Shunsuke Sagara

🇯🇵と🇮🇳でシードステージのスタートアップに投資をしています。 産業DX (SaaS/B2…

Shunsuke Sagara

🇯🇵と🇮🇳でシードステージのスタートアップに投資をしています。 産業DX (SaaS/B2B Marketplace) の可能性に日々思いを馳せています。岐阜県恵那市出身。ex-Treasure Data (2013-2018)

マガジン

  • 事業のネタ帳

    日本・インドネシア・ベトナム・インドのアジア4カ国でシードスタートアップへの投資支援を手掛けるVCのジェネシア・ベンチャーズが、起業家/事業家の目線で産業創造/産業変革のアイディアを連載する『事業のネタ帳』のマガジンです。

最近の記事

事業のネタ帳 #29 逆張りの Re-skilling as a Service

働く人の学び直し(リスキリング/Re-skilling)の支援策を検討する自民党の議員連盟が今月中にも発足されることが明らかになりました。 設立趣意書案にもある通り、マクロで見ると「人口減少を補うだけの1人あたり生産性の向上、平均所得の向上がなければ国内総生産(GDP)を維持・拡大できない」ため、そのギャップを埋めるべく国を挙げてリスキリングを推奨しよう、という考えです。 具体的には5年で1兆円の財源を充て、以下の施策を実行していくとのこと。 ①転職・副業を受け入れる企

    • 事業のネタ帳 #22 LINE-enabled SaaS

      低単価SaaS、分けてもデスクレスワーカーを対象にした現場産業向けのSaaSにおいて、コストをかけて製品を全て内製で開発して営業してオンボーディングすることの難しさを感じる機会がこのところ増えてきました。 中価格帯の製品が生き残れない、いわゆる死の谷があると言われるSaaSビジネスですが、一社当たり単価が年間数万円〜数十万円程度の低価格帯についても、Go-To-Marketにかなりの工夫がないと成立し得ないイバラの道なのではというのがここ最近の所感です。 仮に運よく顧客獲

      • 事業のネタ帳 #16 保険の進化史から考えるセキュリティマネジメントの次

        市場のリスク/事業のリスクを一方的に起業家へ押し付けるのではなく、自ら起業家と同じ目線/姿勢で事業アイディアを考案、発信することで産業創造/産業変革の当事者足ろうと昨年スタートした事業のネタ帳シリーズですが、16本目となる今回は国産セキュリティスタートアップの事業機会について考えてみたいと思います。 ※過去のバックナンバーは以下よりご覧いただけます。 なぜ今、セキュリティかなぜ今セキュリティに注目するかといえば、一口にインターネットの接続点(ヒト・モノ)がここ10年で大幅

        • 事業のネタ帳 #10 OSS 2.0

          ZoomやSlackが日本から生まれるイメージは未だついてないのですが、RedisやMongoDB、Elasticであればひょっとしたらひょっとするかもしれないと常々考えていることもあり、今回はOSS(オープンソースソフトウェア)を活用した事業機会について書いてみたいと思います。 日本のスタートアップ界隈で純度の高いソフトウェアビジネスのネタが語られることは寡聞にして稀ですが、このところ話題の"Web3"のユースケースとしてもOSSは本丸の一つになり得るのではと個人的には感

        事業のネタ帳 #29 逆張りの Re-skilling as a Service

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        • 事業のネタ帳
          39本

        記事

          事業のネタ帳 #7 健康保険 as a Service

          健康保険。日々生活をする中ではあまり意識を向けることのないものかもしれませんが、個人的には現代社会で普遍性を伴って伸びゆく(その一方で既存のシステムが制度疲労を起こしておりテコ入れが必要な)事業ドメインの一つであると思っています。 そこで今回は、日本国内において健康保険領域で新たにスタートアップすることを想定した場合の市場仮説と戦略仮説について、7本目を数えるネタ帳に綴ってみました。 この記事の最後で、近い将来起業を考えているプレ起業家を対象とした事業アイディア相談会の告

          事業のネタ帳 #7 健康保険 as a Service

          事業のネタ帳 #2 コールセンターのDX

          シード投資は人だ、とはよく言われますが、誰がやるかと同じくらい何をやるかも大事だと思っており、そうであるならば高みの見物をするのではなく、投資アイディアを自ら書き起こすことで同志を募ろうと開始した事業のネタ帳ですが、ありがたいことに初回の記事には複数の起業家・潜在起業家の方からポジティブな反響をいただきました。 二つ目の事業案として、今回はコールセンターのDXを取り上げたいと思います。 市場仮説まず、マクロで見たコールセンター市場の概観としては、約1兆円の規模で年率5-6

          事業のネタ帳 #2 コールセンターのDX

          事業のネタ帳 #1 AI-powered BPO

          シード投資家の本分は起業家と共にDAY1からリスクを取ることであると考えているのですが、常に新たなチャレンジをし続けている起業家に比べてどれだけリスクを取れているだろうかと自問したときに大手を振って回答できない自分がいたため、ジェネシアでの新たなチャレンジとして、シードVCが手がけたい事業アイディアをその理由や市場仮説と共に書き溜めていく『事業のネタ帳』という連載企画を始めようと思います。 なぜ今、『事業のネタ帳』かシード投資は人だ、とはこの業界でよく言われる定説です。一方

          事業のネタ帳 #1 AI-powered BPO

          【シード調達のリアル #4】 DD(デューディリジェンス)- Finance by Genesia -

          「長考に好手なし」。これは将棋の世界に伝わる格言ですが、スタートアップ投資の現場においても同じことが言えるのではないかと思います。 長く考えたところで必ずしも良い手に行き着くわけではなく、むしろ長考は迷いが晴れないことの裏返しであり、思考に負のスパイラルを招くものとも言える、ということですね。 またシード投資の現場では、有望な企業であればあるほど投資家間の競合が激しくなるため(東南アジアでは特にこの傾向が顕著です)、呑気に長考している余裕などありません。さらに言えば0から

