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AppSuiteの使い方 部品編5(fin)


参照データ一覧の説明に表現がおかしいところがあったので修正かけています (8月19日 12:00)

参照データ一覧

 アプリ(自分自身も含む)から条件に当てはまるデータを絞り込んで表示する部品であり、今まで説明してきた部品とは大きく異なる点が、入力を求めないことにある。
また1対Nのデータ更新が可能になったことで、データを見る部品から自動処理の起点となる部品になった。
 下図の左が前回表部品からデータを作成した時のアプリで、真ん中の参照データ一覧を設置したアプリとは異なる。参照データ一覧では、そのアプリのデータで「表文字部品」が"a"であるデータを取り出して一覧表示している。右の緑囲みが参照データ一覧の設定であり、元のアプリでは表示されていない部品も見えるように設定できるし、見やすいように表示する部品を制限することもできる。

赤文字は自動計算部品の場合の関数書式

自動計算と合わせると便利

 実は、上の図ではすでに使っているが、通常の文字、数字部品以外に自動計算部品を使って絞り込むこともできる。
上の自動計算では、このアプリの表部品の中から、数値が一番小さいもの「1」に対応する文字「a」を抽出している。
そしてその抽出した「a」を絞り込み条件として別アプリから文字が「a」であるデータを一覧表示させている。抽出条件に自動計算部品を設定することによって表現の幅が広げられるので、試してみてほしい。

 例えば、絞り込みは一つの完全一致条件しか設定できないため、次のようなデータ群で「文字がa」に加えて「表のデータIDが2」であるものはどうやって抽出したらよいだろうか。

文字が「a」表のIDが「2」を抜き出すには?

少し考えてみてほしい。なおこの実用例としては「今月」の「A支店」の売上を抜き出すといったことに相当する。

一案としては下の図の様になる。

自動計算書式については文字の結合だけなので詳細はパス

 被抽出側のアプリに新たな自動計算部品を作って、それに対応するように条件を自動計算で作った。
Excelでは複数のフィルタを同時に使いAND抽出ができるが、AppSuiteではそれができないためこういった方法を使わざるを得ない。
また、OR抽出についてはExcelも同様にフィルタを使うなら関数式と併用して表現するしかない。
ORは条件が漏れやすく(余計なものまで入ることが多い)、考え方としてはANDとNOTで表した時にきちんとNOTが想定通りになっているかで判断しやすいと思う。

高校数学で習ったよね。
3つ以上になると大変なので・・・

自動計算と合わせると不便

 参照データ一覧に抽出されたものに対し確認したら、そのデータに対し確認済みフラグを立てたいといった使い方があるかもしれない。例えば部門別売上を抽出し、最終確認をする場面に相当する。
ただ残念ながら、データの自動処理においては更新対象データを特定するにあたって、抽出に使えた自動計算部品が対象にならないので、更新対象のデータが特定できず自動処理には使えない。
システム的に抽出条件に使えるのだから、更新対象の特定にも使えるようにして欲しい。

自動計算を用いた高度なデータ連携、自動処理を行うためにはAppSuite内では完結できないことが多いので、閲覧用部品としてはともかく、データ連携の使い方についてはよく検討しなければならない。自分もどれが自動計算部品で対象にならないのかの確認が曖昧なまま作ってみたところ、結局できなかったという経験は何度もある。

コメント

 プラグインで、文字(複数行)とともに使う。
現状このプラグインは、編集画面に入らずとも入力できる唯一の部品で、その点で使い勝手は良い。
一方で、他人のコメントを消すことができるなど、使う場面を選んでしまう。
 やはり他人のコメントを消せてしまうというのは問題だと思うし、特定のレコードを確認している場面において、ラジオボタンで確認にチェックをする等の操作を求めるため、編集画面を開かないことは無いと考えており、使っていない。
弊社では、レコードに対するコメント蓄積手段をオフィシャルの解説をもとに自作している。

ヘルプボタン

 単体で機能するプラグイン。
うまく使うとユーザーインターフェースの改善につながるが、デザインの問題なので考え方は人によって大きく違うだろう。
ヘルプボタンの内容は編集画面でボタンを押さないと出てこないことに注意したい。
 下図は実際に使っているアプリで注意書きをヘルプボタンに置き換えたものである。ヘルプボタンに替えることで配置はスッキリするので、良さそうに見えるが、重要な注意書きであるため常に表示されている方が良い。絶対に守るべきルールはヘルプに隠すべきではないと考える。

どちらが好み?

リアクションボタン

 使い道が正直思い当たらない。規模が大きくなれば開発アプリの感想を聞く様な使い方ができるかもしれないが、利用人数が少ない中小企業では活用が難しいのでは。デスクネッツのアンケート機能の簡易版なので、回答率は上がるかもしれない。

習うより慣れよ、アプリを作ってみよう。

 ここまで5回にわたって、運用やデータ連携の利用目線で部品の説明を行ってきた。もちろん5回全部しっかり読んでもらいたいが、読むことよりも小さなアプリを作ってみて、実際(自分一人だけでなく)複数人で運用してみると、もっと勉強になると思う。
 ノーコードツールで新たなアプリを作り大勢で運用するというのは、CMやパンフで見るとバラ色かもしれないが、現実は反発の嵐になることは珍しいことではない。情報システムに限らず、新しい仕組みは反発がつきものだから、自信を持って作ったアプリが運用できる様頑張ってほしい。


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