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冷たさで、ホッとするエンドロール


立夏をすぎたとはいえ、早すぎる。そう思いながら、帽子のくいっとあげて、ジリジリとした熱を発してる太陽をみる。

あっつい。

家までつづくゆるやかな坂をただ歩いているだけなのに、この暑さのせいでじんわりと背中に汗を感じるほど。

誰なの? こんな日に外を歩けだなんて!

バックから、スポーツドリンクをぐびぐびのんで、帰宅をいそいだ。

***

お休みエンドロールというサイトがある。週明けが億劫な人への提案をしてくれるサイトだ。

ひとりですごす休日には、スパイスにもなっていい。自分では絶対しないだろう過ごし方を教えてくれるから。

朝早くでかけて、夕方になる前に帰ってみて。暑いだろうから、冷たいお楽しみを準備してね。

わたしの選んだオーナメントからのメッセージだった。そうそう、お休みエンドロールではでてくるオーナメントを選ぶと、その人にあったメッセージがでてくるの。

えーーー。

正直なきもちは、こうだった。二度寝を楽しめない休日なんて、嫌だーってね。目覚ましをかけなくていいのが、休日なのにって。

だけどね。楽しみにしている二度寝はできなそうだけど、お昼寝ができるかもしれないな。そんな期待もあった。お昼寝は、久しいことしてないなって。

そんなわけで、朝早くから出かけたのだけど。思った以上に楽しんでいたら、ちょうどいちばん暑さのある時間に帰ることになってしまったのだ。

***

ついたー。玄関をはいると、どーっと汗がふきだしてきた。持っていたバックとお買い物ふくろをおいて、カーディガンをぬぐ。

水分補給はしていたけれど、もうだめ。カラダが冷たさを欲している。冷蔵庫をあけて、楽しみしていたものをとりだした。

ミルク系のアイスもあったのだけど、手が伸びたのは、かき氷アイス。両手でもつと、熱がいどうしてくるのがわかる。
おおきめのスプーンでガリガリくずし、ぽろっととれた苺を口にいれた。

んーーーー!

言葉にならない冷たさ、ほんのりとした果物の甘さ。炎天下といっていいくらいの暑い空気をまとっていたからか、とてもおいしく感じられる。

つぎは、パイナップル、氷、練乳とつぎつぎとほおぼる。そのたびに太陽の熱がさがるようだ。

もういちど苺をほおばったときに、不意打ちされた。キーーンっと頭にはしるアレ。

ええっ、これの痛み、いつぶりなの。

ひさしぶりの痛みに、頭をとんとんしてみる。こうしても、すぐに治らないのはしっているのだけど、やはりとんとんしてしまう。この仕草も子どものときのまま。なつかしいな。

あー、こんなになるくらい焦ってアイス食べたくなるなんてね。

汗をたくさんかいたから、食べおわったらもうお風呂にはいってしまおう。のこりが半分になったカキ氷をみながら、ぼんやりとする。
お風呂あがりには、もうひとつのミルクアイスをたべるのもいい。

なんか、子どものころみたい。

汗だくになって、アイスたべて、お昼寝する。そんな頃がなつかしい。キーーンっとさせてアイスを食べてたのもあの頃だもの。

冷たいお楽しみのおかげで、暑いことすらスパイスになる。メッセージの  “冷たいお楽しみ”  がアイスだと分かったのは、わたしの選んだオーナメントがソフトクリームの形だったから。

外をみると、まだ明るい。でも、今日のわたしはもう、充実感でいっぱいだった。

いつも読んでくださり、ありがとうございます♡