い経験や経歴を持つ人がいるなというのが最初の感想だ。
文体がライトで軽妙な語り口なのもあり、かなりサクサク読み進めてしまった。多分3〜4時間くらいで読了した。私自身、転職経験があることと、今も転職したいと思っていたりするので、共感する部分が多かった。
世の中には「ステップアップのための転職」を題材としたコンテンツが多く存在するが、このエッセイはそういったものではない。うまく形容できず、月並みな表現になってしまうが、この本における転職は「自身の人生を充実させるための転職」と言えなくないだろう。私自身、どうしても転職の際に考えるのは年収や社会的ステータスだったりしてしまう。そうではなく、心身共に健康で豊かな人生を過ごすためには、経済的な側面とは別のものを天秤にかける必要がある。それをこの本は気づかせてくれた。
10年もない期間の中で転職を繰り返す、浮き沈みの激しい人生で大変だなと思う反面、私はそんな人生を羨ましく思った。本の中でも触れられているが、著者は様々な雇用形態や業界を転々とし、良くも悪くも多くの経験を積んでいる。望んで転々としているわけではないのは重々承知ではあるが、”普通”に生きていると、なかなかできない経験だ。
世の中の”常識”にとらわれて、社会通念的なものに流されるままの人生を歩んでいる自分が、少しもったいなく感じた。
まさにこの通りだと思う。一度転職をしているので頭では分っているが、どうしても辞められない理由を探してしまう。著者のマネをすれば全てうまくいくとまでは思わないが、人生のモチベーションを考えるうえでは参考にしたい考え方だ。
少し上記の本の内容とは逸れるが、この本を読んで気づいたことがある。私は「エッセイ本」がかなり好きだ。私は人と喋ったりするのはもちろん、他人の思考や人生観に触れることが好きなのだが、エッセイにフォーカスを当てて本を探すことはまず無かった。エッセイを読むほうが、レストランに行って、隣の人の会話に聞き耳を立てるより、よっぽど有益だ。
”好き”を自覚することで、これからの読書の幅が広げられた、いい機会だった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?