大人になるのは、もう少し延期したいかな

スマホに一通のメッセージが届いていた。
今週送りたいものがあるのだけど、いつでもいい？という母からの連絡だった。

実家からの届くものには、食べものがたくさん入っているイメージがある。マンガやドラマでは、こっちでも買えるのにっていう缶詰めとかお米とか入ってるような。

一人暮らしをはじめたばかりのころ、実家からの届いたもの。想像していたのとちょっと違ったところは、クール便ですぐに食べられるおかずが届くところだった。

背伸びした一人暮らしに、きっと母は気づいていた。夜遅くに眠ることが多い生活もばれていた。好き嫌いも多いから、食べるものが偏ってたこともお見通しだったのかな。

たくさんの野菜のおかずが、フリーズパックにぎゅうぎゅうに詰まっていて。おおきな唐揚げ、ひじきの煮物が好きだから、その２つはもっとたくさん。ごはんだけ炊いたら、美味しい定食のできあがり。

母のつくるごはんの味は、おなかに優しいらしい。これこれって身体が喜んでいるような気がしたもの。やまもりのごはんと一緒に、大切に食べていたのが懐かしい。

それなのに、送るよっというメールがくると、少し鬱陶しさがあった。もう1人でも平気なのになって。子供扱いしないでよってね。

届いたよって電話するのも、気恥ずかしかった。もう、あのころのわたし意地っ張りなんだから。

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メッセージをもらったとき、ほんの少しだけ嬉しさがあった。いつ届くだろう。ソワソワ待っていた。届いたのは、1ヶ月くらい後。忘れられたのかと思ったよ？

中身はなんだろう。この前は、チンするごはん、栄養ドリンク、おみやげのお菓子がもりもり入ってて、思わず笑ってしまった。

わたしはまだまだ子供らしい。あんなに嫌だって子供扱いが嬉しく感じてしまうくらい、大きくなってしまったのかもしれない。

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実家から届いたものを夜遅くに受けとった。何が入ってるんだろう。この前の時よりは軽かった。すぐに開けたかったけど、開けるのは明日にする。ありがとうのメッセージは、こんな夜遅くには送れないもの。

おなかのあたりがくすぐったいまま、お布団にもぐりこむ。

お返しに何にしようかな。やっぱりお菓子かな。ただ、この前は限定のお菓子を詰めこみすぎた反省点がある。

もうちょっと気の利いたものがいい。だって、あのころよりは大人だもの。ごはんの時に食べてもらえるものをふらりふらりと見つけにいこう。忘れずに、最近みつけた好きそうな本も送ろう。

まだまだ、子供でいいかな。ううん、子供でいたいかな。子供扱いされるのが、くすぐったいと思えるなんてなぁ。母のつくる唐揚げとひじきの煮物がすごく食べたいな。