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小説_聖徳をまとう

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ミステリー風味のオリジナル連載小説です。 タイトル/ 聖徳をまとう あらすじ/ 出来心から娼婦ユミの跡をつけた私だったが、不注意がきっかけでそのストーカーじみた行為はユミ本人に知… もっと読む
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#ミステリー小説

聖徳をまとう_六/笛と電話

 ◇ 「三十一のリコーダーアンサンブルや!」  担任の島脇先生が黒板の前で気炎を上げてい…

シュシュ
2週間前
7

聖徳をまとう_五/女王の墓

  ◇ 「六角堂?」  肇が唐突に私に問いかけてきたのは石段を降り始めて奇しくも六段目に…

シュシュ
1か月前
5

聖徳をまとう_四/いもこさん(2)

  ◇  小野妹子は聖徳太子と同じ飛鳥時代を生きた官人である。推古天皇の時代、大使に選ば…

シュシュ
1か月前
1

聖徳をまとう_四/いもこさん(1)

  ◇  音の無い漆黒の世界。海の底で深海魚を見上げる夢を見た。身をくねらせて泳ぐうつぼ…

シュシュ
2か月前
3

聖徳をまとう_三/地を這う(2)

  ◇  交わした約束はまもなく果たされた。  カウンセリングの二日後、私は再び空に近い…

シュシュ
2か月前
2

聖徳をまとう_三/地を這う(1)

  ◇  四肢の関節の痛みに耐えかねて目が覚めた。頭上から差し込む薄明かりが二日酔いの脳…

シュシュ
2か月前
3

聖徳をまとう_二/故郷にて(4)

  ◇  太子町に飲食店は少ない。叡福寺で私をピックアップした横谷姉弟はそのまま車を隣町の羽曳野市まで走らせた。車中、香苗は運転席に座る弟を紹介してくれた。 「どうも。肇です。いつも姉がお世話になっています。秀太さんとは、昔、地元のお祭りで会ったことがあるんですよ」  ルームミラー越しに折り目正しく目礼する肇に、後部座席に座る私は会釈で応じた。秀眉の下で姉によく似た細い目が清爽な笑みをたたえている。ツーブロックに整えられたアッシュカラーのマッシュパーマが窓から入る夕風に

聖徳をまとう_二/故郷にて(3)

  ◇  叡福寺は、推古天皇の時代、聖徳太子の母である間人大后の御廟に太子とその妻の大郎…

シュシュ
3か月前
1

聖徳をまとう_二/故郷にて(2)

  ◇  矢も楯もたまらず、惹かれるように向かった先は八城邸だった。インターフォンの付い…

シュシュ
3か月前
1

聖徳をまとう_二/故郷にて(1)

  ◇  好奇心は猫をも殺すというが、まずもって、好奇心は時に人を動かす原動力となる。抗…

シュシュ
3か月前
1

聖徳をまとう_一/ストーカー(3)

  ◇  地元で顔の広い、旧友と呼べる存在は田辺雄平だけだった。帰郷しても連絡を寄越して…

シュシュ
3か月前
2

聖徳をまとう_一/ストーカー(2)

  ◇  その日の己の醜態を気にしていなかったわけではない。  時折は、思い出したかのよ…

シュシュ
3か月前
2

聖徳をまとう_一/ストーカー(1)

  ◇  仕事をやめて地元に帰ることにした。  早朝、引っ越し業者に少ない荷物を預け、地…

シュシュ
3か月前
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