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楽しすぎて夢のような時間

水木が8時間通しのきつい仕事でした。 22時過ぎに帰宅してすぐに昨日のnoteを走り書きして、溜まっていた事務仕事を終えると日付変わって1時半頃。床について4時間に満たない睡眠で起床し、シャワーだけ浴びて出掛けました。金曜のゴミ捨ても忘れることなく。

まだ早朝6:50分頃、私は戸塚カントリー倶楽部の西コース、1番ホール前のスタンド最前列に座って、この日のティーオフを待っていました。最初のプレイヤーは15歳の高校一年生、新地真実夏さん。堂々とした発進でした(しかもただひとりアマチュアで本戦出場を決めます)。

JLPGAツアーは毎週DAZNで配信があり、昨年から見始めてゴルフにはまりました。見る専で。5年前に90歳で死んだ父は、一介のサラリーマンでしたが麻雀とゴルフとカメラ収集が趣味でした。世間では真面目とされ、家では厳しい人間といった風情も、思い返せば浪費家としか言いようがありません。最終的に築40年の戸建てを残したほかには、使い道のない古いレンジファインダー・カメラにロシアンレンズの数々、自作してきたゴルフクラブが数百本というガラクタばかりで、全部残置物処理業者に任せました。

あの方の嗜好にはまるで付き合えない私でしたが、30代後半からカメラ熱に侵された前例はあっても、ゴルフだけは無縁と思っていました。最早こちらも老人ですから、今さら叩く方をする気は無いですが。

NYから戻った2002年、町中華に置いてあったビッグコミックオリジナルを、ふと読み始め、ゴルフマンガの『風の大地』と出会いました。その時すでに10年以上の連載期間がありましたから、プロゴルファーになってからの主人公の姿しか知らないのですが、新しいオリジナルが出たら、いつも『風の大地』から読み始めていたくらい愛読したものです。過去形なのは、昨年中に作画家が亡くなられて、残念ながら志半ばで終了したからです。

そうした伏線とともに、渋野日向子さんの全英女子優勝や稲見萌寧さんのオリンピック銀メダルなどのニュースも刺激となって、DAZN配信スタートと同時にはまってしまう素地は整っていたのでした。

7:00のティーオフから1番スタートの10組30人をスタンドから見届けた後、コースを歩いてみます。生まれて初めてゴルフ場に足を踏み入れたので、そこがどういう場所なのか、プレイより先にテーマパークの全貌を把握しておかなくてはなりません。ギャラリーの歩ける領域はコース外となりますからアップダウンの起伏や、足場の傾斜が強い場所を行かなければなりません。あっちへ向かいたいのだけどコースを横切れないから、外れまで行ってぐるっと回ってこなければならない、などなど不案内なために、いささか余計に歩かされました。迷子になったりも。

しかしそれも楽しい。プレイしている組に出くわすと持参した折りたたみ椅子を設置して観戦します。見えないくらい遠くからここまで飛ばすのかと、口あんぐりです。そして2打目に、その先の狭いグリーンに乗せてきます。ラフから打った球が直接カップインするのや、ロストボールをギャラリーや帯同する競技者が探すシーンも見ました。

朝から多少雨がぱらつき、だいたいが曇り。このトーナメントは出場者が多いため、午後組がスタートする時間になりました。こちらは10番のインスタートを見ることにします。11:15ティーオフです。午後組が進むにつれ、突風が吹くようになりました。こうした読み切れない天候の変化によってスコアは伸び悩み、荒れたゲーム展開になります。2オーバーまでが予選通過で、よもやという人気選手の予選落ちもありました。

10〜18ホールまでを歩き回り、ところどころで腰を落として観戦し、朝から持参したおにぎり一個で空腹が厳しくなりましたので、出店でカレーを買って食します。あっという間に 15:30になっていました。雨もしっかり降っています。

1000円のビーフカレー

9番で上がる午後の選手達を見届けたかったですが、唯一屋根を備えるスタンドが18番でしたので、それでも吹き込む雨に耐えながら22組から25組まで観戦し、時刻はすでに17時、主な人気選手が終了しているのでギャラリーの大半が送迎バスターミナルを目指しています。それでも37組〜40組を9番で見送りました。最初から最後まで、私はまるで退屈することなくプロの競技を堪能し、拍手を送りました。

将棋も好きですがゴルフが好きなのと理由は似ているような気がします。競技ですから勝者と敗者を別つものです。しかし自身の能力を高めた結果として、相手より優れることが、これらの競技の骨子です。マラソンにも似ています。そうしたスポーツは好きです。

6時半には帰宅し、すぐにお風呂へ入りました。長袖Tシャツで首にタオル、ツバの大きいキャップを被っていたので日焼け対策していたつもりですが手の甲が真っ赤に焼けていて、気付くとヒリつく痛みがありました。資生堂が主催するゲームであり、日焼け止めの無料配布があったのを断ったのは失敗でした。空が曇っていても紫外線は生きています。いい教訓を得ました。

DAZNで昨日の分と今日の分を、それぞれ途中まで見ました。競技開始の7時から配信の始まるまで5時間弱が、従来の視聴体験からは未知の世界でした。インターネット(あるいはテレビ)では知ることのできない時間は、まさにプライスレスであり、できるなら明日も明後日も現場に居たい、と心から思いました。

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