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春の収穫事情

先日、ビニールハウスに寒冷紗を掛けました。寒冷紗とは日光を遮る黒いシートのことで、ハウス内の気温を下げる目的で使われています。毎年、4月に入ると寒冷紗の出番がやってきます。外の気温が20℃前後まで上がると、ハウス内の気温は40℃に達することも珍しくありません。椎茸栽培における最適気温は25℃前後なので、気温を下げる必要があるというわけです。

以前は5月連休頃に掛けていたそうです。けれども現在は4月の中旬が目安。3月の下旬でも掛けたいと思うことはあり、ここら辺にも気候変動の影響が現れています。

それなら早めに掛けておけば良いと思っていたのですが、十勝ですと4月の下旬頃まで大雪の可能性があるので、そうもいかないのが現状。ハウスに寒冷紗を掛けた状態で大雪が降ると、積もった雪が滑り落ちなくなるので、雪の重みでハウスが倒壊してしまう恐れもあります。

そのため慎重な見極めが必要になってくるのですが、これは正直『運』によるものが大きいです。以前に、4月の上旬に寒冷紗を掛けたことがあるのですが、その年は4月の雪が多く、結果的に寒冷紗を掛けたり外したりを3回も行ってしまいました。

寒冷紗を掛けずにいると、ハウス内の気温はあがり、椎茸の発生は止まってしまいます。湿度も40%を下回り、すでに発生している椎茸の傘もひび割れてしまいます。そのため収穫量は落ちるのですが、春は収穫量の落ちる要因が他にも多くあって、原因を特定することが難しかったりもします。

参考:知識からの贈りもの | サホロ椎茸

そのため、原因を特定してから対策を講じるのではなく、可能な対策を数多く行うことで原因を特定していく方法を取っています。一番に発生が期待できるロットの榾木を使うのではなく、発生操作が可能であるロットの榾木を全て試してみる。そうすることによって、テスト漏れを防ぎつつ、最適な榾木を選んでみました。結果、今期は2番目に期待できるロットの榾木を前倒しで使うことに決めたというわけです。

テスト発生を行ったため、短期とはいえ収穫量はさらに減ると思われます。けれどもこれが一番の近道だと。「急がば回れ」という言葉がありますが、本当にその通りだと思います。

とは言え、この時期は植菌を最優先にしたいので、本悪的な増産体制は5月以降。焦る気持ちもありますが、こつこつと毎日の出来ることをしっかりとこなしていきたいと。

そんなことを思う今日この頃です。

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