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総合病院勤務での気付き①

皆さんこんにちは。SNSIです。

私事ですが、このたび総合病院から整形外科クリニックに転職することにしました。

運動器疾患を中心に関わっていきたいという気持ちが常にあり、いいきっかけがあったので思い切って決めた次第です。
年始から始業。これからどうなっていくか不安もありますが、非常に楽しみです。

さて今日は、私が総合病院の後半戦、内科病棟勤務で学んだことを備忘録としてまとめます。
新人さんや経験が少ない方にはお役に立てるかもしれません。
ご意見あればどしどしお待ちしております。

目次です。

全身状態把握って超大事

そりゃそうだよ、わかってるよ

って思いますよね。でも僕は内科勤務で何度も思いました。

「全身状態の把握って思ってる以上にめちゃくちゃ大事」
何回言うねん、って感じですね。でもそうなんです。

私が勤務した内科病棟での担当患者の疾患名は、以下の物が主でした。

・心不全による廃用症候群
・誤嚥性肺炎による廃用症候群
・腎盂腎炎による廃用症候群
・胆嚢炎による廃用症候群
・消化管出血による廃用症候群

内部疾患が主だったんですよね。
そして担当患者はほとんどが80歳以上、要介護3以上の高齢者。

治療は薬が中心です。
寝たきりにならないようにリハ介入が必要とされる、という環境でした。

整形の術後急性期であれば
「プロトコルに則ってすすめていき、回復期につなげるために状態を整えておく」というのがおおよそ求められていることでした。

内科病棟では、
「投薬治療が終わる頃には在宅復帰できるようADLを落とさない」というのがおおよそ求められていることであり、とにかく離床させるのが重要でした。

そこで求められたのが、

「リスク管理」 です。よく聞く言葉ですね。


高齢者+内部疾患の方を介入する際、ちゃんとリスク管理しないと、
死に直結するんですね。

同じ「リスク管理」でも、整形疾患で脱臼したり荷重オーバーしたりするのとは、なんというか、感じ方が違うんですよ。
(誤解を避けるために一応言いますが、脱臼や荷重オーバーもめちゃくちゃ気をつけないといけない大事なことです!)

主な疾患名だけみてても、それ以外の疾患があることも多く、本当にその患者さん全体をみないと介入できなかったのが内科病棟でのリハでした。

「全身状態の把握ができないと、介入で死に向かわせる可能性がある」

という環境で、「全身状態の把握って思ってる以上にめちゃくちゃ大事」ということに気付けました。

整形で「局所+全身」が大事といいますが、
内科病棟勤務のおかげで、”全身”に”内臓”も含まれました。
理学療法士は、本当に全身をみなきゃいけない職種だったんです。


情報処理能力の重要性

ではどうやってリスクを管理するのか。

総合病院であり、幸いデータは揃ってます。血液データもレントゲンもMRIも食事摂取量も、なんでもわかっちゃいます。

これらのデータを素早く統合と解釈すること。これがすなわち情報処理能力です。

私が初回介入前にカルテで拾うデータは、

・疾患の起点
・リハ開始までの日数や治療の経緯
・疾患の現状
・血液データ
・画像所見
・栄養状態
・既往歴、既往歴の重篤度合
・投薬状況
・生活背景、家族との関係性
・元のADL状況

といったものでした。
そしてはじめ数回の介入(できれば初回)で、

・疾患や現状の理解度
・入院中現在の精神・心理状態

を把握するというのが基本的なルーチンワークでした。(もちろん差はあります)

そしてそれらの情報を統合と解釈し、優先順位をつける

現在、病院での在院日数はどんどん短くなっていますし、今後もさらに短縮化が進むでしょう。そのため、理学療法士ものんびりリハしてる時間はありません。
データを解釈した上で、

「絶対やったらダメなこと」「介入をやめるべき状態」を把握し、
可能な範囲で積極的に離床をすすめる。

これによりスピーディーに離床がすすみ、在院日数の短縮にもつながります。

こういう作業を繰り返していると、

ベッドサイドリハでROMex.を行う場面はほとんどなくなりました。

例えば、優先順位はほとんどの場合、離床時間増加>膝の可動域 でした。

寝たきりの患者でも、

・嚥下時の姿勢保持時間延長
・努力性呼吸の緩和
・排痰を促すためのポジショニング
・肺炎防止のための口腔ケア(これは賛否両論ありそう…ケアに含まれそうだし)

などなど。
可動域よりも優先することがいっぱいあるんですね。

なんとなく全身動かして、とりあえず車椅子乗っけて、適当に運動して終わり

なんてことはほとんど有り得ないです。
患者それぞれの生活背景を捉え、優先順位を設定し、それに沿った理学療法を実施する。


『評価→統合と解釈→ゴール設定→理学療法の実施』

文字にすると当たり前のことなんです。
でも私にとって、整形と内科ではだいぶその中身が異なりました。
だからはじめは苦しんだし、ようやく、なんとなくわかってきた感じです。

幅広い情報をスピーディーに処理し、最短距離でリハをすすめる。
これが重要なことだと再認識できたのが、内科病棟勤務での重要な気づきです。



まとめ

総合病院勤務で得られた、理学療法士としての気付き

①全身状態の把握ってめっちゃ大事

②情報処理能力ってめっちゃ大事

まずはこの2つ。
あたりまえですが、大事なことです。


他にも大事な気づきがいっぱいあるので、少しずつまとめていきます!


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