スクワットのお披露目

肩が凝ってしかたなかったので整体に行った。
仕事を終え、ホットペッパービューティーを開きお昼休憩中に目星をつけていたお店を予約する。
「30分後なら余裕だな」と思いネット予約を完了させ、予約が完了したことを知らせるメールを開いた。

「え、初回は10分前に来いだと…」

おそらく予約が完了するボタンを押す手前に書かれていた注意事項をすっかり見落として予約を完了させていたようだ。
でも別に間に合わないわけではなかったので、ちゃんと予約が完了するボタンを押す前に注意事項を読まなかった自分を責めつつも用意して行った。

整体の先生は優しくイケメンだった。こんなことならちゃんと化粧してくれば良かったと思った。今回だけのつもりだったのでまぁいいかとスッピンで行ったのだ。

身体の歪みチェックなどをし、整えてもらう。
私は反り腰で猫背のようで前から見ると大丈夫だけれど、横からみると歪んでいるようだった。

足を肩幅に開いて立ち、手を後ろに組んで先生が私の手を下に押すので体幹で耐えるというのをやった。
私は全く耐えられずすぐふらっとバランスを崩す。
今度は前に手を組み同じように先生が手を下に押し、私はまた耐えられずすぐバランスを崩した。

しかし身体の歪みを整えてもらうと同じ力、いやそれ以上の力で押されてもまったくぐらつかなくなった。
人の体は不思議である。

整体の先生から揉みほぐしの先生にバトンタッチし、凝っている部分を揉んでもらうのだが、この揉みほぐしの先生もイケメンだった。
なんだったら受付の人もイケメンだったので、来てよかったと思うと同時にスッピンで来たことがまた悔やまれた。
みんなマスクだったし左手の薬指には指輪が輝いていたけれど…

どうせ同じ施術を受けるならイケメンの方が嬉しいので(ちょっと恥ずかしくもあるけど)イケメンは本当に得である。

揉みほぐしてもらいリラックスしながらも凝っているところを押されると痛い。
しかし痛いのでやめてくださいとは言わず、むしろ痛いということは効いていると思い我慢していたら先生が

「ここ痛いですよね?」
と聞いてきた。
私は
「はい。痛いです…」
と答えた。
先生は笑いながら
「わかりやすいですね。痛いと口が笑うんだな」
と言った。
あはは…と笑って返したけれど、施術されてる顔を見られていると思うとめっちゃ恥ずかしい。
だってイケメンだし。こちとら仕事終わり疲れスッピンである。(スッピンは私が悪い)

そんな恥ずかしい思いをしながらも揉みほぐしも終わり最後にスクワットを教えてもらった。

普段やっているスクワットを見せ、その後先生が正しいスクワットを見せてくれた。これが個室で他の人に見られなかったら良かったのに、この店は広いフロアにベッドが並んでいるOPENな整体だったのですごく恥ずかしかった。私だけスクワットして。

しかも私が普段やっているスクワットはあまり正しくなかったようで、先生が教えてくれたスクワットをやろうとすると一回もできなかった。足こし弱々人間である。

先生は優しくもう一度教えてくれたのでなんとか出来たのだが、ここで先生は言った。

「じゃあ最後に5回やって終わりましょう」

勘弁してくれ。
この広いフロア、他のお客さんと整体師さんがいる中でド下手スクワットを5回披露しろとは公開処刑である。

しかし断るわけにいかないのでやった。
長い5回だった。色んな意味で。先生に「いーち、にー」って数えられたし。

60分の整体でかなり肩も楽になったが、私は恥ずかしかった…と思いながら店を後にした。

今回だけと思っていたが身体の歪み的にも通った方がいいと思い来週の予約をしてしまったので、来週はスクワットを披露せずにすむといいなと切に願う。

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