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キングダムキャラの「顔」は昔と今でどう変わったのか、美容整形医に解説してもらう

最近、SNSで注目を集めている「美容整形」。

美容整形に対してポジティブなイメージを持っているZ世代も増えてきており、いまや一大トレンドでもあります。

その一方で、昔から大きく美容整形をしてきたのがこの分野。

漫画では、連載初期と連載終了時で、キャラクターが見違えるほど美形になっていることも珍しくありません。

彼らは果たして連載中にどんな美容整形をしたのか? いくらぐらいかかったのか?

今回は、美容整形医の観点から人気漫画『キングダム』を始めとした漫画作品を解説してもらいました。

寺西 宏王 医師 
TCB梅田大阪駅前院院長 兼 TCB特別指導医、二重整形指導最高責任者(関西)

関西出身のユーモアあふれる「ドクタービーバー」こと寺西院長。約10年間心臓血管外科医として勤務した経歴を持ち、美容外科にまつわる事はもちろんのこと、心臓外科医としての経験から幅広い分野に関して専門的な知識を有しています。また、約100名が在籍している梅田大阪駅前院において、新任院長へのマネジメントの講師や医師たちが手技を磨く「手術手技研究会」の講師も歴任するなど、医療に関することだけでなく、様々な分野に精通しているTCBの看板Drです。

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聞き手:まいしろ


中華統一を目指しながら鼻を韓国アイドル風に変えた信

まいしろ(以下、まい):寺西先生はもともと『キングダム』の大ファンだそうですね。

寺西宏王先生(以下、寺西):漫画も映画もすべて観て、アニメは2〜3回は観てますね。

まい:筋金入りですね!

寺西:スタッフには、なにかあるたびにキングダムに例えて説明をしています

まい:それは伝わるのでしょうか...?

寺西:読んでいないスタッフには「何かわからない」という顔をされますね

すごく嬉しそうに『キングダム』の話をする寺西先生。

まい:(笑)それでは、今回はキングダムのお話をメインで聞いていきます!

2006年に連載を開始したキングダムは、2016年に10周年記念として「現在のタッチで描いた1〜3巻の表紙絵」を一部書店にて発売しました。今回は、構図がまったく同じであるこの新旧2つの表紙を見比べながらお話を聞いていきます。

最初は、天下の大将軍を目指すキングダムの主人公・信です。


寺西:信はすごくツリ目になりましたね

まい:言われてみるとそうですね。ツリ目にする手術というのはあるのでしょうか?

寺西:うーん。 タレ目になりたい場合は「グラマラスライン形成」という手術があるんですよ。でもそもそも、ツリ目にしたいという方に現実でお会いしたことがないんですよね

タレ目を作るためのグラマラスライン形成の例。信にはこの逆の現象が起きている(TCB提供)


まい:信、けっこうニッチな変化をしたんですね

寺西:そうですね。美容整形のセオリー的には、もとの顔立ちの方が人気がある気がします。

まい:新しい視点ですね…! 原作者の原泰久先生は、連載当初から信の黒目を大きくしたとインタビューで語られています

寺西:手術で黒目を大きくするのは難しいです。本当にやるならカラコンを入れるしかないですね

↑最初の頃の信。この頃はカラコンが入っている様子はない。

まい:黒目は手術で変えにくいんですね

寺西:目頭切開・目尻切開という目を大きく見せる手術はあるんですよ。でも、目の中を変えることは難しいです

まい:表紙の変化を見ると、信は鼻も少し変わったように見えます

寺西:信って鼻をけっこう韓国風に変えてるんですよね

まい:最新トレンドを意識してるんですね

寺西:鼻中隔延長という少し複雑な手術もしたようです。信たちは中華統一が目標ですが、鼻だけは韓国を目指している気がしますね

まい:信の鼻はすでに国境を超えてるんですね…

寺西:信のこの鼻は韓国アイドルですよ。特に、32巻から63巻の間では大きめの手術をしています。「きっちり変えたい」という思いがあったのかもしれませんね

↑参考:32巻表紙の信

↑参考:63巻表紙の信。確かに、鼻からきりっとした印象を受ける。

まい:32巻の時点で中華だけではなくグローバルを意識しているところはさすがです。 寺西先生から、信におすすめしたい手術はありますか?

寺西:どうでしょう? 本人が気になるようなら、クマは取ってもいいかもしれないですね。ちょっと疲れて見える気がします

まい:全体的に新しい絵柄の方がちょっと疲れて見えますよね

寺西:精悍な顔つきになってるんですよね。美容整形では、精悍な顔つきより幼い顔つきにすることの方が多いので、信の変化は珍しいです

まい:周りに流されないところがさすがですね!

一般庶民のトレンドを意識しない強気の嬴政


まい:続いては秦国の皇帝である嬴政(エイセイ)。彼は素人が見ても大きく変わっているのがわかります。


寺西:嬴政は、にこっと笑ったときに横に広がる「バッファルカット」という頬の部分を取っていますね

頬の横にあるバッファルカット。嬴政はここが減っている。参考:https://aoki-tsuyoshi.com/opinfo/facelift/buccalfat


まい:目つきもマイルドになっているように思います

寺西:これはカラコンですね

まい:カラコン、秦国でかなり流行ってますね

寺西:ほかにも嬴政は、鼻尖形成で鼻をシャープにして、スマートリップで下唇を薄くしてますね

まい:嬴政の美容意識の高さを感じます!

寺西:目も、もしかしたらグラマラスライン形成(タレ目にする手術)したかもしれません。それか、メイクでアイラインを濃くしたかもしれないですね

まい:嬴政の手術は、もしかしてけっこうお値段かかるのでしょうか...?

