ピンク色の向こうにひろがる、青も白もぜんぶ


桜が咲きはじめた。近くでも、遠くでも、そのピンク色を見つけては、ほほえんでしまう。

青い空と白い雲を背景にみる、ピンク色の花。その柔らかい配色がとても好きだから、マスクの中ではにっこりしてる。

その向こうにひろがる空をみて、ちょっとだけ雲の歩みをみてしまうのは、きっとこんなことを聞いたからだ。

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都会の空の動きは、とても早い。そう聞いてみあげた空。浮かんだ白いふわふわとした雲は、ちょっぴり急ぎ足だった。

台風とか、風の強い日とか。そんなときに見る雲のはやさではないのだけどね。すいーっと、進んでしまう。

地元の空にたくさんあった雲は、おどろくほどゆっくりだった気がする。幼いときに、よく空を見上げてみていた。
ねぇ、いつまでそこにいるの?動いているの?そのくらい落ち着いて、どかっと空にいた雲。

なんでだろうっと違いを考えた。


少し経ってから。何かがあると、何かがないの違いかも!っとひらめいた。

都会では、空をみあげたときに、見えるものがたくさんある。スカイツリーの高さとまではいかなくても、のっぽな建物はたくさんある。

本来なら、何にもないところにみえる建物たちはいわば、目印のようになる。あの光る建物から、とんがっている形の建物までっと意識しやすいのだろう。

都会でない場所…たとえば地元の空には、なにもない。
たまに木があるくらいだけど、そんなに高い木はたくさんない。高い木がたくさんあるところは、冬でもないかぎり、葉っぱしかみえなくなるもの。

見上げたときに、とてもひらけている。建物と空との間にたくさんの青がある。雲がとっても高いところを浮かんでいるよう。

目印から目印までだって遠いから、雲がふわふわと浮かんでたどり着く前には、飽きちゃうくらい。笑
だから、きっと、ゆっくりに感じてしまうかなって。

何かがあると、何かがないの違いかも!なんてひらめいた自分ってちょっとすごくない?なんて、ひとり自慢げにかんがえていたのだけど。

そもそも、比べるものがなければ、目の前のことが当たり前になるんだよね。

きっと、わたしのみたことがある空がゆっくりに感じたから、いま見上げる空の動きが早くかんじるのかもしれない。

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桜の咲きはじめたら、自然と目はいつもよりも上を向いている。その向こうの空は、どんなだろう。やっぱり早いかな?遅いかな?

ピンク色の淡さも楽しみながら、その向こうにひろがる青も白も、もっと向こうにひらがる景色も、楽しめる春になったらいいな。


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