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(詩) "夢漂い人"


目を覚ますために淹れた熱いコーヒーは
僕を追い越してあっという間に冷めた
僕はまだ夢に耽る
窓から新しい季節の風が入り込む
僕の夢にシチュエーションがひとつ加わる
人生に必要なのは苦いコーヒーの味とかじゃなくて
勝手に流れてくるような
僕には動かすこともできない
時間にまとわりつく色と面影
僕と君との距離は地球の果てより遠くなってしまったけれど
夢の中で会えるのなら
午前零時にはじまりの挨拶をしよう
夜は短くてさよならは呆気ない
目覚めのコーヒーは僕の苦手な味になったけれど
開けっ放しの窓から流れ込む風は
遠ざかった夢の君と同じ匂いがしたよ
冷めたコーヒーの後味
君の余韻
夢日記に描く勿忘草のblue

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