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#44 うつりたい欲

インドのバスケを撮影するにあたりお世話になっているSidさん
わたしがインドに行く前から、バンガロールに行くことを決めたことを伝えると「バスケコートに連れて行くから一緒に撮影しよう!」と言ってくれていた
でもそううまくはいかない
初めて会った日に、今日で会うのが最後と言われた
?で埋め尽くされたわたしは理由を聞くと実家に帰省するらしい

え、いま?
まってまってー、バンガロールに来る日にちもずっと前から言ってたし約束してたよね?あれ?わたしの気のせい?
や、そんな屈託のない笑顔で実家に帰るとか言われたらさ何も言い返せないじゃん。
おっけー!楽しんできてね!
偉い。さすがに偉かったと思う自分。

今までベトナムから6カ国を回って撮影してきて、そんなうまくいかないと学んでいたわたしはそこまでうろたえなかった。
Sidさんは本当に心からの良い人で、バスケチームに連絡を入れてくれたりバスケコートを教えてくれたり、撮影出来そうな選手を探してくれたりとずっと私と連絡を取り続けてサポートしてくれている。
ありがとうと何度言っても言い足りない。さらに彼はhappy to help.とまで言ってくれた。もはやわけがわからない。
彼のためにも頑張ろうと心に誓った瞬間だった。

Sidさんが教えてくれていたバスケコートでは、土日の15時くらいから誰かしらプレーしていると思うよということで土曜日の15時、行ってみた。
誰もいない。もはや鍵も空いていない。
この時は病み上がりだったので、30分待ってこなかったら帰ろうと決めていた
ちょっとしたら守衛さんが来て、鍵を開けてくれた。
え、バスケあるの?!
うきうきで中に入ったが誰も来る気配がない。
また待つのか、と思ったら鍵閉めるから出てと言われた。さっき入っていいよって言ったよね?
と思いつつも従うわたし。
でも守衛さんによるとあと少ししたら始まるからもうちょっと待ってと言われた。
その言葉を信じて待っていると絶対にバスケをしている少年たちが来た。ここでもう勝ち確って感じ。ありがとう。
その後また守衛さんが来てコートを解放してくれた。またしても一番乗りで入った。
ドキドキしながらも選手たちに自己紹介と撮影をさせてほしいと頼んだら喜んでOKしてくれた。
彼らはカメラで撮られるという経験が全くなかったんだと思う。次から次にポーズをしてきてわたしのしたい撮影とはかけ離れていた、けどまあこういうコミュニケーションも大事。
バスケ画像で検索したら出てきそうなポーズを取られたがってるのがちょっとおもしろかった。

試合は18:30からだったので一旦カフェでごはんを食べた。もう一度コートに戻ると、明かりは一つしかついていなくてとても暗かった。
しっかりとしたチームの練習場がここなのか、と思うと改めて差を感じた。
もしかしたら日本でもあるのかもしれないがまだ見たことはない。恵まれた環境でスポーツに取り組むことが出来ることに感謝することを忘れたくないと思った。

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