見出し画像

五千円札の樋口一葉に本気で垢ぬけメイクをやってみる

SNSでいまトレンドの「垢ぬけメイク」をご存知ですか? 

「こんな私でも変われた!」
「誰でもカンタンにできる!」

と、TikTokやYouTubeで話題沸騰の垢抜けメイク。


しかし、本当に垢抜けメイクで誰でも変われるのでしょうか?

今回は、垢抜けメイクが本当に誰でも変身させられるのかを確かめるため、この人に垢抜けメイクをしてもらうことにしました。

5000円札の「顔」として、誰もが一度は見たことがある一葉さん。

「財布を開けば一葉さんがいる」と言えるくらい顔の知られた人物ですが、よくよく考えるとどんな方なのでしょうか?

「明治の文豪=ハードな人生」というイメージがありますが、一葉さんの人生はまさに明治時代の王道のようなハードライフです。

そんなハードライフの一葉さんですから、やはり写真も

そう、毎日何万枚の顔が日本中で使われているにもかかわらず、一葉さんはファンデもチークもリップもマスカラもしていません。

ありのままの姿で今日もレジに詰め込まれている一葉さん


もちろん、この姿ならではの素朴な美しさがあるものの、とはいえこれではまるで明治時代のルックスです。

いまは令和。せっかく自由におしゃれを楽しめる時代になったのだから、一葉さんにもトレンドのメイクをぜひ楽しんでもらえないでしょうか。 

今回はそんな思いを胸に、一葉さんに垢抜けメイクをしていきます。

一葉さんの肌はさすがにきれいすぎる


まず手を付けたいのがベースメイク。

「垢抜けメイク」ではベースメイクが特に大事。「垢抜け」を目指すなら

・血色がいい自然な肌
・潤いがあるツヤ感

の2つに気をつけるべきとされています。

しかし、ここで問題になってくるのがこちらです。

常々5000円札を見るたびに思っていましたが、一葉さんはベースメイクがいらない人ではないでしょうか?

「明治時代はこまかい撮影ができるカメラがなかった」
「印刷の技術もまだまだだった」

などなどいろんな理由があるとはいえ

秋の晴れた青空のごとく、シミもほくろもシワひとつない奇跡のお肌。

ここに妙にメイクを足すと、一葉さんの魅力をすべて台なしにしかねません。

余談ですが、夏目漱石と福沢諭吉もかなりお肌がきれいです。見習いたくなるスベスベ感。


ただ、肌がきれいすぎる一葉さんは、そのせいでベースメイクの基本である「立体感」がなくなってしまっています。

なので、ハイライトとシェーディングを少し足し、垢抜け感を作りましょう。


また、少し赤みがあるところもコンシーラーで薄めていきます。

まだまだ少しだけですが、一葉さんに少し「いまっぽさ」が出てきました。ここからさらにどう垢抜けるのか楽しみです。

一葉さんのパーソナルカラーは「ブルベ夏」


続いて、リップとチークを足していきます。
 
リップやチークに限らず、垢抜けメイクでの基本は「自分にあっているメイクをすること」。

そのために重要なのが「パーソナルカラー診断」です。

肌を「明るさ」と「色味」で分類し、自分にぴったりのカラーを見つけるのがパーソナルカラー診断。


Instagramなどでも大人気のパーソナルカラー診断ですが、一葉さんのパーソナルカラーはどれでしょうか?


一葉さんは「ブルベ夏」。少し肌に赤みがあり、エレガントな印象が似合います。

ただ、古い5000円札の一葉さんは「イエベ秋」のこともあるので注意しましょう


パーソナルカラー診断をすると、自分にあったメイクカラーが選びやすくなります。

「ブルベ夏」と診断された一葉さんにぴったりのカラーがこちら。

このカラーを参考に、垢抜けメイクを目指していきます。

まずは軽くチークをオン。まるみのおさえたチークの塗りで、エレガントさを出していきます。

さらに、透け感のあるリップを載せていきます。

くちびるがもともと横に長い一葉さんは、リップのタテ幅を意識するのがコツ!



垢抜けに加えて、だいぶ血色も加えられました。このまま次のステップへ進みましょう!

明治と現代で眉毛の形が違いすぎる


続いては「垢抜けメイク」ではもっとも大事といわれるのが「眉毛」

眉毛が古いと、どれだけ他をがんばっても、なかなか垢抜けることができません。

眉毛は、これまでも年代ごとにトレンドが大きく変わってきました。

そして、いまトレンドの眉毛がこちら。

一方、一葉さんの眉毛はこちらです。

時代が100年違うとさすがに眉毛も違うなという気持ちにさせられますが、感心している場合ではありません。

19世紀の眉毛をした一葉さんを、21世紀の眉毛にバージョンアップさせていきます。

令和の眉毛で重要なのは、トレンドにあわせるだけではなく「自分のもともとの眉毛を活かすこと」。

トレンドの「ナチュふわ眉」を足すだけでなく、一葉さんに似合った眉を描いていきます。

また、眉毛で忘れてはいけないことは、髪の毛の色とあっていること

もともと白黒の世界に住んでいる一葉さんにどれくらい関係あるかは疑問ですが、一応「眉毛は垢抜けのキソのキソ」とされているので、やれることはやっておきます。

ささやかすぎるチェンジですが、だいぶ垢は抜けてきました。このままアイメイクも足していきます。

垢抜けメイクでは、アイメイクはナチュラルが基本

ばっちり決めていくのではなく、そっと目立たない程度にしていきます。

一葉さんは左右で少し目の大きさが違うので、アイメイクのときは差を整えることも意識しました。


どれだけ「垢抜けメイク」をしても日本髪の前には無力


それでは垢抜けメイクをした一葉さんを見てみましょう。

これがBeforeの一葉さん。

そして、これがafter一葉さん。

並べてみると、こうなります。

全体的に垢抜けた感じは出たものの、「まさにこれだ!」といえるほどのインパクトはありません。

それもそのはず、

どんな垢抜けメイクも、日本髪のインパクトの前には無力でした。


しかし、ここで諦めるわけにはいきません。せっかくなので一葉さんに「垢抜けヘア」を試してもらいます。

一葉さんは、どちらかというとエラが目立つ骨格なので、それにあわせて髪型をアレンジしていきます。

しかし、ここで大問題が発生しました。


いろんな髪型を試したものの、みんな違ってみんなダメです。


しかし、いろんな髪型を試したことで「一葉さんヘア」のコツが見えてきました。

垢ぬけは1日してならず。自分にあったスタイルを見つけるには、試行錯誤が大事なようです。

これをもとに、できあがったのが...

少し毛先などを遊ばせることで「抜け感」をプラス

暗めの服にあわせて、重たい印象のシルエットを目指しました。

それでは、改めて一葉さんのBefore/Afterを見てみましょう。

明治の「垢」を落とし、令和風に生まれ変わった一葉さん。

もともとの肌のきれいさと端正な顔立ちを活かして、見事に垢ぬけすることができました。


SNSトレンドマーケティング協会では、こうしたSNSトレンドを解説&紹介するセミナーを定期的に行なっています。

気になる方は、ぜひ公式サイトをチェックしてみてください。


※記事で使用した一葉さんはスタッフがありがたく使用しました。


執筆担当:まいしろ
エンタメ分析家。なんでもないことを真剣に調べてみる記事をたくさん書いてます。主にデイリーポータルZ、Yahoo!個人などで書いています。

この記事が参加している募集

やってみた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?