寺西:そうですね。鼻だけで3桁万円はかかりそうです

まい:さすが皇帝ですね...! 嬴政は1巻の表紙で横顔が描かれていますが、こちらはいかがでしょうか?

↑後ろの横顔の少年が嬴政。

寺西:これは美容整形でも人気ですよ!Eラインという鼻・唇・顎のラインがすごくきれいになってるんですよね。
おでこも丸みがあってきれいなので、ヒアルロン酸の注入などもしているはずです。

まい:嬴政の変化とやる気がすごい。

寺西:フェイスラインもすっきりしましたね。ただこれは手術というより、呂不韋との戦いとのストレスで痩せたかもしれません。

※呂不韋:皇帝である嬴政から権力を奪おうとした人物

まい:呂不韋との戦いは大変そうでしたからね…。眉毛もきりっとして厳しい顔つきになっています

寺西:ここは(手術ではなく)アートメイクで変えたんでしょうね。トレンドから考えるとちょっと上げすぎかもしれませんが、皇帝ならこれくらい凛々しい眉毛でいいでしょう

まい:一般人ではないですからね

寺西:嬴政が今後どういう皇帝を目指すかで、眉毛の角度も変わってくると思いますよ

まい:大きな変化をした嬴政ですが、さらに高みを目指したい場合、おすすめの手術はありますか?

寺西:うーん。ストレスや甲冑で肩こりすることが多いと思うので、ボトックスを打って肩のボリュームを減らしてもいいかもしれません。首が長く見えたり、顔が小さく見えたりする効果があります

まい:美容意識が高い嬴政の参考になれば嬉しいですね。

いろんな戦いを経て化粧が薄くなった楊端和


まい:続いては山の民の王である楊端和です。

寺西:いまと昔でメイクが変わりすぎていて難しいな...

まい:けっこうナチュラルメイクになりましたよね

寺西:そうなんですよ。あとは随分やせられましたね。戦うのがしんどかったのかな?

まい:過酷な環境ですからね...。目の大きさも変わったように思います

寺西:楊端和、カラコン外してるんですよね

まい:楊端和は信たちとやってることが逆なんですね

寺西:あとは目が...えっこれ...ひとえにした...のかな...?

楊端和がひとえまぶたになったことに動揺する寺西先生

まい:手術でひとえに出来るのでしょうか?

寺西:出来るんですけど、ひとえにしたい人はお会いしたことがないんですよ

まい:楊端和もニッチな変化をしたんですね

寺西:やっぱり山の民を守らないといけないですしね。美容を研究する時間がないというのはあるでしょうね。

まい:いまの楊端和も素敵ですが、休みはきっちり取って欲しいと思います!!

『進撃の巨人』のエレンは手術をやりすぎてしまった可能性がある


まい:ここからは、キングダム以外の作品についてお聞きしていきます。まずは人気漫画『うる星やつら』。

↑1980年の頃の昔のラムちゃん。

↑2006年の新装版のラムちゃん。

まい:ラムちゃんは、元祖と新装版で少し印象が違って見えますね。

寺西:ラムちゃんはツリ目からタレ目になりましたね。これはもう完全に手術でグラマラスライン形成です。

まい:かなり時代にあわせた変化を感じますが、現実でもここまで変えられるのでしょうか?

寺西:これは現実でも実現できますよ

まい:20世紀から21世紀への絵柄の変化にも対応できるんですね

寺西:あとは、顎もヒアルロン酸でシャープにさせている気がします。メーラーファットもされてますね。口角のところに穴を空けて脂肪を吸引するという手術です。

メーラーファットはこの部分。参考:https://aoki-tsuyoshi.com/opinfo/facelift/mailerfat


まい:現実的な変化が多いラムちゃんですが、現実ではけっこう大変なのでしょうか?

寺西:これは全部あわせても3桁万円はいかないですね。1日ですべて出来る手術だと思います。

まい:なるほど!最後は『進撃の巨人』のエレンについてお聞きしたいです。

↑1巻あたりの頃のエレン。

↑27巻頃(後半)のエレン。

寺西:あー!これは...

まい:手術では難しいですか?

寺西:いや、眼窩脂肪を取る手術で取りすぎたんだと思います

まい:エレン、いろいろと大変ですね...

寺西:脂肪って目の上と下で繋がっているんですよ。だから取りすぎると全体的に落ちくぼんでしまうんです

まい:手術ではなく、単純に痩せただけという可能性もあるのでしょうか?

寺西:眼窩脂肪は痩せているかどうかとはあまり関係ないので、手術の可能性が高いです

まい:なるほど。エレンを元に戻してあげたいのですが...

寺西:完全に元通りにするのは難しいですが、ヒアルロン酸や脂肪を注入して回復することはできます

まい:希望がわいてきました!

寺西:エレンは、エラのボトックスや鼻筋の手術もしていると思いますが、全体的にちょっと過剰になっているんですね。不健康な見た目になってしまっているのが気になります

まい:「健康的な範囲かどうか」を意識するのは大事ですね。本日はありがとうございました!


TCB東京中央美容外科

TCB東京中央美容外科は日本全国に85院(開院予定含む)を展開する美容クリニックグループです。身体への負担の少ないプチ整形をはじめとしたさまざまなメニューを取り揃え、患者様の「キレイを幸せに」を実現します。「理想のあなたを着飾る」美容医療を。TCBは徹底したカウンセリングとシミュレーションにより、患者様の「理想」をどこまでも追い求めます。

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執筆担当:まいしろ
エンタメ分析家。なんでもないことを真剣に調べてみる記事をたくさん書いてます。主にデイリーポータルZ、Yahoo!個人などで書いています。
Twitter:https://twitter.com/_maishilo_
note:https://note.com/maishilo

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