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国語科教員の募集

 今月(6月なんだけれど)に入って、高校国語科教員求む、というメールを5通ほど受け取った。

 9月からの勤務の募集は、産休かなあと思ったりするけれど、即日というのもあって、倒れたのかしら?とヨソながら心配したりする。

 大体は10数時間の非常勤講師の募集だから、それぞれ一人欠けたのだろうと想像するが、いずれも担当科目が何とも言えない。言語文化、古典探究、論理国語を1〜2クラスずつ持つパターンばかりで、大変だなあと思う。

 教科書が変わって3年目だが、「言語文化」は国語総合のなれの果て(古文・漢文・小説・詩)、「古典探究」は古典Bの範囲、「論理国語」はほとんど小論文で書かせる内容の、原典を読み解く、環境学や哲学の導入文だ。

 空き時間に予習といっても、非常勤ならそれはコマ数に入らない。コマとコマの間は印刷やら打ち合わせやら小テストの採点やら、結構バタバタして、大体は家で予習するが、最近、提出物の評価もしなければならないので、ノートや冊子など紙ベースで集めれば、学校内で放課後に作業し、そうでなければ、ロイロノートか何かでデジタルで持ち帰ることになる。

 デジタルといえば、大学でコロナ禍の時、オンライン授業で、文科省の規定通りの時間の課題を課すと、課題が多すぎて、学生が寝る暇がないとか終わらないとか、問題になっていたが、高校もやはり、デジタルで提出させると生徒から「23:59締切にして下さい」と要求される。でも「悪いけれど」と断って、20:00ぐらいにしている。

 なぜというに、最近デジタル化のせいか、ものすごく疲れて、帰ったら眠ってしまい、起き出して予習や準備するのが22:00だったりするのだが、23:59締切だと、準備や予習している最中に、バンバン課題提出が出て、ついそれを片っ端から添削してしまう。
 
 予習は寸断されるし、iPadやパソコンの光を浴びて、午前2時まで眠れないし、なぜか最近5時とかに目が覚めて、気分最悪である。

 睡眠不足は酩酊状態と同じだというが、何かボーっとして、よろしくないし、この間から血尿やら耳鳴りやらであちこちの医者に通いまくっている。薬は朝5錠、昼3錠、夕食後5錠、就寝前に2錠という有様だ。ただ、健康状態は別の闘いが原因でもあるので、それは個人的な外的要因(残念ながら研究が原因ではない)ではある。

 思うに、大阪や和歌山や奈良で国語科教員が不足しているのは、我が母校大阪府立の大阪女子大が無くなったことが大きい。
 同窓会をして、国語科教員が足りない話をすると、(ザマーミロ、とまでは言わないが)国文科や文学部を潰すからやわ、という声が上がる。大阪府立高校に在籍している間、必ず同僚や先輩に大阪女子大学学芸学部国文科卒の国語科教員がいた。

 もちろんそればかりではないだろう。昔、大阪女子大卒以外の教諭の先輩方は、京大卒、阪大卒も珍しくなかった。やはり教職につくと、奨学金返還免除されていたことが大きい。奨学金返還免除のない今、教職に就くよりもっと稼ぎの良いところに就職するだろう。
 大学院卒で奨学金返還免除は、私も受けたが、かなりリスキーだった。他人から、大学院なんか行かなくても就職できるでしょう?(バブル期だった)と言われたし、親戚から、顔で勝負したらとも言われたし、年齢も行く。大学に四年、大学院に四年いたが、それは通学路にいた小学生が18、9歳になって車を磨き始めたりするぐらいの年月で、その途中から、親が国民健康保険の金額に悲鳴をあげていた。

 学費補助だけではダメで、奨学金返還免除だけでもダメで、国は大学にお金を入れ、学費を下げるべきだと思う。

 大学授業料を上げたら、高卒で働くかといえば、そういうものでもない。なんでもかんでも民営化した影響が、いまジワジワ出てきているのではないだろうか。

 ウダウダ言っている間に試験を作ろう。大学三つと高校一つ。
 

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