自分の中のカイブツ
別に怪物じゃないんだけど、「おお、お前そういうことしたがる…?」みたいな自分が自分の中にいる。気づくとびっくりするし、正直普段認識している自分像からすると、怪物のような得体の知れなさを感じるので、カイブツと呼びましょう。
私には今仕事を教えている後輩がいるんだけど、その後輩とやり取りしているときに特にこのカイブツは出てくる。ふと、後輩のことをぺしゃんこに叩きのめしたくなるのだ。別に今の後輩は普段からぺしゃんこにしたくなるような性格ではない。真面目でよく私の話を聞いてくれる純朴さがある。だから、別にぺしゃんこにする必要なんてないはずなんだけど、ふと、このカイブツは顔を出す。
このカイブツの感じ、もっと後輩より明らかにどうしようもない上司が変なことを言って、何をバカなことを言ってるんだ? なんで私の言い分のほうが正当なのに認めようとしないんだ?と思うやつと同じ気がした。自分の思い通りに相手が動かないときの感じ。
ようはカイブツとは「私の思い通りにならない」相手にめちゃくちゃいらだつ自分のことだ。ちょっとでも思い通りにならないと、相手を叩きのめしたくなる自分が自分の中にいるんだなぁ、と気づいてぎょっとする。
普段は、人は自分のことしか変えられないから、自分のことを変えようとするべし、と思っていて。そのうえで、言ってみるだけタダだから、相手に言ってみて受け入れるかは相手の自由って行動スタンスなんだけどな?
思い通りに相手を動かせるなんて考えるの、ダメだろ、ぐらいに思ってるんだけどなーーーーーー。実際のところ自分の中に相手を思い通りにしたい自分もいるわけで。まじかーと遠い目になる。ただ、これが現実だから、仕方ない。実際に思い通りにしようとしないよう、気を付けてればいいのだ。
このカイブツ、特定の個人に向いたときが一番牙をむきやすいし言うことを正当化できてしまう。だから誰かとやり取りするとき、くれぐれも気をつけなくちゃ。相手のためを思って、と言いつつカイブツが牙をむいて、思い通りに動かしたいという欲に負けてるだけかも。
じゃあ何も言わないで耐えればいいのかというと、そうするうちに爆発して、結局カイブツが現れちゃうからなぁ。結局、できるだけフラットに自分の意見も相手の意見も聞いて、思い通りに動かすことは無理だけど、話し合える、ぐらいにはなってないとカイブツが暴れてしまう。難しい。
もっと難しいのは、実は一定数の人たちにこのカイブツの思いが向いたときな気がする。時に自分の側の派閥と敵対しているように見える派閥に。お前のほうが間違ってる!!!なんて、気を付けないとあっという間に自分を正当化して責めてしまう。
もっとこうしたらいいのにやらないなんてけしからん、と、自分の知っているいいことをやらない人に、ついそう思ってしまうけど。同時に忘れてはいけない。自分の思い通りに物事は動かない。いいことをみんながやるのが自分の思い通りだけど、そうはならない。
ときには自分の思い通りになる瞬間もあるけど。それが当然だと思ったときに、本当にカイブツは怪物になるんだろうな。
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