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第12回noteコピーライティングマッチ

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雪人形杯
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記事一覧

「軽薄探偵」

歌舞伎町界隈のとある雑居ビルの前に女が立っていた。名前は伊藤綾子、現職の刑事だ。

「もしも普通の主婦が、爆速で稼げるnote術を学んだら」~もし爆~

不思議な猫、にゃん太は言った。
「サウンドノートで稼ぐポイントは三つ。・ノートの長さ・更新頻度・希少性の三つだ」

『止まったままのメリーゴーランド』

踏み外した階段から、流れに流され、孤島を漂流するような毎日。ロマンや運命なんて信じないひねくれ者の、20才OL。ある日、気が狂れたのかだろうか。どういうわけか稚内の立待岬でこうつぶやいた「お願い。止まって。私のメリーゴーランド」

『お駄賃はブリキの箱』

ある日、虹を作りながら洗車をする父は私に「コーヒー飲みたい」と放ち、財布を取り出しておつかいを頼んできた。「お駄賃!」「わかったよ。ちょっと待て」車のトランクから出してきたのは、見慣れないブリキの箱だった。父は言った「母さんには内緒だぞ?」

『本音マイク』

大事なあの人の本音を聴いてみたい。誰しもそう思うことはある。実際聴けたらどんなに良いだろう?いや、知らないほうが良いこともあるはず。それでも聴いてみたい。その本音は悪魔のようだ。そんな人の本音を必ず聴けるマイクは、とある音楽スタジオに存在した。

『じゃがいも』

鴨鹿 京子(かもしか きょうこ)は、スーパー「ニャオン」にいた
ハッ!
イケメンが通りすぎた、目の端でチェックする、韓国俳優のチョン・ビチョンに似ている…
今日はカレーにしよう♪
そして、じゃがいもに手を伸ばす

「私を食べて」

じゃがいもが話しかけてきた…

『Monster Children』
ドライヤーの風音が鼓膜を制圧している。締め切った脱衣所は、日常と隔絶したような錯覚を起こさせ、それが心地良かった。
もう十分に乾いた髪に温風を当て続けたまま、私は、扉の向こうに待つ、私が産み落とした怪物たちと対峙する日常へ、戻れずにいた。

『つながり』

「アイハバ ツナ。アイハバ ガリ。アー、ツナガリー!」
「何言ってんの」
味付けの濃い稲荷寿司を頬張りながら、私は失笑した。彼もこちらを見て笑っていた。食べ物で遊ぶなんて子供っぽい真似だと思うが、私は彼の剽軽さに幾分か助けられていた。

「朝顔」

『植物は話しかけると良く育つ』とママから聞いたわたしは、夏休み前日に学校から持ち帰った朝顔の鉢に毎日話しかけながらお水をあげてました。

友達は「そんなのウソだよ」と言っていたけど、それはウソじゃありませんでした。

ある寝坊した朝、わたしは朝顔に起こされたのです。

『にゃんだふる』

「にゃにゃにゃ」
「にゃんだにゃ」
「ねこだにゃ」
「ほんとだにゃ」
「かわいいにゃあ」
「おまえのほうがもっとかわいいよ」
「急にやめるのやめえ。あとなに口走ってるの?」
「がまんできなかったにゃ」
「萌えたかにゃ」
「もえもえにゃん」

『1/2』

10年後の自分へ
あなたには夢も希望もないでしょう。
この世に存在しているかもわかりません。
だから、書くことは何もありません。さよなら。

職員室のデスクで4-2の生徒達の手紙を読んでいた時、その言葉に出会った。

「おねえさん」
これまでの人生でいちばん喉が痛い。イガイガして咳き込むと激痛が走る。おえっとして戻しそうになる。お母さんは、頑張って少しジュースを飲んでって言うけど、そんなの無理。飲み込むのが怖いほど痛い。
こんな体調で失礼します。野田シオリ、4歳です。風邪を引いたようです。

『こい』
恋は鯉に似て非なる物。
「どこが?」その問いに、そう思うのは自分だけなのだと思い知る。
当たり前に訪れると信じ、そこに何の疑いもなかった。無防備に口を開け、餌が放り込まれるのを待っている鯉の様に。
予期せぬ時、予期せぬ形で飛んで来たそれに、飲み込むつもりが飲み込まれた。

スローワード

「別に好きなわけじゃないよ」

「どういうこと?」

「めんどくさ、そういうのやめない?」

言い捨て、彼女がカラオケの端末をテーブル置くと同時に流れ始めた音楽とビデオ。小刻みなハイハットと、川沿いを歩く男女。私の知らない、彼女の好きなバンド。なのに、さっきの会話を忘れらなかったのか、歌いだしがワンテンポ遅れたのが分ってしまって、私はぎこちなく頭を揺らしながらモニターから目を逸らしていた。