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わたしの推し本神7〜彩ふ読書会7周年イベント参加記録(2024.6.30)

 彩ふ読書会さんの7周年イベントに参加してきました。7周年、すごいですね。

 テーマは7周年にちなんで、「わたしの推し本神7〜あなたの人生を彩った7冊を教えてください」というものでした。40名を超える参加者で会場は朝から大変な盛り上がり。

 おおよそ5名単位で各テーブルに分かれて推し本紹介を楽しみました。

 私のついたテーブルは、男性2名、女性3名。うち初参加のかたが2名いらっしゃいました。本来であれば、私も各参加者の推し本を詳しくレポートしたほうが実際の様子はよく伝わると思うのですが、それだけの余裕や器量が当日の私には無く――申し訳ございません。

 ということで、私自身の「推し本神7」紹介が中心になりますが、以下ささやかながらレポートの代わりとさせていただきます。

 まず、7冊をどう選ぶか始めに結構悩みました。他の参加者に聞いてみると、
・単純に個人的ベスト7の本
・ジャンルを絞ってそこから7冊
・7つジャンルを設定してそこから1冊ずつ
・時系列で印象に残っている本を7冊
 などが聞かれました。

 悩んだ末、私は自分のこれまでを時系列で振り返り節目で印象に残っている本を7冊選ぶことにしました。幼い頃から順に最近までという感じです。キャッチコピーの「あなたの人生を彩った7冊を教えてください」に文字どおりであれば近いかもしれません。

 ということで、そういう趣旨で選出した私の推し本神7です。

1、こころ(夏目漱石)
 小学生の頃に読んで、教科書に載る小説のなかではじめて「面白い」と思った作品。本作をミステリーとして読む評論があることをのちに知って、自分の好みが幼少期から確立していたのかと振り返って自覚させられた思い出。

2、氷点(三浦綾子)
 子供の頃、親に勧められて読んだ小説。物語には作者の込めたテーマがあることをこれで初めて知った記憶。

3、天河伝説殺人事件(内田康夫)
 浅見光彦シリーズから一作。私にとって広義の推理小説との出会いです。旅情ミステリー、歴史ミステリーは小中学生の頃、読み漁りました。

4、水晶のピラミッド(島田荘司)
 初読は高校生の頃だったと思います。この頃から本格ミステリーに傾倒します。当時、本作で本格ミステリーの持つ可能性の広さに衝撃を受けました。御手洗潔がカッコ良い。

5、哲学者の密室(笠井潔)
 本格ミステリーというジャンルの器としての底深さを思い知らされた作品。矢吹駆がカッコ良い。

6、記憶の果て(浦賀和宏)
 メフィスト賞作品群は私の青春時代を彩りました。そのなかから個人的に思い入れのある一作。

7、女王国の城(有栖川有栖)
 本書の刊行時、著者サイン会に当時お付き合いしていた人と一緒に行った思い出。その人が現在のパートナーです。(私的推し本神7のオチ)

 推し本神7のなかから1冊取り上げて改めて紹介するのですが、私はあえての非ミステリー作品からピックアップ。2冊目に挙げた「氷点」を選びました。

角川文庫「氷点(上巻)」

 辻口病院長夫人・夏枝が青年医師と逢い引きしている間に、3歳の娘ルリ子は殺害された。「汝の敵を愛せよ」という聖書の教えと妻への復讐心から、辻口は極秘に犯人の娘・陽子を養子に迎える。何も知らない夏枝と長男・徹に愛され、すくすくと育つ陽子。やがて、辻口の行いに気づくことになった夏枝は激しい憎しみと苦しさから陽子に気づかれないように冷たい仕打ちを続ける。

「氷点」あらすじ紹介より

 作者の三浦綾子さんは敬虔なクリスチャンとしても知られています。本作のテーマは原罪。人は誰しも生まれながらにして根源的な罪を背負っているというキリスト教の思想です。陽子の背負う殺人者の娘という原罪への向き合い方と共に読者もまた本作を通じて自らの「氷点」を意識させられます。「罪の赦し」がテーマとなる「続・氷点」とあわせて是非。

 同席の参加者からは、
・ワールドトリガー(葦原大介)

・三国志(岩波書店)

・勝手にふるえてろ(綿矢りさ)

・こどものおもちゃ(小花美穂)

 等などが紹介されていました。今回は手元に神7リストがありますので、メインで紹介する本の他にも幅広く話題が及び、さすが周年イベントというところで、いつも以上に熱を感じた席でした。

 振り返ってみると取り上げられた作品はジャンルも時代も実に多種多様です。もちろん紹介者の属性も。みんな色んな本を色んな時期に読んでそれぞれ感銘を受けているわけですよね。

 本の紹介スタイルは自由なわけですが、今回私が同席させていただいた皆さんはあらすじ紹介にとどまらず、

 その作品のこういう部分が他と違って、だから自分のツボに刺さるのだ あるいは、
 人生のどんな時期(タイミング)にその本を読んで、だから自分にどう染みたのか

 という深掘や周縁の語りが特に多かったように思います。個人的にはそのあたりとても楽しめました。しかもそれが顔の見えないWeb記事でなく本人を目の前にして聞けるのですから、これぞ読書会の醍醐味と言えます。

 別記事でも書いたのですが、読書は個人で完結しがちな趣味である一方、読後のアウトプットの場を持つことできっともっと読書時間が楽しくなるはず(!)――です。


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