          【シード調達のリアル #4】 DD(デューディリジェンス)- Finance by Genesia -

          COO設置組織の三類型

          とびきり優秀なNo.2が参画した途端、それまで大きな可能性を持ちながらそのポテンシャルを開放し切れていなかった会社が非連続に(あるいは安定的に)成長し始めるケースは珍しくないのではないかと感じます。 古くはSONYの盛田昭夫氏が、インターネット以後においてはDeNAの守安さんやメルカリの小泉さんが、近年のスタートアップシーンではラクスルの福島さんやSmartHRの倉橋さん等が好例を示してくれています。 No.2にも色んなタイプやポジションがあるとは思いますが(そして長い目

          COO設置組織の三類型

          集中と分散と中庸

          こんばんは。相良です。 昨年2020年に書いた記事は一つ一つの分量が多く、書き手の整理にも読み手の咀嚼にも毎回一定の消費カロリーを要してしまったかなという反省があり、2021年は軽量かつカジュアルな内容も織り交ぜながら一本一本の濃度を薄めて本数を増やすスタイルにしていきたいと思っています。 気づけば1月もあと数時間で終わりそうなので、新年の書き初めを兼ねて最近感じていることを徒然に綴っていきたいと思います。ボールドもアンダーラインもない、淡々とした感想文です。 コンピュ

          集中と分散と中庸

          事業承継の雄・日本M&Aセンターに学ぶ「構造的競争優位」の築き方

          日本M&Aセンターという会社があります。 読んで字のごとく(?)日本を代表するM&A仲介会社であり、ファイナンス業界に身を置く者であれば誰もがその名を知る燻し銀企業ですが、一般的な認知はそれほど高くないのかもしれません。 その認知度とは裏腹に時価総額はじわじわと右肩上がりで伸長し続け、先日ついに1兆円の大台に乗りました。PSR(株価売上高倍率)は38倍ほどなので、IT銘柄に慣れていると然程驚くべき数値ではないですが、ソフトウェアドリブンではない老舗の上場企業としては突出し

          事業承継の雄・日本M&Aセンターに学ぶ「構造的競争優位」の築き方

          データは21世紀の石油ではなく、再生可能なユーザー体験の副産物である

          ※この記事は、ブログリレー企画 #SaaSLovers 秋のブログ祭りへの6日目の寄稿です。 ベンチャーキャピタリストという職業柄(&Treasure Data出身というキャリア柄)、起業家や大手事業会社の方から「データを使ったビジネスを検討しているので意見が欲しい」という相談をもらうことがよくあります。 ただ、人によってはそもそもデータというものの特性や位置付けについての前提認識が違うように感じることも少なくなく、それを揃えておいた方が建設的/発展的な議論がしやすいなと

          データは21世紀の石油ではなく、再生可能なユーザー体験の副産物である

          中国古典『貞観政要』に学ぶ持続可能なスタートアップ組織論

          「守成は創業より難し」という格言があります。 既にある国や事業を守りながらより大きく成長していくこと(守成)は新たに天下を獲ること(創業)よりも難しいことを言い表したものですね。元々は国の政体を指して引用されることの多かった言葉ですが、我々スタートアップや企業経営においても全く同様のことが言えるのではないかと思っています。 そこで今回は、上記格言の出所でもあり、日本でも北条政子や徳川家康らが座右の書として愛読したという歴史的名著『貞観政要』(中国唐代の長期政権の礎を築いた

          中国古典『貞観政要』に学ぶ持続可能なスタートアップ組織論

          スタートアップにとって、「競争優位が持続可能である」とはどういう状態か

          インターネット以後のスタートアップを急速に成長させ、テックジャイアントたちの地位を盤石なものにさせてきた因子の一つに、ネットワーク効果という概念があります。 ある製品やサービスを使うユーザーが増えることによってそれを使っている既存ユーザーの便益が増し、結果としてその製品やサービスそのものの価値が向上するという効果ですね。個人的にも大好きな概念です。 FacebookもAlibabaもTencentもLINEもメルカリもMonotaROも、著名なテクノロジー企業のほとんどが

          スタートアップにとって、「競争優位が持続可能である」とはどういう状態か

          SaaSをより強くするためのMarketplace、あるいはMarketplaceをより強くするためのSaaSに関する考察

          ジェネシアの相良です。日本と東南アジアで、シードステージのDXスタートアップに投資をしています。 先日来、DXスタートアップの二大ビジネスモデルであるSaaSとマーケットプレイスについての考察を進めるにつれて、両者は別物ではなく互いの強みと弱みを補完し合う関係性にあると感じることも増えてきたため、この辺りで掲題のテーマについて筆を執ってみようと思います。 サマリーは以下です。 DXスタートアップの二大ビジネスモデルDXの本質は、デジタル(ソフトウェア)を起点に、企業内オ

          SaaSをより強くするためのMarketplace、あるいはMarketplaceをより強くするためのSaaSに関する考察

          「ミスミモデル」の系譜

          ジェネシアの相良です。下記のツイートをしてからというもの、国内外のB2Bマーケットプレイス事例を色々と調べてみているのですが、海外事例ばかりでは肌感を持ちにくいという起業家心理もありそうなので、今回は日本発グローバルで確かな存在感を誇る燻銀の国産企業・ミスミについて、その成長のドライバーとなっている/なってきた要素を抽出、型化した上で、その型を受け継ぐスタートアップ各社の事例にも触れ、既存産業×マーケットプレイスの領域で新たに事業を志す皆さんへのTipsにできればと思います。

          「ミスミモデル」の系譜