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ヒミツの朝は、テレビのまえで待ちあわせ


何個アラームをかけようとも、一度寝てしまったわたしの睡眠にかかれば、たわいもない音と振動らしい。
つまり、はやく起きることができないよーって言っていたのだけど。

先週から、窓のそとの明かりで目を覚ますようになった。そのいきさつを書いたとき、なつかしい記憶がよみがえってきた。


幼いころ、とっても早起きだった。早く寝ていたこともあったのだけど、とにかく早起きだった。


暑さかんじる時期のラジオ体操も、ばっちり行ってたものね。


朝起きて、のそのそと階段をおりる。
ゆっくり、ゆっくり、急だった階段をひとつずつ。


どんな季節でも、朝だけのひんやりとした空気がただよう家のなか。


すでにおいしそうな朝ごはんの準備している母におはよっていって、もう一度、ぼけーっとする。
ねむたいぽけーーっと、というよりも、何にもすることがないぽけーーっとだ。笑


暑いときなら、フローリングに顔をつけて。
寒いときなら、おこたつにはいって。


そんなわたしにも、ひとつ、楽しみがあった。
味見という名のつまみ食いもしてたし。
ちいさなおにぎり食べてたこともあったけど。


ごはんの用意がひと段落して、エプロン姿の母と、わたしよりはやくおきて準備万端のパジャマ姿の弟。


そんな2人のぷよぷよバトルをみることがすきだった。



『ぷよぷよ』とは、落ち物パズルゲームのシリーズ。
グミのようなモンスター〈ぷよ〉。ぷよがどんどんおちてくるのを、回転させたり、左右にうごかして、4つ集めてけしていくルールのゲーム。


消すところかなくなって、自分の箱みたいなとこがいっぱいになっちゃったり。高くつみあげてしまって画面からはみだしたりすると、ゲームオーバー。


もちろん、これだけじゃなくて。
対戦する場合、けしたぷよは、〈おじゃまぷよ〉として、対戦相手におとせるのだ。
連鎖すればするほど、たくさんのおじゃまぷよをおとせる。ただ、逆もしかり。


連鎖をつくりつつも、相手の攻撃であるおじゃまぷよをかわしていく。けっこう熱くなるゲームだ。


テトリスがとくいな母とのみこみが早くてやり込む弟は、けっこういい勝負をする。
わたしは、3つくらいの連鎖しかできないから。そんなふたりの熱い勝負をよくみていた。


あのころは、まだ、テレビにつないでゲームしてて。対戦しているのがよく見えたんだ。


たまに、どちらかができないときに、わたしにコントローラーがまわってきて。ハンデつきで対戦してもらってた。


ほんの30分くらいだったけど、朝ごはんのまえ。みんなの起きてくる前の3人だけのひみつの朝をすごすのが好きだった。


いつからか、なくなってしまったのだけど、あのときの記憶はいまでものこっていて。なんだかとっても、なつかしいなぁって。


もし、かぞくをもつことがあったら、そんな朝をすごしたいなぁなんて思うもの。



ぷよぷよは、いまでも色んなシリーズがあるらしい。あのころよりは、連鎖できるようになってたらいいなぁなんて思って、あたらしくゲームを買いたくなってる。


どこかで忘れてしまってた何かを、とりもどしたいのかもしれなくて。あんな穏やかな朝をもういちど、過ごせたらいいなぁなんて感じてる。


はやく起きないとっよりも、誰かと待ちあわせするような朝も過ごせたらいいな。
 

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