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「そば」は「そば」でも、の話。

今日は大晦日ですね。とうとう2019年も終わりです。
そんな今日から明日にかけて「年越し蕎麦」を食べる方々も多いのではないでしょうか。もちろん、私も「沖縄そば」を食べるつもりです。
……今、文章を読んで違和感を抱いた方はいらっしゃいますよね?漢字の使い方に。

「日本蕎麦」と「沖縄そば」の違い

良く日本料理店などで見る「蕎麦」と、「沖縄そば」は作り方などに大きな違いがあります。

わかりやすいのは、材料です。
蕎麦は割合が違えど蕎麦粉を使うのが基本ですが、沖縄そばは小麦粉で作ります。そのため、法律上「沖縄そば」は「そば」ではないのです、厳密に言えば。

先人達が「すば(そば)」という名称を守ったからこそ、私達は「沖縄そば」を食べる事が出来るのです。

「そば」の定義と「沖縄そば」

沖縄は1972年に「祖国復帰」を果たしましたが、そこで慣習の違いによる様々な問題が発生します。
そのうちの1つが「沖縄そば」という名称についてでした。

日本の法律では、蕎麦粉を使わない麺類を「そば」とは呼びません。それ以外は「うどん」「中華そば」などになります。
しかし、沖縄そばは昔から「すば(そば)」と呼ばれており、その名称もウチナーンチュに浸透していました。それがいきなり「沖縄風うどん」などと呼ばれても困ってしまいます(名前が変わっても恐らくそう呼ぶ人はいなかったとは思いますが)。

先人達は沖縄そばを守るため、沖縄の食文化を守るために日本政府へ働きかけ、特例として「沖縄そば」という名称を使う事を認められたのです。

沖縄そばの特徴

こうして沖縄そば文化は守られ、伝統を受け継ぎつつ新しいメニューが生み出されたりしながらウチナーンチュの身近な食べ物となっています。

その中でも、基本の「沖縄そば」は具に三枚肉(豚のバラ肉)が乗っているのが特徴です。
私は「ソーキそば」が大好きなのですが、こちらにはソーキ(豚のあばら肉)が乗っています。柔らかく煮込んだ軟骨ソーキは骨まで食べられるんですよ。
他にも野菜炒めの具をたっぷり乗せた「野菜そば」や、島豆腐を固める前の状態である「ゆし豆腐」を乗せた「ゆし豆腐そば」など、すばやー(そば屋)によって様々なメニューがあります。

同じ「沖縄そば」でも、やはり地域によって少しずつ違います。
お汁は鰹出汁をベースにしたものが多いのですが、麺は縮れていたり真っ直ぐだったり太さが違ったりと個性が出ているのです。
沖縄そばとはまた別の「八重山そば」は、麺が細くて丸っこい形です(沖縄島は平たいものが多いですね)。八重山かまぼこも乗っています。八重山かまぼこは美味しいので、ぜひお土産におすすめします!

年越しに食べるもの

地域によっては、年越しに蕎麦ではなく他のものを食べたりするかも知れませんね。父方の祖母が元気だった頃は、とぅしぬゆるー(年の夜、大晦日)に中身汁を作ってくれていました。
ちなみに、中身汁とは豚の消化器官を具にしたお吸い物のようなお汁です。ちゃんと作ろうとすると、胃や腸を良く洗って臭みを取るために煮込んで煮込んで……とものすごく手間がかかるそうです。

元々「年越し蕎麦」を食べる習慣が始まったのは、蕎麦のように細く長く生きられるようにとの験担ぎからだと聞いています。
しかし超高齢化の世の中ですし、験担ぎでもそうでなくても好きなものを食べて良い新年を迎えられれば良いのではないでしょうか。

この後も気紛れにつぶやきを更新するかも知れませんが、一先ずはご挨拶を。
今年(と言っても2ヶ月程ですが)は、始めたばかりのnoteを読んで頂いてありがとうございました。「スキ」やコメントをつけてくださる方もいらっしゃって嬉しかったです。
来年も更新を続けて行こうと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。
目標は目指せ366日連続更新!
皆様、良いお年をお迎えください。


※画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りいたしました。ありがとうございました。

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