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IT業界に入る前に知っておきたいこと

【はじめに】
IT業界は右肩上がりの業界だ、IT業界でスキルを身に付ければ将来困らない、最近は未経験からでも育ててくれる、というような話を聞くことが最近特に増えてきたのではないかと思う。
確かにその通りだとは思うが、入ってみると思っていたものと違うと感じることが多々ある。

私は約12年前にIT業界に転職し、今まで3社ほど経験し、ブラック企業、グレー企業、ホワイト企業と順番に転職を重ねてきた。
職種としても、エンジニア、営業、管理部門と様々に経験する中で見えてきたものがあり、この記事ではそのあたりの実態だったりホンネの部分をお伝えしたいと思う。
これからIT業界への就職や転職を考えている人に少しでも有益な情報として伝われば嬉しい。

1.業界の分野、構造について

こちらはググればいくらでも出てくる情報なのでこの記事では触れないが、念のため、IT業界について分かり易く紹介されているサイトがあったのでURLを貼り付けておく。
(念のため断っておくが私とは関係の無いサイトである)
https://itnabi.com/shukatsu/magazine/archives/1417

2.実態とかホンネ

では業界の4つの分野や構造について理解してもらったところで、ここからが私が見てきた実態とホンネを正直に書いていく。

2-1.就業形態について

IT業界の大半の割合を占める分野は情報処理サービス(SI)であり、その中でも大半を占めるのは二次請け、三次請けといった中小企業である。
そしてIT業界に未経験からでも入れる、育てます、のような会社はこの中小企業である。

こういった会社は、客先常駐というスタイルでの就業がほとんどなので、IT会社に就職をしてもその会社には出勤せず、プロジェクト単位で客先に出勤することになる。

ここで先ず問題になるのは、客先のプロジェクトによって就業先が変わるということは、通勤場所がどこになるのか分からないということだ。

場合によっては通勤先がすごく遠くなるケースもあるの?
と不安になる方も居ると思うが、大体この場合は、対象の従業員の住居(最寄り駅)を基準として、1時間以内を目安にプロジェクト(客先)を決める、という流れになる。
ただ、会社によってはだったり、本人が希望すれば、通勤に1時間半とか2時間をかけている人も居なくはない。

客先常駐になると、もしかして自分の会社には出社することはないのか??という問いもあると思うが、そんなことはない。
会社にもよるが月に1回「帰社日」というものを設けて出社し、プロジェクトの状況を報告したり、勉強会をしたり、懇親会をしたりする会社もあれば、1年に1回の評価面談という形で別のプロジェクトに入っている普段は会わない上司と面会をするだけ、というような会社もある。

会社の規模によっては、社員全員が1~2人で別々の客先に出向いていて、社員同士が顔を知らなかったり、どこかで会っても「初めまして」であり、同じ会社の人間とは感じられないような関係性であることもざらにある。
これはもはやIT会社ではなく、派遣会社である。
派遣会社がIT会社の顧客へ社員を派遣しているのだ。

ただこれも良いとか悪いとかではない、派遣会社のようなやり方の会社の方が業務に集中できて、短い期間でのスキルアップが望める可能性もある。
また、1人で客先に居ても、所属会社で定期的に飲み会があったり、部活動があったり、イベントがあったりと社員同士のコミュニティを推進しているような会社もある。

要は、自分の希望する就業形態や社員同士の関係性などを踏まえ、入る会社をしっかり見極めればよい。

2-2.なぜ未経験でも簡単に入れるのか

IT業界といいながら、様々な業務の中には事務作業のようなものや手順書通りに作業を繰り返していくような業務もたくさんあるのだ。
未経験でいきなりプログラムを作るとかWebサイトを制作する、というようなケースはほぼ無い。
最初は泥臭い作業から始めていくケースが多く大半を占める。

未経験で入った場合の就業までの流れとしては会社によって2パターンある。
1つは技術研修を1ヶ月~3ヶ月間ほど受られる場合、
2つ目はOJT(オン ザ ジョブトレイニング)という名の下にすぐに客先プロジェクトに参画し、先輩から教えてもらいながら実際の業務をこなしていく、というスタイルだ。

業界で多いのは、新卒入社の場合は技術研修を1ヶ月~3ヶ月間ほど受けて、中途入社の場合は社会人経験があるのでOJTという形ですぐに客先プロジェクトに入るという流れだ。

これもどちらが良いという訳ではない、結局は研修があってもなくても、身に付けたい技術に対して自己学習が必要になると思う。

2-3.スキルアップ・収入アップの方法

スキルアップは、色々な方法があるが一番のオススメは、自分のやりたいことを言い続けて、それに向かって学習を進める、資格を取ることだ。
自分のやりたいことを言い続けたり拘ったりしないと、永遠にスキルアップができないような手順書作業や事務作業をやらされかねない。
現在、人材不足で売り手市場なので、目の前のタスクをしっかりとこなして周りに認められれば、自分の意見を通し易い環境であることは間違いない。
知識も技術も無いけど「やる気だけはあります!」では難しいが、「経験はしていないけど勉強はしていて知識はあります」であれば次の展開に進みやすい。
甘い考えは捨てて、受け身ではなく自分から情報を取りにいき、自己学習を継続した先に技術者としての成功があると思う。

収入アップについては、正直1社目である程度の経験を積んで2社目に行き、そこでもある程度経験を積んで3社目に長く勤められる会社に入るのがベストだと思う。

30代前半までは転職する度に経験に応じて大きく給与が上がる。ただその30代前半までの転職ステップで失敗すると、30代後半からは厳しい条件が待っている可能性もあるので、1社目でも2社目でも良い会社だと判断出来ればその会社での収入アップの方法や活躍の方法を考えてもいい。

2-4.フリーランス(個人事業主)のリスク

フリーランスという言葉はとても魅力的に聞こえるのかもしれない。カッコいいと思えるのかもしれない。
ただ、実態はそんなに甘くはない。会社でもらう給料と同じ金額を得ようと思ったら確実に実力が必要だ。そして自らのネットワーク(人脈)や営業力も必要だ。

会社でしっかりと経験を積んでから、人脈を広げてから、会社員だと就業スタイルがどうしても自分に合わない場合にやっと選択肢の一つとして考えた方がいい。

会社員も工夫をすれば収入を増やす方法はいくらでもある。
イメージや何となくのカッコよさで決めるのはリスクがあるので止めた方がよい。色々と業界のことが見えてきてから考えるべきだ。

少し宣伝をさせてもらうと私の推奨するスタイルは「会社員」×「副業」である。具体的なメリットや方法を紹介したnoteがあるので、既に会社員である人で副業に興味がある人には読んでもらいたい。
https://note.com/snowsounds/n/n500577f2d045

3.まとめ

IT業界は、何となくイメージされるようなキラキラした就業スタイルや高所得が見込める会社はほんの一部で、そういうところは一部のエリートやバリバリの経験者しか入れない。

未経験でも入れるのは色々と懸念点や向き不向きもある中小企業である。
ただ、中長期的な視野を持って自己学習を継続できるような人であれば、確実に生涯使える技術が身に付くし、収入も大きく増やせる。

何と言ってもIT業界はまだまだ拡大していく業界である。

今回は、IT業界へ入る前(就職前・転職前)の方たちを対象として書いたが、約12年間のIT業界での様々な職種の経験もあるため、その他の方にも伝えられることがあると考えている。
また別の機会に書かせていただく。


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