【読書記録】長い旅の途上:読んでいる間、背中に暖かい風が吹いた
どうも、一休誰絵です。今回はおよそ2ヶ月振り?となる読書記録を更新します。読書記録を目当てにフォローしてくださった方には非常に申し訳ありませんでした。
今回読んだのはこちら。「長い旅の途上」
写真家の星野道夫さんのエッセイ集。「旅をする木」が非常に有名で、私もこの本を読む前に読了しました。どちらもおすすめしたい本ですが、個人的に2冊とも違う印象を受けました。
旅をする木は、星野さんがこれまで見てきた・体験してきたモノコトを淡々と綴っているようで、清涼感のある文章なのです。一方で、旅をする木を読んだことによって何か明確な答えが書いているのか?と問われると、正直何もないのです。多分、言葉にできない「感じるもの」を楽しむ本だなと思います。涼しい、澄んだ風のような本。
一方、今回ご紹介する本は、熱というか、星野さんの悟りが入った内容もあり、暖かい風のような本です。
結局のところ、人間は自然に逆らえない生き物である
星野さんは、アラスカの拠点で写真家として活動している時、現地で知り合った友人や仲間を自然の猛威によって失うことがあったそうです。もちろん友人を失った悲しみもあったと思うのですが、「お前も自然に還っていったのだな」という気持ちもあったのではないかとも思うのです。あくまで憶測ですが、自然の厳しさを知っていた彼だからこそ、自然に対する一種の諦め(表現が難しいですが、人間は自然に逆らうことはできないという感じ)があったのかな〜と想像します。
また、星野さんご本人も撮影中に熊に襲われて亡くなってしまうのです。
(ああ、思い出しました。私、旅をする木を読了した後に、星野さんはすでにこの世にいないことを知ったのです…)
どこで死ぬのか?改めて自分も考える
せっかくなので、この本の中で私が一番好きな文章を引用します。
この文章を読んだ時、星野さんの優しさと謙虚さが滲みでているな、と目頭が熱くなった記憶があります。
同時に、「誰かとつまらない戦いをしたって、他の人よりすごい実績を作らないと、と焦ったって、どうせ人間は土に帰る。どんなに偉い人でも、どうせ私と一緒に土に帰るだけなのだ」と思ってしまいました。
さて、私はどこの土に帰ろうか。どこの場所に小さな花を咲かせようか。そんなことも考えます。
今日はここまで、さいごまでお読みいただきましてありがとうございました。
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