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絵本探求ゼミ3期① コールデコット賞について




(1)   講座の受講目的を考え目標を設定

受講目的:「絵本のプロ」になりたいと、自分なりに勉強や実践を続けていますが、何をもってプロと言うのか、私ができることは何なのか、なかなか答えが出せないでいます。
研究者でもなく、実践者としても中途半端な状態ですが、今のところは自分の「好き」と「楽しい」気持ちを大切に、学んでいます。
 私が理事長をしている学校法人の先生たちに絵本講座を行っていますので、まずは実践者である先生たちに学んだことをシェアして、絵本を保育に生かしていきたい。
その後は保育や幼児教育に関わっている方、保護者、保育者を目指す養成校の学生さんなどにも伝えて行きたい。

目 標:
・まずは実践者である学園の先生たちに絵本講座を通して学んだことをシェアしていく。
・私も絵本講座では選書のヒントとして賞を獲得した本も紹介しています。コールデコット賞、国際アンデルセン賞、日本絵本賞、リンドグレーン記念文学賞などの中から、私が良いと思ったものを紹介していました。けれどその賞の定義まで詳しく調べてお話していなかったのでそれぞれの賞の内容について深めていきたい。
・1期・2期と同じく、自分の言葉で絵本を語る、そのためには絵、文章、時代性、社会情勢など踏まえた読み取りと絵本以外の知識も必要。1冊の絵本を深く読む練習をする。

(2)   講義 コールデコット賞とその起源

(時代とキーパーソン)
・Thomas Bewick(1753~1828)
 木口木版を改良し復活させた。代表作『不思議の国のアリス』
・Edomond Eveance(1826 ~1905)
 経営者・編集者・プロデューサー。力のある画家を発掘した。

 Edomond Eveanceが見出だした3人
・Walter Crane(ウォルター・クレイン) 1845年~1915年
・Randolf Coldecott(ランドルフ・コルデコット) 1846年~1886年
・Kate Greenaway(ケイト・グリーナウェイ) 1846年~1901年


コールデコット賞とは・・・・
19世紀イギリスの絵本作家ランドルフ・コールデコット(1846~1886)の名を冠して1937年にアメリカ図書館協会によって創設された。
その年に出版された絵本の中でもっとも優れた作品を描いた画家に対して年に一度贈られる賞(メダル)である。『ベーシック絵本入門 P12』
(追記:アメリカの出版社が英語で出版したものから選出)

・コールデコット賞を決めているはコールデコット選考委員会(全米図書館協会 児童図書部門)

・コールデコット賞選定基準
https://www.ala.org/alsc/awardsgrants/bookmedia/caldecott より

Criteria
In identifying a “distinguished American picture book for children,” defined as illustration, committee members need to consider:
Excellence of execution in the artistic technique employed;
Excellence of pictorial interpretation of story, theme, or concept;
Appropriateness of style of illustration to the story, theme or concept;
Delineation of plot, theme, characters, setting, mood or information through the pictures;
Excellence of presentation in recognition of a child audience.

基準(Google翻訳)
イラストとして定義される「優れたアメリカの子供向け絵本」を特定する際、委員会メンバーは次のことを考慮する必要があります。
・採用された芸術的手法における実行の卓越性。
・ストーリー、テーマ、またはコンセプトの絵画的解釈の卓越性。
・ストーリー、テーマ、またはコンセプトに対するイラストのスタイルの適切性。
・プロット、テーマ、キャラクター、設定、雰囲気、または写真による情報の描写
・子どもの聴衆を認めたプレゼンテーションの卓越性。

Note: The committee should keep in mind that the award is for distinguished illustrations in a picture book and for excellence of pictorial presentation for children. The award is not for didactic intent or for popularity.

注: 委員会は、この賞が絵本の優れたイラストと、子供向けの優れた絵画プレゼンテーションに与えられることを念頭に置く必要があります。 この賞は教訓的な意図や人気のためのものではありません。

(3)疑問点・考えたこと


コールデコット賞で、最初に気になったのは画家に贈られるということで、文章と画家が違う場合はどうなるのだろうと思ったが、受賞作の中にも絵と文の作家が違う本があるのでやはり1冊の絵本に対してという意味なのだろうと思った。
一番気になったのは何を基準として絵本を選考しているのかということ。ALAのページから翻訳をかけてみました。翻訳のせいもあるのか正直つかみづらいです。
画家におくられると書いてあることや基準の中にも「絵画的解釈」「イラストの適切性」なども描かれていることから選考基準に絵が大きな割合を占めているのではと感じた。
 一番わかりやすかったのは最後の注釈です。「この賞は教訓的な意図や人気のためのものではありません」と書いてありました。道徳的な価値観や絵本がヒットしたかどうかなどには縛られず、選考していることがわかりとても共感しました。

(4)これから調べたいこと


・コールデコット本人の絵本を見たことがないのでコールデコットの魅力も知りたい。
・選考基準についてわかりやすく書かれているものを探す。
・コールデコット賞受賞作品をよく読んで、自分なりに感じた傾向などを言語化してみたい。

(5)ミッキー語録 印象に残ったことば


【コミュニケーションや表現はその時代の技術のベースに依拠している】

【商業的なものは複数作らなくてはいけない。絵本をみんなが持てるようになるのは技術革新があってからこそ(携帯電話のように)】

【社会的のしくみや文化的歴史的な背景も考えながら見ていく必要がある】

【アメリカの司書はとてもレベルが高い。院卒の人がなるような仕事である。レファレンスの技術も高い。】

【その賞は何を選考基準にしているのか。古典的なものなのか、先進的なものなのか。それぞれの賞によって違う。コルデコットメダルの定義と基準がある。】


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