円陣

円陣で話す内容

今回は質問をいただいた、円陣の際に僕が意識して声掛けをしていることについて書いていきます。

以下、円陣のことをハドル【huddle】という風に書きます。

ハドルとは
直訳すると「群がる」、「群衆」、「ごった」などの意味を持ちます。
アメリカンフットボールなどのスポーツで試合中に円陣を組み、選手同士の間で次の作戦を確認することを指します。
いうならば、作戦会議のことです。


以前出した金正奎さんのイベントに参加してた際に感じたことをまとめたものがあるのでまだ読めていない方は先に読んでみてください。
このあとに書いてある円陣について、なぜ円陣で話すことを考えることが大切なのかがわかると思います。


■ハドルの意味

ハカ

まず、ハドルの意味合いについて確認します。
上記の意味合いにもありますが、ハドルとは言うならば作戦会議そのものです。
試合前はミーティングをして、全員で意思統一を行うと思います。
練習中や、試合中でその代替になるものがこのハドルです。
ハドルにおいて一番大切なことは、そのハドルに参加しているメンバー全員が同じ認識を持つことです

ラグビーにおいてこのハドルが重要なのは言うまでもなく、ラグビーにおいて意思統一ということが大切であり、かつ、とても難しいことだからです。
比較的考える時間が少ない中で、15人全員が同じ認識をもつことは困難です。
だからこそ、短い時間で自分自身の考えを共有して、相手の意見を感じ取り、どうするのかを確認し、全員で共有することが大切なのです。


■練習中のハドル

練習 ハドル

練習中は特にハドルのシーンが多いと思います。
ウォーターブレイクの瞬間ですら、皆で集まり作戦会議を行うと思います。
試合中に行うハドルの練習だと思いながら、練習でも活発に意見交換するべきだと思います。

練習の練習にしないように。と、意識している人は多いと思います。
ラグビーの練習では、このことを意識できていると思いますが、ハドルの時にこのことを意識している人はいますか?
ほとんどの人は意識していないと思います。
何事にも、本番を見据えて行動することが大切だということがここからもわかります。
ラグビーにおいては、試合中はハドルで話すことのできる内容は限りなく少ないです。
その中で、的確に問題点を捉えるために、練習中のハドルは大切になります。

では、練習中のハドルで大切なものは何でしょう。
最終的には、先ほど書いたように、全員が同じ認識を持つことです。
その結果を得るまでに、過程としての第一歩は自分の意見を口にすることです。
次に意識することは、相手の意見を聞くことです。
最後はまとめです。

このまとめは大切です。
だれがどのようにまとめるのかが肝になると思います。
まとめ方はチームであったり、人によって変わると思うので、そこは違ってもいいと思います。
ですが、いつも意識してほしいことは全員が意思統一できたのか?です。
意思統一した内容の適切さは回を重ねるごとにうまくなるので、まずは上記のことを意識することよいでしょう。

僕自身の理想ですが、このまとめ役を毎回の練習で分担してみることが良いと思います。
15人、それ以上いれば一言も発することもない人が出てきてしまいます。
ラグビーにおいて当事者意識を持つことはかなり大切であり、その機会を意図的に作るのは練習でしかできないので、ぜひ取り組んでほしいです。


■試合中のハドル

試合中に行うハドルがうまくいくために、練習中にできることは紹介しました。
では、練習とは異なる条件が多い試合においてハドルで意識すべきことはなんなのでしょうか?

僕が意識していることは
・問題点の明確化
・改善点に向けての建設的な会話
・今後なにをチームとして意識するのか
の3点です。

それぞれについて深堀していきます。

〇問題点の明確化

トライ後

試合中にハドルを組むタイミングは各ハーフが行われる前と、得失点の後にあります。
この場合、得失点のあとに組むハドルで一番大切になります。
失点の直後には、何かしら問題点を抱えているはずです。
得点の後も、なにか改善の余地はあると思います。
その部分を端的に洗い出すことが必要です。
ですが、この改善するポイントが3~5個も出てきているようではよくありません。
正直、ハドルを組んでいられる時間は2分もありません。
なので、この問題点を明確化することに使える時間は30秒ほどです。
なので、1~2個以内に絞る必要があります。
最高でも3個までにしてください。
人間は同時に考えることができるのは3つまでと言われています。
もし、問題点が3~5個あったとしても一番大切なものを選びましょう。

〇改善点に向けての建設的な会話

スコットランド 円陣

問題点が洗い出されたら、その問題を解決するためには何ができるのかを考えます。
改善点を出すのに、正直時間はかからないと思います。
その理由は、日常的に練習をしているからです。
練習の中でたくさんのミスをし、その中で改善をしていくというプロセスを踏んでいく度に、この改善方法の引き出しは増えていきます。
練習でたくさんミスをしろというのはここにつながります。
改善策はひとつでなくても良いです。
その起こっている問題に対して、多方面からアプローチして改善策をだすことを心掛けることも重要だと思います。

〇今後なにをチームとして意識するのか

画像4

問題点を的確に把握し、その問題に対しての正しい改善策を練ることが大切ですが、試合中では、その判断を誤ってしまったり、この改善策をチームで共有することができずに試合を再開してしまうことがあると思います。
一番してはいけない行為です。
試合という非日常だからこそ、チームとしてなにかを統一して戦うということが大切になります。
なので、みんなが口々に思っていることを話し合うのではなく、リーダーが意見をまとめることが必要になります。

試合では日常では起きないミスや、なにをどうしてよいかわからないことが起こり得ます。
その時こそ、自分達の修正力が試されるのです。
この修正力が高いチームほど強いチームと言えます。


■余談

途中で建設的な会話と書きました。
より良い方向に、進むためには練習と違い15人全員が話すことは時間の無駄です。
なので、試合中にはキャプテン含むリーダー的存在が指揮をとり、まとめる必要があります。
その際に注意すべきなのは、自分ひとりで完結して話してはいけないということです。
あくまで目標は15人全員が意思統一するということなのです。
なので、全員の顔色を伺いながら進める必要があります。
時には指名して今どうだったのかを聞き、その問題に対しての改善策を練るという方法も良いと思います。

かといって、練習でいつも一人がまとめてしまうと、話す機会のない選手はいつも端っこで話を聞かなくなります。
先ほども言いましたが、当事者意識を持つために、練習では全員が発言をする機会を作るべきだと思います。

ハドルも含め、練習では試合を意識して試合のための練習をしましょう!

いつも読んでいただきありがとうございます。 一人でも多くの方に読んでいただき、ラグビーをより楽しんでいただけるようこれから頑張っていきます。 コメントお待ちしています!! よければスキもお願いします。