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【雑記】5月に嗜んだコンテンツまとめ

大忙しの4月が終わり、GWを挟んで5月は(暇とまでは言わないが)ある程度は落ち着いて過ごすことが出来た。

夜も含め多少なりゆっくり出来る時間が増え、電車内での読書も再開したため若干いつもより映画や小説を楽しむことが出来た。
ひとつひとつを記事にするバイタリティは無いが、今更ながらではあるが以下で5月で楽しんだコンテンツをざっくりと列挙していこうと思う。

【映画】ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3

年始以来の久々に映画館へ行った作品である。
これに関しては感想をこちらの記事にまとめている。


【小説】君のクイズ 小川哲

日本推理作家協会賞を受賞した本作。
時間があったこともあり私としては珍しく一日で一気読みしてしまった。
斬新な「謎」を縦軸に、その謎に付随する“競技クイズ”という世界やそこの戦い方などトリビア的知識も満載で読む者を飽きさせない。
文章自体も良い意味で単調で、読み味良くサクサクと進んでいく。
とにかく縦軸となる「謎」の発想が新しすぎてそれだけで読む価値あり。
ただ「どうやって?」という部分は読み進めている途中からそれなりに予測は付くし、そのまま決して後味の良いわけではない(とはいえ主人公周辺はそれなりにサッパリ爽やかだったと思う)結末へ収束するので、逆にアレコレ考えず素直に読み進めるのが吉であろう。
ミステリーとしてはもちろん、“業界モノ”としても大変楽しめた。

【映画】AIR/エア

早くもAmazonプライムビデオで配信された本作を早速鑑賞した。
登場人物全てが自分のビジネス信念に基づいて行動する気持ちのいいドラマであり、日曜の夜に観た事もあり、いつもなら気分が重い月曜もサッパリと働くことが出来た(ような気がする)。
人を前向きにさせる良質なお仕事ドラマのひとつ、といったところ。
半面、実話を基にした名作によくある「結末分かっているのに面白い!」という域には至っていないかもしれない。すべてが予想通りに淡々と進んでいく。
偏に、マイケル・ジョーダンもNIKEも、そしてエア・ジョーダンそのものも、あまりにもビッグネームで我々の生活に定着しきっているがゆえに、事前の「分かっている度」が高すぎたのかもしれない。
「毎試合罰金払うからルール違反のデザインにした」とか、こういうのをもっと観たかったし、なんならジョーダンと契約してからの利益分配ルール構築部分の方をしっかり知りたかった感じがする。
“秘話”いう程でもなかったな、というのが観終わった最初の一言。

【小説】方舟 夕木春央

新旧問わずここ十年くらいで読んだミステリーでベストだったかもしれない。
それくらい面白くかつ衝撃を受けた。叙述トリックではない作品でここまで“喰らった”のは初めてかもしれない。
余り言葉を使うことが出来ない。読んだ人から下記を閲覧することをお勧めする。

とにかく読んで欲しい。

【小説】黒い家・天使の囀り/貴志祐介

実家に帰った際に並んでいたものを見て、懐かしくなり再読。
実家にあったということは学生時代に読んだということなので、少なく見積もっても実に12年振りくらいか。
氏の作品は緻密なプロットに加えて知識欲も満たしてくれる“業界モノ”的な構成が為されていて、非常に読み応えがある。
2作品とも平成前期の作品でありながら古さを全く感じない、ともすれば、作品の中で推測される日本の“未来予想図”が、現在においてかなり的を射ていることがよくわかり新たな発見もある。
何より素晴らしいなと思うところは、“その段階で読者がどこまで真相を推測できるか”をかなり正確に誘導しており、そして同時に“登場人物がどこまで事実を分かっているか”も明確に読者へ提示しているところだ。
ミステリ・サスペンスにおいては、「ある程度読者が予想がついていることをいつまでも謎で引っ張られると辟易する」ものだ。そしてその上で、「登場人物が間違った行動をする」と一気に作品の魅力を損なう。
氏の作品はそこのバランスが絶妙だ。
「読者がなんとなく予想していることに登場人物がまだたどり着いていない」場面でさえその精密な筆致で“読ませる”。
読者を神の視点に置くタイミングと、その位置取りがとてもうまい。
その上で謎の解き明かしを無駄に引っ張ることはしない、読者がある程度わかっていることを分かっていて、思いの外あっさりと真相を提示したりする。
黒い家にしても天使の囀りにしても、キャラクターがじわじわと真相に近づいていく過程で、登場人物より情報で一歩進んでいる読者もじわじわと恐怖に苛まれていくこととなる。
最終的に発露する幽霊モノとは違う恐怖描写は、分かっていても恐ろしい。
黒い家なんかはこの現代社会で今読むほうが、きっとリアルな恐ろしさが迫ってくる。


最後に

以上である。
6月が思いの外忙しくなってしまい今更の公開で恥ずかしいところだが、この調子で少しずつでもコンテンツの摂取とnoteの執筆を頑張りたい。

年の折り返しでなんとか月に1回ペースだけは保持出来て幸甚である。
今月はなんとかスパイダーバースの時間を確保したいところである。

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