おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。

引っ越してから1ヶ月と数日が経った。
振り返ると長くも短くも感じる。
「もう3月!」とも思うし、「まだ3月?」とも思う。

短い期間ではあるが、ルーティンもできてきた。
朝起きたらマットレスを湿気ないように立てかけて、お茶を沸かしお弁当をつめ、夜ご飯のためにお米をといで身支度を済ませて家を出る。
帰ってきたら洗濯をしてごはんを炊き、洗濯物を干してご飯を作って食べ、洗い物をして拭いてなおす。

毎日があっという間で実家にいたころとは比べ物にならないくらいキビキビと働いている。夜ご飯を食べ終わった後ベッドでゴロゴロすることもなくなった。

実家にいたころは母の作ったご飯を食べ、ベッドでゴロゴロしていたら寝落ちして気づいたら深夜2時なんてこともよくあった。まったくぐうたらな25歳であった。

それが今はご飯を食べたらすぐ洗い物をして食器もちゃんと拭いてなおして、その後は絵を描いてエッセイを書いて、整体で教えてもらったスクワットを30回もし、プランクなどの筋トレとストレッチもしてシャワーを浴びる。

シャワーを浴びたら浴びたですぐ化粧水をぬって、アロエジェルをぬって、ニベアをぬって歯を磨いて、ドライヤーをして、寝る前に1行日記とイラストを描いて、足のマッサージをして寝る。
本当に、立派な大人になった。

実家にいたころは寝つきが悪く2、3時間は眠れないのがざらだったけれど、今は30分もしないうちに夢の中だ。

動いている量が違うので当たり前っちゃあ当たり前なのだが、これは嬉しい変化だ。

こんなに一生懸命暮らしているけれど、引っ越す前、私はもっとできると思っていてそれが実際上手くいかず、落ち込むことがあった。

落ち込んだ理由は料理だ。

昔から作ることも食べることも大好きなので、ある程度はできるし、食べるものにこだわっていた母のおかげで健康への意識も高いと思う。

ペットボトルはほとんど買わず、電子レンジも使わない。
お米は鍋で1日食べる分だけ炊いて美味しく食べる。

ただ、この世には簡単に自分と他人を比べられてしまう、SNSがある。

ひとり暮らしに憧れていた頃、よくひとり暮らしのご飯を作る動画を見ていた。
私は「こんなの楽勝だわ。なんならもっと健康的に作れるね」とぬかしていた。大バカ者である。

でもできると思っていた。しかしふたを開けてみれば全然できない。
一汁三菜、いや一汁一菜どころか「一汁か一菜」しかできない。

料理はしているし、野菜だって食べているし卵も、たまに肉も。
だけど画面の中にあったザ料理という料理、いわゆる映えがない。

自炊した記録として毎日写真に撮ってはいるが、私が思い描いていた夜ご飯とはほど遠い、地味なごはん。

美味しいけれどなぜか少し空しかった。

私は自分は全然料理なんて得意じゃないんだと落ち込んだ。

でもある日気がついた。ひとり暮らしはひとりだ。私には私しかいない。
私のことをけなすのも、褒めるのも、この家では私だけだと。

そう思うと笑えた。何をくよくよしているんだろう。映えがなんだ。映えているから、節約しているからえらいんじゃない。すごいんじゃない。
私は毎日、私のためにごはんを作っている。もっと私に感謝しろ私。

ありがとう私。洗濯も洗い物もお弁当も水筒も用意してくれて。
私はたくさん食べるから寝る前におなかが空かないように夜ご飯はしっかり食べられるように作ってくれてありがとう。
1日1.5合は多いなと思ったけれど1合にしたらしたで足りないから1.5合に戻してくれてありがとう。
大根は米のとぎ汁で下茹でしてから煮てくれてありがとう。
でも中心まで火が通ってなくて少し硬かったね。難しいね。

大根と豚肉の煮物も、春菊と豚肉と生姜のうどんも、炊く時間を間違えて底が焦げてしまったさつまいもごはんも、ぼろぼろになった目玉焼きも全部美味しかった。

めんどうな日は納豆とウインナー丼の日もあるけれど、それでいいのだ。

毎日チェーンやコンビニで済ますよりもよっぽど健康的に生きている。
私は本当にえらい。ドーナツを食べる時だって、わざわざお皿に移すようになった。えらすぎる。

まだ1ヶ月しか経っていない。きっと2カ月、3ヶ月経ったらドーナツを揚げることだってできるようになるだろう。
カスタードクリームだって作っている、そしてドーナツの中にたっぷり詰めているだろう。私にはわかる、だってそっちのほうが美味しいから。

気がついてからはSNSも無駄に眺めなくなった。便利なものはほどほどに使うのが一番いい。


スクワットを教えてもらった整体に行ったときの話



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