収束と拡散
音楽では、トニックとドミナントという、安定と緊張を行き来する、というのが僕の考えなのですが、ダンスも同じなのではないか、と最近考えています。
フォーメーションがくずれて移動していき、新たなフォーメーションに移る。このフォーメーションの移行が、メンバーの衣装によってはきれいだな、と思います。
フォーメーションは、対称に組まれていることが多いです。およそ線対称ですが、たまに点対称もある。一般的な美として対称があげられるようです。でも、そこではなく、崩れるところに美しさがある。武満徹が、アルハンブラの対称な景色が、風で水面に波が立って、この対称が崩れる、これを美しいと思った、と書いています。たぶん、それは、日本的な美しさなのかもしれない。さくらが散るところに美を感じるように。
安定から緊張へ。ダンス的に言うと、収束から拡散へ、というところでしょうか。この移り変わりに日本的な美があるのではないかと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?