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兵書『孫子』ー君は戦争を知っているか?②

 私の両親は、太平洋戦争中に学生や生徒だったのですが、戦争は嫌だ嫌だと言うので、小さい頃「そんなにいやなら、なぜ反対しなかったの?」と尋ねました。すると「反対したら憲兵に連れて行かれるから」と恐ろしそうに言いました。いやだと言うにも時期があるようです。戦争とは何なのでしょうか。

【第一「計」編】後半
 兵とは詭道なり。
 故に能なるも之に不能を視し、用なるも之に不用を視し、近くとも遠くを之に示し、遠くとも之に近くを示し、利には之を誘い、乱には之を取り、実には之に備え、強きには之を避け、怒りには之をみだし、卑しきには之を驕らせ、佚には之を労し、親しきには之を離す。
 其の備へ無きを攻め、其の不意に出づ。
 此れ兵家の勝、先には伝ふべからざるなり。

(戦争とはだましうちである。
 このため、できるものも敵にできないと示し、用いることも敵に用いないことを示し、近くても遠くを敵に示し、遠くても近くを敵に示し、利があれば敵を誘い出し、乱があれば敵を取り、充実していれば敵に備え、強ければ敵を避け、怒っていれば敵を乱し、卑しければ敵を驕らせ、安逸にしていれば敵を疲労させ、親しければ敵同士を離す。
 相手の備えていないところを攻め、相手の不意を突く。
 これが兵法家の勝ちであり、それは先には(戦う前には)伝えることが出来ないのである。)

☆戦争は、だましうちだと、孫子は言っています。ちょうど、サッカーで、フェイントをかけて、相手を出し抜いて行く感じですが、そういった、戦場での見せかけだけでなく、心理的な国内状況も利用して、敵を掻き乱していくことを述べています。
 なので、『孫子』の第十三は「用間編」で、間は間者、つまりスパイのことで、用間とはスパイの使い方、ということになります。

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