選挙は20年後に答え合わせ
政治家の選び方
2024年の東京都知事選挙はこれまでの選挙の常識をいろいろと考え直す良い機会になったようだ。
同時に、選挙はタレント性の人気投票なのかとも思い知らされた。
SNSを駆使した候補は若い世代に受けたらしいけど、彼の描く東京は私にはよくわからなかった。
「受けが良い」が理由であっても、これまでと「変えてみる」のは大いに意義がある。
これまで選挙での私の投票の仕方は全く違っていた。
当選して欲しい人を選ぶのではなく、当選して欲しくない人を落とすための選挙だった。
候補者の考え方にYESがより多い人で妥協するのではなく、NOがより多い人を当選させないこと。
そのために対抗となりそうな人に投票する。まず、変えてみること。
ただ、結果としては当選して欲しくない人がそのまま当選してしまったことがほとんどだけど…
候補者に必要なのは政策ではない
「候補者は政策を示せ」とよく言われる。
そしてその政策の良し悪しを判断して投票するものだと。
しかし、それは順番が違うと私は考えている。
東京都知事選挙を例にすると、本来は「20年後の東京を選ぶ選挙」でなければならない。
目標とする未来の姿があって初めて、そこに向かうための政策があるはず。
目先のことを改善する政策でお茶を濁したところで未来は変わらない。
政治家とは未来のために仕事をする人。利潤の追求をすることなく世の中の問題を解決しながら変革していける、また変革を任される唯一の仕事だと思う。
儲けなくて良いということが重要で、税金という資源を目標とする未来のためにつぎ込む。
国民、市民が豊かになれば、さらなる未来のために使える税金も喜んで納めてもらえる。
現状を維持することではなく、現状を踏まえたうえで求める未来のために現状を変革することこそが仕事だろう。
候補者に何より必要なのは目指す未来の姿を語ることだ。
間違ったらやり直せる
日本は失敗を許さない国だと言われる。
失敗して責任を取りたくない。
だから何事も挑戦しない。
役所は特に前例主義になる。
学校教育では正解のあることばかりを試験して優劣を決める。
きっと政治にも失敗を許さないのだろう。
私は学者ではないから専門的な分析などできないし、論理立てて証明することもできない。
でも、大きな変化を恐れて目先のことをチマチマと見直したところで、20年後の東京も20年後の日本も変わることはないと確信している。
むしろこのままではもっと酷い情けない国になっていそうだ。
例えば少子化問題。
・若い人たち(20~30代)の収入が少ないから
・非正規社員が多いから
こんな理由ばかりを中心に据えようとする。
だから補助金を出すんだと。
もしも大きな理由がそれだとすれば補助金などで解決するわけがない。
なぜそうなったかの根本原因をそのままにして目先のことを変えても一時しのぎなのは誰もがわかるはず。
まずは変えてみることだ。
だからこそ、政治家とは何期にもわたって務めるものではなく、身を粉にして仕事そし、4年もやれば「もう次はたくさんだ」と思うほどに仕事をしてもらいたい。
間違ったらそれを認めて身を引き、次の人に任せる潔さが肝要。
間に合うだろうか
日本の国の在り方から見直さないと20年後はどうなっているだろうか。
今の60代以上の政治家の先生たちは20年後に果たして何人生きているだろうか。
中にはまだ現役の政治家の先生も残っているかもしれない。
彼らは責任なんて取るわけがないし、取れるわけもない。
どんな20年後になっていようが、それを受け入れて生きていかねばならないのは今の20~30代。
その時になって望んだ未来と違っていたら、やっぱり同じく根本には目を向けず目先だけを誤魔化して済ませようとするのだろうか。
今、最も政治に真剣にならなければならないのは、私を含めた老人ではなく、20年後にも必ず生きている世代の人たち。
やり直す時間のある人たち。
20年後に答え合わせのできる人が主役でなければならない。
夏の平均気温が40度を越えているとしても、果たして日本という国が存在していれば、まだ良いのだけれど。
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