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ヒアリングの極意

商談において、ヒアリングのステップは、どんどん重要になってきています。

それは、ひと昔のように、“いいもの”が多くなり、商品のメリットを伝えるだけは、売れなくなったからです。わたしたち、営業パーソンは売るために、ヒアリングを行います。

営業をされている方なら、物売りから、悩み解決・課題解決にシフトしていると聞いたことがあるかと思います。

ただ、重要なのは知っているけど、

・何を聞けば、いいかわからない
・どう質問したらいいかわからない
・質問しても深ぼれない

と、わからない方も多いのではないでしょうか。
そんな方にむけて、このnoteは執筆いたします。

ここで簡単に自己紹介

・28歳で営業職と遅めのデビュー
・不動産会社のしゃべりが苦手な営業パーソン
・8兆円企業でトップ3の成績を残す
・営業職で転職成功(社会的に営業の評価をいただいたと自負)
・副業で営業代行をしています

今でこそ、営業の仕事をできておりますが、営業になった1年目は契約を取ることができませんでした。そんな私が、ヒアリングを学び強化したところ、契約がとれるようになりました。

当時の私のように

■営業が苦手と感じている方
■話が下手だからと思っている方
■営業が向いていないと考えている方

に読んで欲しい記事になります。

ヒアリングの重要性

なぜ重要なのか。
お客様の課題を聞くことで、成約率が上がるからです。

ここでまず、商談の流れをお話します。おおまかに、ラポール、ヒアリング、プレゼン(商品説明)、クロージングの4ステップに分けられます。一般的に営業と言えば、トークが上手い人が結果を出している。そういうイメージありますよね。

確かに、ひと昔前までは、プレゼンが上手い人、クロージングでYESと言わせる話術を持っている人が結果を出していました。しかし、今はモノが多くなり、商品だけで差別化は難しくなりました。また、誰でも調べれば情報が手に入る時代です。営業が説明をしなくても、お客様は商品の特徴を知っています。

では、どうやって、商品を売っているのか。

一流の営業パーソンは物売りではなく、悩み解決・課題解決にチカラをいれています。

専門家として、

■『売上が上がらない理由』
■『コストを削減できない原因』
■『理想の姿までの行動ステップ』

をお客様にご提案しています。

今、求められているのは、お客様を成長させ、成功へ導く営業パーソン。

だから、わたしたちは、お客様の話を徹底して聞き、理想の姿と、現状の理解が必要です。そのために、様々な質問を重ね、お客様から話を引き出すことが重要になってきています。

何度もいいますが、営業はモノ売りから、悩み・課題解決を行い、成功へ導くことに変化しています。

そのために、質問を重ね、課題を特定します。

悩みがわかり、課題がわかるから、商品の説明を真剣に聞いていただけます。

つまり、ヒアリングをすることで、プレゼンがお客様に刺さり、クロージングで契約をとることができます。

ここで、もう一度営業の構造をみてみましょう。

■ラポール  :お客様との関係性構築
■ヒアリング :悩みを聞き、問題を見つける。そして理想の姿から課題を特定する
■プレゼン  :課題を解決し、すてきな未来をつくることができます
■クロージング:契約へお客様の背中を押す

このように、ステップごとの役割を見ると気づくころがあります。課題を発見しなければ、お客様にプレゼンが響きません。

ヒアリングが不十分だと、お客様の心の中は、

■「早く終わってくれないから」
■「どうやって断ろうかな」
■「時間の無駄だったな」

と感じておられることでしょう。


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少し脱線しますが、営業は医療の先生とよく例えられます。

ヒアリングができない営業をドクターで例えでみましょう。

体がだるく,38.7℃の風邪気味なので病院へ行くと

先生)鼻水出てるね。これは花粉症だ。薬だしておくので、飲んでください。

こんな感じで、症状を聞いてもらえないと不安になりますよね。
私なら、もう二度と行かないです。
でも、ヒアリングができていない営業は、先ほどのドクターと同じことをしています。

信頼できる先生なら

診断で、熱、症状を聞き、場合によっては検査をします。
この問診をえて、患者さんの症状を伝え、治療方法を提案しますよね。

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営業でいうところの、診断がヒアリングで、治療法の提案がプレゼンです。
いきなりのプレゼンがどれほど怖いか、想像できたかと思います。

