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【読書記録】ラブカは静かに弓を持つ

どうも、一休誰絵です。なんだかんだ3週間以上更新していなかったのは悔しすぎるので、何が何でも今回は書いてやろう、と思って、カタカタしています。

本題に入ります。今回読了したのは「ラブカは静かに弓を持つ」。

本屋対象にもノミネートされ、話題の小説だったりします。

あらすじ

あらすじは、著作権協会で働く主人公が、著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむために音楽教室へチェロを習う生徒として潜入する、といったスパイものです。また、この主人公ですが、幼い頃に巻き込まれたとある事件をきっかけにチェロを辞めてしまっています。

はじめ、表紙も相まってドッキドキのノワール系スパイ小説か…?と思ったのですが、ヒューマン系でした。

静かに積み重ねていく、裏切りと罪悪感

音楽教室に通ううちに、主人公と講師やほかの生徒との信頼を裏切る行為をしている罪悪感に苛まれる様子が、細かく描かれています。あくまで音楽教室に対してのスパイ行為ですが、講師とのやりとりの記録を残していくので、された側からすると、とても許し難いものではありますよね。「信頼を作ったのも、この潜入のためなのか」と。

一方、この潜入をきっかけにチェロに再び触れる機会にもなったのですが、講師を通してチェロの深い包容を感じて、少しずつチェロとの葛藤を溶かしていく、主人公の成長小説のようにも感じます。

心の機微を淡々と描かれていたので、スーッと読みやすかったです。しかし読後の満足感もあります(=読み応えあり)。

久々に現代の小説を読んだのですが、爽やかな読み心地はいいですね〜 普段読むノンフィクションやエッセイは刺激が多いのですが、小説は刺激に疲れた心をゆっくり溶かしてくれる感覚です。

今日はここまで。



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