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「沖縄手帳」を買った話

都道府県民手帳というものは日本全国に様々あると思いますが、沖縄は事情が少し違います。
都道府県民手帳は大抵、都道府県という「公(おおやけ)」が発行しています。しかし、沖縄では「民間」のローカル出版社が沖縄ならではの手帳を発売しているのです。それが、いわゆる「沖縄手帳」です。

沖縄ならではの手帳文化

「沖縄手帳」に載っているのは、もちろん普通の手帳と同じマンスリーやウィークリーといった書き込み式カレンダーが中心です。しかし、そこには絶対に欠かせない項目があります。

旧暦と沖縄の年中行事です。

沖縄では、お盆を始めとする行事が旧暦によって行われることが多いため、多くのウチナーンチュは「今年の旧盆(旧暦7月13日〜15日)に帰省するためにはいつ夏休みを取れば良いのかな?」「地元のお祭りは何日頃?」と、予定を立てる際に旧暦の書かれたカレンダーと睨めっこするのです。

また、家族の中でも女性が担当することの多い習慣「ウチャトウ」があります。これは旧暦の毎月1日と15日に、ヒヌカン(火の神・台所の神)や仏壇にお茶をお供えするのですが、それも旧暦を把握していないと行えません。

そして、糸満など漁の盛んな地域では現在でも旧暦での行事を大事にしており、旧正月などでは小中学校が休みになるそう。そのような人々のために、手帳によっては満潮・干潮の日時を書いてあるものもあります(余談ですが、釣りが趣味の方にも役立つようです)。

このような文化的事情から、沖縄では独自の手帳文化が生まれてきたのではないかと私は推測しています。

付録ページの内容に個性が出る

十何種類と発売されている沖縄手帳。その中で1冊選ぶ場合、決め手になるのは付録ページだという方も多いかと思います。これも普通の手帳と同じく、それぞれに個性があるのです。

救急患者を受け入れている病院の連絡先。
公共施設のデータ。
ゆいレール(モノレール)の料金表。
年中行事や冠婚葬祭の行事リスト。
模合の記録。
この辺りは定番だろうと思います。

「琉歌手帳」のようにテーマがあったり、「八重山手帳」「石垣手帳」など地域特化型のものは、もちろんそれに合わせたコンテンツが載っています。
特に島ごとの手帳は面白いと思います。行政上は沖縄県とまとめつつも小さな島々の集まりなので、島ごとに言葉が通じないという事態が起こったり、独自のお祭りがあったりと、幅広い文化があるのですから。

観光客向けに観光スポットをリストアップしたりしているものもあります(そういう手帳は、外観やカレンダーページも南国ムードを漂わせる華やかさがあるように思います)。
また、反対にとてもシンプルな手帳(独自コンテンツは旧暦や行事のリストくらい)もあるため、ヤマトゥンチュの方も県外で普通に使えるのではないでしょうか。

私の選んだ沖縄手帳

そんな沖縄手帳の中から私が選んだのは「沖縄うりずん手帳」です。コンパクトタイプは毎年表紙のカラーバリエーションが変わるのですが、来年版はピンクにしました(大きいタイプは黒だけです)。

年中行事のリスト、マンスリーにもウィークリーにもしっかり記された旧暦。もちろん付録のページも豊富なのですが、うりずん手帳にしかない特徴があります。

それは、沖縄代表が初めて甲子園に出場してからの出場校リストが載っていることです。何回戦まで進んだか、どこと対戦して負けたか、というデータまで!

甲子園の応援に関してとても熱心なウチナーンチュにとっては、過去の対戦成績を知っておくのも大事なことです。私も春のセンバツと夏の甲子園では沖縄代表を熱心に応援しているので、このページを見つけた瞬間にうりずん手帳を買ってしまいました。来年の高校野球が今から楽しみです。

沖縄の書店などでは、今くらいの時期に沖縄手帳がほぼ出揃っているようです。沖縄を改めて知るための辞典のような沖縄手帳、1冊手元にあったら便利なのではないでしょうか。

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