例を出しながら、ヒアリングの重要性を述べましたが、理解できましたでしょうか。
次は、ヒアリングで何を聞くのかをご説明していきます。

【ヒアリングの4ステップ】

ヒアリングをするコツは、構造分解です。何を聞くのか、どの順番で聞くのか。ここを押さえるとヒアリングの精度は上がります。

先ほど、ヒアリングの重要性を述べました。なぜ大切のか理解できかと思います。この章では、ヒアリングを4ステップに構造分解し、ご説明していきます。

ヒアリングのステップ

①状況
②問題
③リスク
④プレゼンの合意

✔ここで、ひとつ大事なことを言います。

お客様はご自身でも課題をわかっていない。これが大前提です。だから、ステップを分けてヒアリングし課題を見つけていきます。

〈①”状況”を聞くヒアリング〉

ヒアリングのステップに入ったらまず、状況を聞いてください。具体的には、現在の状況、過去の状況、現状にいたった背景、現状の満足度を聞いてください。

例えば保険の営業なら、 

■「保険はどのような保険に入っていますか」
■「それはいつからですか」
■「以前もその保険だったのですか」

と質問すると、お客様も話をしてくれます。

おそらく、この状況は聞くことはできているかと思います。
でも、逆に言えば状況しか聞けていない営業パーソンが多いです。

〈②”問題”を聞くヒアリング〉

状況を聞いたあとは、”問題”を聞いていきます。ここで、「何か困っていることありますか」ストレートに聞いても、浅い答えしか返ってきません。お客様が話しやすい質問が必要になります。

ここでも保険営業を例にあげると、

■「今後、ライフプランを考えたときに、ご不安な点などはございますか」
■「保険に入っている点で何かご不明な点、ご不安な点はございますか」

このように聞けば、お客様も答えやすいです。他にも話を広げて、深堀りし、濃いヒアリングをしていきます。

具体的には、拡大質問を使うようにしてください。

おススメの質問ワードとしては、

■「どういったことがおありなんですか」
■「と、おっしゃいますと」
■「どのようになると一番いいと思われますか」
■「もし、あるとしたら」
■「お話を伺って、ふと思ったのですが、こんなことはないですか」
■「10点満点で何点ですか」

このように聞くと、お客様の回答の幅を広げることができます。

〈③”リスク”を聞くヒアリング〉

先ほどのヒアリングで、問題を聞き出し、認識をしてもらいました。次はリスクを聞いていきます。

なぜ、リスクを聞くのか。それは、

すぐ解決しないとまずい。本気でやばい。

と思わなければ、ヒトは行動をしないからです。つまり、緊急性がないと購入に至らないのです。

問題を聞くだけでは、「まぁ、また今度解決したらいいでしょ」くらいにしか考えていないものです。

”問題を抱えているリスク”を、お客様自身に語ってもらいます。営業に言われるより、ご自身が語ることで、緊急性を感じる強いメッセージになります。(*一貫性の法則が働くからです。)

✔ここで簡単にまとめます。

リスクを聞きだし、「これすぐに解決しないと会社やばいことになるやん」って、緊急性を感じてもらうステップです。

続いて、具体的にどう聞いていくのかをご説明します。ヒアリングの中でも、リスクは営業として聞きにくい項目です。

✔ポイントは枕詞です

おすすめの枕詞は、

■「○○様だからこそ、お聞きしたいのですが」
■「失礼かと思いますが、お伺いしてもよろしいでしょうか」

表現が柔らかくなり、とげなくお客様に聞くことができます。

✔お次は使えるトーク集をお伝えします。

■「もし、それが解決できなければ、どういったことが起こりそうですか」
■「それは何か問題がおありなんですか」

リスクを聞くときは、枕詞をつけてください。言葉を柔らくでき、質問される側の受ける印象が変わります。

〈プレゼンへの移行確認〉

『状況  ―  問題  ―  リスク』を聞き出したら、次はプレゼンです。

ですが、

ヒアリングとプレゼンの間に、プレゼンをしてもいいか、お客様に合意をとります。このステップは必ず入れてください。リスクまで、しっかりヒアリングできていれば、話を聞きたいですと言っていただけるので、必ず合意をもらいます。

