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すきな人に、花の名を一つ、伝えてみたい


花屋さんの前をみつけるたび、ほんのすこし歩くスピードがゆっくりになる。飾られている花々をみて、目を細める。むせかえるような香りと色で季節をかんじてる。


季節をかんじながら、すきな花もみつけてる。


川端康成氏は、さまざまな愛の形を描き続けた作家だと思います。
そのなかでもとりわけ「純愛」を描いた『伊豆の踊子』が大好きです。


文学作品からのインスピレーションを音楽にしたのは、伊東歌詞太郎さん。
歌詞太郎さんつくった曲「伊豆の踊子」をきいてから、川端康成という作家さんのことをしりたくなった。


どんな作家さんなのだろうと調べるなかで、であった言葉があった。
たぶん、わたしが好きな花を見つけたい理由だ。

別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。


この一節がどんな場面ででてくるのかはしらないのだけど。想像をかきたてるものがある。


つまり、すきになった人には、すきな花を教えたらいい。花は季節がやってきたらさく。
その度にあなたのことを思い出すからってこと。


川端康成氏は、別れた男っていってるけど。今、すきな人でもいいんじゃないかな。


あざとい。あざといけど。
それだけ自分のことを思いだしてほしいって人ができるのっていいな。



この花、すきなんだよね。そう言えるのが、あなたであったらいい。
あの花をみたとき、思い出すのはわたしであったほしい。
思い出してくれたとき、となりにいるのも。わたしでいたいくらい。


これだけでもう、物語がはじまりそう。

花よりだんご。その言葉がぴったりだったから、お花屋さんは縁のないところだった。
並んでいるのなら、お菓子のショーケースをみているほうが、何倍もたのしかった。

そんなわたしだけど、たまにはお花で。
すきな花をみつけよう。
いつか、花より音楽のすきなあなたに、花の名を一つは教えておけるようにね。


いつも読んでくださり、ありがとうございます♡