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【キャリア構築の味方?】転職エージェントを使いこなす4つのメリット【7000字】

転職活動にあたってお世話になることの多い転職エージェント。エージェントを利用した方がいい、直接応募した方が良い、という両方の見解が出回っています。この見解について、2回の転職を経験している筆者の考えは次の通りです。

・転職活動序盤ではエージェントを頼るべき
・エージェント同時利用は2社
・入社企業はエージェントを必ずしも経由する必要はない
・流されずに主導権を以てエージェントを利用する

実際に筆者の場合、2回ともエージェントを利用しました。本記事では特定のエージェントを薦めることはしません。一般的に語られることの少ない、エージェントを利用する際に求職者側が意識すべき4つのポイントを詳細に解説します。特に転職初期に情報収集をする段階で意識しておきたい内容となっております。エージェントの実力を見極めるキラー質問事例付きです。

1. 前提

 転職エージェントは敵でも味方でもありません。転職希望者の経験・ポテンシャルから引き出せる最大の年収で、求人案件に押し込むのがエージェントの仕事です。市場価値の高い求職者は出来る限り高い年収で、そうでない人も実現可能な範囲で高年収で内定させたい。これが転職エージェントのホンネだと思っています。

 よく転職エージェントに「ブラック企業」に押し込まれた等の情報もあったりしますが、求職者の市場価値が低かっただけです。「ブラック企業」にも求人は存在し、求職者を送り込むことで年収の一定割合の成功報酬が発生します。経験・ポテンシャルに乏しく簡単に早期退職出来ない転職希望者に対して、最小労力でエージェント側が最大限メリットを享受できる選択に導かれただけですね。ただこうしたケースでは求職者側も現状逃げ出したいと思っていることも多く、本音の転職理由を解消するソリューションを提供されているのも事実だったりします。

 一見すると理想的なwin-winの関係です。一方で求職者にも転職のリピーターとして繰り返し転職してほしいとも思っています。だって同じ人から何回も成功報酬受け取れますからね。

 この考えを悪用する転職エージェントも多く実在したため、2018年に職業安定化法が改正。入社先を紹介したエージェントが同じ無機雇用転職者に対して、2年間は転職を斡旋してはいけないと明記されました。短期離職で職を転々とさせるような、エージェント側だけがメリットを搾取し本人が不利益を被る状況を防ぐためですね。

 それでも高年収で1社に斡旋するより、2年毎に職を転々とさせる方がエージェント側のメリットが最大化する構造は変わっていません。年収数千万円級の超ハイスペック人材はこの限りではないかもしれませんが、筆者には縁のない世界なので分かりません。

 ここまでエージェントに利用される要素を考慮しても、筆者はエージェントを利用する価値があると考えます。筆者は転職エージェントの経験もなければ、人事・キャリアのプロフェッショナルではありません。あくまで転職について2000時間以上考え抜き、実際にエージェントを利用した2回の転職を元にした筆者独自の見解です。だからこそ、中立的な目線で見解をお伝えできると考えています。

マガジンでリアルな転職事情と年収についても触れています。ご興味のある方はあわせてどうぞ。

2. エージェントが主張するメリット(2-1~2-4)

本記事では一般的に言われるメリットを紹介することが主旨ではありません。とはいえ、一般的にエージェント側が主張するメリットは一通りおさらいしておきます。次の10点ですね。

1 無料で利用できる
2 企業との調整をキャリアアドバイザーが担当してくれる
3 企業の内部情報が事前に入手できる
4 非公開の求人情報が集まっている
5 転職に関わることなら何でも相談できる
6 より良いキャリアプランを描きやすい
7 履歴書や職務経歴書などの書類の作成が簡単に済む
8 面接の通過率が高くなる
9 条件交渉を代行してくれる
10 現在勤めている会社を円満退社しやすい
引用元:マイナビエージェントHP(抜粋)

まぁ文句なしで正しいものもあるんですが、突っ込みどころ満載ですね。特に3~6, 8の5項目。嘘じゃないんですが、重要な但し書きが省略されています。

2-1. 内部情報が手に入る(3項)
 間違ってはいないです。ただ個人的な経験に基づく印象ですが、このメリットを重視するなら、大手よりは中小のエージェントを利用した方がよいでしょう。一般的に第二新卒に強いと言われるエージェントでは、大手ゆえに縦割りで求職者担当エージェントが企業担当者とコンタクトしていないケースが大半。一方で中小エージェントは、個別企業の担当と求職者対応を同じ人がやっている場合が多く、内部情報については期待できる可能性が高いです。業界専門エージェントは会社によるので何とも言えない印象です。

2-2. 非公開求人が手に入る(4項)
 確かにそういう求人も存在するので嘘ではありません。ただ、このご時世に非公開求人なんて滅多にあるもんじゃないです。最近は企業HPで全く同じ求人を見かけることもかなり増えてきました。企業HP経由で採用すれば、エージェントに成功報酬払わなくても済みますからね。
 それに大手エージェントの場合、他社エージェントでも同じ求人持っていることが大半。筆者も含めた一般的スペックの求職者にとって「非公開求人」なんて幻想です。

2-3. 転職相談でき、キャリアプランを描きやすい(5, 6項)
 相談は勿論できます。しかも無料で。しかし良く考えてみてください。「タダ」ほど怖いものはありません。転職希望者との相談相手となるエージェントにも時間単価が発生します。そのコストの出所は転職成功報酬です。
 また1章前提でも触れましたが、求職者には転職のリピーターとして繰り返し転職してほしいとも思っています。だって同じ人から何回も成功報酬受け取れますからね。
 もし手短に転職を考え直すように言われた場合は、門前払いされている可能性が高いでしょう。エージェント目線だと時間をかけて相談するだけ無駄ですからね。また年収レンジの高い企業の内定サポートをしてくれる場合は、求職者の市場価値が高いので成功報酬を狙っているだけです。もちろん求職者側のメリットと一致していれば、それ自体が悪いわけではありません
 転職希望者の人生そのものを親身になって考えている体で、ビジネスライクにエージェント側のメリットが最大となるように誘導されるだけです。あくまで転職エージェントはビジネスです。親身になっていると勘違いしないようにしたいところです。

2-4. 面接の通過率が高くなる
 これも事実だとは思います。面接で良く聞かれるネタを事前に披露してもらえることが多いです。ただ、転職で聞かれる定番質問である転職理由、志望動機、その他企業特有のオーソドックスな質問に備えて準備しておくようアドバイスがある程度。何も言われないよりは通過率が上がるかもしれませんが、筆者はメリットと感じたことはなかったです。

3. 求職者側のメリット4つ(3-1~3-4)

 勿論上記のメリットを享受するだけでも、それなりにエージェントを使うメリットはあります。ここで大事なことを繰り返します。エージェントはエージェント側のメリットが最大とすることが職務使命。求職者側が望む転職先に送り込んでもらえる可能性があるとはいえ、エージェントに都合よく使われっぱなしって面白くないですね。せっかくエージェントを使うならメリットを最大限享受したいところです。

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