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運動音痴だけ集めたスポーツ大会をやりたいねって話

運動音痴だけ集めたスポーツ大会をやりたい、もしくはスポーツサークルを作りたいねって話をします。

何の因果か、僕は運動音痴の星の下に生まれました。逆上がりも縄跳びもできません。跳び箱?……跳べたことありません!竹馬や一輪車……それは異星人の乗り物ですか?ボールは、大きさに関わらず、蹴れない、投げられない、受け取れないの三拍子揃ってます。そもそもボール飛んできたら怖いし!

小学校の体育の時間はとても辛かったです。ドッジボールでみんなが楽しそうにボールを当てたり、当てられたりしているのを横目に、僕はひたすら逃げ惑っていました。自分がボールを取りに行ったり、試合に絡もうとすれば、チームの足を引っ張るのがわかっているから……目の前で敵チームの誰かが転んで倒れている!そんな絶好のチャンスでボールが僕の前に転がってくる。僕は、それを見事に明後日の方向に投げる。またある時は、味方が優しく投げてくれたボールを当然のように落とす。それを、まるでひっくり返されたダンゴムシのように不器用に手足をバタつかせて拾おうとする。結局僕が拾うよりも先に敵チームに取られて逆転のピンチを招く……僕が何度ヘマをやっても、チャンスを潰しても、チームのみんなは別にからかったりしません。でも、自分が積極的に動くと必ず変な空気になって、それがとても情けなかった。

中学に入って以降は、ある意味で開き直っていました。真面目に体育の授業には取り組まず、中高6年間、運動会には一度も出ませんでした!みんながクラス対抗で盛り上がる中、コンプレックスをこじらせた僕は、「隣のクラスの棒を倒すことの何が楽しいのやら。危ないし」と醒めきっていて、練習を頑張る奴らをどこか馬鹿にしていました。単位は必要なので朝に出席の返事だけして、その後は一人で部室に篭り(ちなみにオセロ部でした)、一日中漫画を読むのが運動会当日のルーティンでした。

時は流れ、30代半ばになりました。デスクワーク中心の毎日でさすがに不健康だと思い、ジョギングや水泳など一人でできる運動には、徐々に取り組むようになりました。

そんな中で自然と、みんなで体を動かす喜びを感じたい、ひとつの目的に向かって汗をかくことを通じて一体感を得たい、今さらながらそんな気持ちが芽生えてきました。

幸いにして(?)運動系の社会人サークルは世に溢れています。フットサル、サッカー、テニス……挙げればキリがありません。ネットでウェブサイトをみると、多くのサークルが、(メンバーが和気藹々とプレーしている写真の横に)「初心者・未経験者歓迎。一緒に楽しみましょう」って書いてあります。だから僕もいくつか応募して、ルンルン気分で参加してみました。しかしながら……こいつらガチでプレーしてんじゃねえかよ!何が楽しみましょうだ?!……とてもとても、みんなについていけません。

経験者の人たちはスピードもキレも違う……それは仕方ないにせよ、初心者の人たちも、運動が苦手というわけでもないのでどんどん上達します。僕ほどの運動音痴エリートは、さすがにみんなお手上げ!取り残されてしまうのです。

それでも何人かは優しく接してくれます(パス回してくれたりね)。でも、トータルで見るとなんとなく腫れ物に触れるような変な空気が漂い、気遣いされたらされたで心が痛い……ああ、小学校の授業と一緒だ。僕はこれが嫌だったんだ。思い出して、涙で景色が滲みます。そんな暗く沈んだ僕を見て、優しくしてくれた人たちも遠ざかる。

僕の他にも居ると思うんです。遺伝のせいか、運動会をサボったせいかはともかく、筋金入りの運動音痴というのは、この世界に一定数存在する。できればみんなで遊びたい。できれば体を動かして、笑顔で繋がりたい!

そんなスポーツ大会をしたいんです。ワンバンありのバレーボール、ゴールが半分の高さにあるバスケットボール、投げやすく柔らかいボールで行うドッジボール等々……運動音痴の僕らがちょうど楽しめる(運動が普通にできる人にはつまらない)くらいのルールやら用具やらを工夫して、スポーツ大会したいんです。ルールはひとつ。真剣に取り組むこと!

運動が普通にできる人はきっと楽しめないと思うので、参加するにはテストがあります。上手にボールで的を狙える人、飛んできたボールを確実に捕球できる人は、残念ながら不合格です!

そんな運動音痴の集まりが日本のあちらこちらにできたら、いつか全国大会をやります。みんな優勝目指して真剣に戦います。でも優勝したらもはや運動音痴ではないので、リーグ卒業、チームは強制解散です。

そんなの、夢があると思いませんか?

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