小さなYESを重ねることが、後のクロージングに役立ちます。
(これも一貫性の法則がはたらきます)

プレゼン移行の際は、

「今までのお話の中で、私たちならお客様のチカラになれるかと存じます。もし、興味がありましたらお話させていただきますが、いかがいたしましょうか」

このように聞くとスムーズです。

YESと言ってもらうことで、商品に対する購買意欲が高まっていきます。
必要なフェーズなので、入れてくださいね。

【ヒアリングの躓きポイント】

ヒアリングが、なぜ重要なのかは理解できたかと思います。でも、上手に聞き出すことができない。この悩みを持っている方は多いはずです。この章では、つまずくポイントを解説し、乗り越え方をお伝えしていきます。

✔ヒアリングのつまずきポイント

■「問題がない」と、言われたときの切り返しができない
■問題を深くきけない
■リスクを遠慮して聞けない

それでは3つの壁を乗り越える方法をご説明します。

〈「問題がない」と、言われたときの切り返しができない〉

商談では、事前に切り返しトークを考えてください。ぶっつけ本番では必ず、つまずきます。

✔ひとつ大事なことを言います。(2回目)

お客様はご自身でも課題をわかっていない。これが大前提です。だから、ステップを分けてヒアリングし課題を見つけていきます。

ここでは「問題はない」と言われたときの、切り返しトーク例を記します。

■NSLの仮説を投げる(Nexst、Salse-Up、Low-cost)
今後おの展望、売上アップの方針、コスト削減の施策について仮説を用意してください。その仮説をぶつけて質問をすると問題をあぶりだせます。

■「”もし、あるとしたら”」と、尋ねる(基準を変える)

■「”こうなったらいいな”と、思うことはありますか」

■「10満点で何点ですか」
現状からのマイナスも問題だけど、理想からのギャップも問題になる

■「ほかの会社様は~~をしているようです。その点で何か戦略がおありですか」
気遣いの視点(バンドワゴン効果:他社事例を使う)

こちらの切り返しは一例になります。使っていきながら、自分の言葉になじませてください。

〈問題を深く聞けない〉

お客様の回答を広げらないのは、拡大質問を使っていないことが多いです。拡大質問は、相手に考えさせる質問になります。お客様の受け答えに対して、どうして、どんな、どのようにを使えば話を広げられます。

■「どうして、そのように思われるのでしょうか」
■「どんなことが、ほかに考えられますでしょうか」
■「どのようになるといいのでしょうか」

拡大質問で、会話は広げられます。ぜひ、使ってみてください。

〈リスクを遠慮して聞けない〉  

やはり、リスクを聞くのは勇気がいりますよね。すでに記載いたしましたが、聞きにくいことは枕詞を使う。これが鉄則です。

おすすめは

■「”だからこそ”」 
■「”失礼を承知で”」

“だからこそ”は相手を基準に話を展開できます。お客様のために。この姿勢をつたえることができます。

失礼を承知で。これは配慮になります。

冒頭に言葉を添えるだけで、印象は変わります。営業にとって、枕詞は大切です。

【ヒアリングのちょっとしたコツ】

最後にヒアリングのちょっとしたコツをお伝えします。お客様に話してもらうには、話しやすい雰囲気づくりが大切です。傾聴を意識すると、お客様の気持ちを高ぶらせ多くを語ってもらえます。

おススメの相づちは、

■ステキですね
■すごいですね
■そうなんですね
■そうですよね
■そうきましたか

会話の合間に、この相づちで、場づくりをしてください。

最後に

簡単にまとめます。

ヒアリングは状況、問題、リスク、プレゼンへの合意。この流れで聞いていきます。

状況だけしか聞けない。そうならないように、拡大質問を心掛けてください。このヒアリングのステップで、何を聞き出せるかが、契約できるかどうかの分かれ目になります。

ひとつずつ実践して、ヒアリングの精度を上げていきましょう。

今回は以上になります。
ありがとうございました。

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