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事務職にはとことん向いていなかった
社会人になってから今まで、一貫して「人」に関わる仕事をしてきた。
もともとアルバイトで人間関係がうまくいかなかった経験があったので、社会人では「組織」や「人」に関わる仕事がしたいと思った。(今考えると、苦しめられたものに関わる仕事を選んだ時点で失敗だったのかもしれないが…)
1年目は人事に配属された。一口に「人事」といっても、教育や労務、人事異動を扱う仕事など、部署によって業務内容はまちまちだった。もともとは人の働き方や健康について関わる仕事がしたかったので、労務配属を希望していたが、蓋を開けてみるとゴリゴリの手続きなどを担当する人事オペレーション部隊に配属された。(おいおい、ちゃんと私の適性見ててくれたのかい…)
配属されてからは、入社や退職に関わる手続きから、新しいシステムへの移管作業まで色々やってきたけど、「これ、人事の仕事だっけ…??」と思うこともたくさんあった。でもその度に、「総合職なんだからあたりまえ」「最初からやりたい仕事はできるわけない」という誰が言ったのか分からないような言葉に縛り付けられていた。
ただ、私は極端に事務仕事が向いていなかった。事務職とはチームプレイ。一人の作業で完結することはほとんどなく、自分の作業が終わったら次の人に引き継ぐ作業も発生する。これが本当に、本当ーーーーーに、苦痛だった。自分のペースを乱されることも苦手だったし、未来に起こるかもしれない失敗を考えては目の前の業務から逃げてしまっていた。
毎日のオペレーション業務に加えて、「業務改善」「新しい企画」なども次々と求められて、自分が何屋さんなのかもよく分からなくなっていた。結局、入社して1年後に体調を崩して休職してしまった。
自分にはできると思っていた。でも、実際の業務を目の前にすると、「恐れ」のような不安感が急におそってきて、どうすることもできない状態にまで追い詰められたこともあった。でも、まだ入社して1年なのだから、続けていくうちにやりがいが出てきるかもしれない。そんな何の根拠もない漠然とした希望にしがみついて、毎日を送っていた。
唯一楽しかった業務は、「キャリア教育」を考える仕事だった。若手社員がリアリティショック(入社前と入社後のギャップのことらしい)を感じることが増えて、早期退職が多く発生しているという課題があったので、若手社員向けのワークショップを行ったり、キャリアに関する記事をまとめて社内に発信していたりした。心理学の勉強もこの時に随分としたので、今でもこの期間に勉強していたことは、自分自身を救ってくれている。
人事の業務は、「誰かを評価する」ことが常に付きまとう仕事だった。これがまた苦痛だった。人を分かったように評価して、自分が優越感に浸っている人たちがたくさんいたからだ。
色々とつらつら書いてしまったが、当時は「人」を扱う仕事は人事だろうという安直な理由で配属されたけど、今となってはそうじゃない仕事もたくさんあることを知った。究極、どの仕事も「人」とは関わるわけで、今までやってきたことや経験したことは無駄じゃないと思いたい。
自分の気持ちや価値観に沿った仕事ができるように、休憩しつつも少しずつ前に進んでいきたい。
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