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その13 うちにあるペダルコンプ全員集合

出てこないと嘆いていたFEAとT-Rexが見つかり、現在所有しているストンプタイプの全コンプレッサーを並べてみました。左奥はLine6のデジタルマルチエフェクターですのでコンプ機ではありませんが、その手前のZoom同様、プリセットに各種コンプペダル(やラックコンプ)のイミュレーションがプログラムされており、専用機にひけを取らない動作が可能です。その右隣にあるDarkglassもコンプ機に違いありませんが、内部処理はDSPによるものですから前述の2機種もここに参列させました。専用機が10、マルチは2の12台ということで、ラック型のdbxはもうありませんがMaxonのはどこかにまだあったかと思います。しかしラックケースを探すのは今回はパスです。

機種名を順に紹介いたしましょう。

後列左はLine 6 HX Stomp。前述の通りアンプやエフェクトのモデリングを数百備えたデジタルマルチエフェクトの代表機種です。オールインワンシステムの一部機能としてコンプレッサーを利用可能というわけで、当然それが専用機に叶うレベルかどうか疑われますが、さにあらんハイクォリティが約束されています。別にこれがあったら単品エフェクターを買いそろえる必要はなさそうです。

後列中央はMarkbass Compressore前期型。現行モデルとは筐体が替わっているだけで中身は同一だと言われています。コンプレッション動作を真空管で行う「リアルチューブコンプ」と呼べる希有な存在です。いい音だし機能的にも「使える」傑作だと思っています。大きく重いことと600mA以上の12Vアダプターが必要、というのが使用機会を逸する原因ですが、優秀であることに間違いありません。お気に入り

ところが巨大という意味では、後列右のretrospec The Squeeze Boxが頭抜けており、AC電源のみの仕様。私は海外から直接買いましたので120V仕様。家のスタジオには昇圧電源も備えていますので問題なく使えます。Tony Levinの音がまんま出ます。Markbass以上に傑作ですし、真空管ドライブの意義をより強く感じさせられます。いつかライブで使ってみたいです。

中央列左はZoom MS-100BT。上記HX Stomp同様ギター用のマルチエフェクトでモデリングにより実在の機種をイミュレートしたエフェクト群が内蔵されます。HXよりも小型軽量で同等の能力を発揮しますから、セトリ中ごく稀にエフェクトを掛ける場合などこれ一個で十分と思わされるユーティリティモデル。シリーズ中にはベース用のMS-60Bというのが存在しますが試したことはありません。ギター用とされていても、こちらで不満はありません。

その右、Darkglass Electronics Hyper Luminal。これはVCAで入力を検知しますが、その後はデジタル処理というハイブリッド型です。コンプ動作は、ですからLine6やZoomと同じ考え方。イミュレーとされるのはSSL、1176、それと先行して発売されディスコンとなっているSuper Symmetryの3タイプ。音良し、使い勝手良しでなんの文句があろうか、という優秀ぶりですが、Super Symmetryの方がクールだと思います(Symモードにしても同じ音は出ません)。併売すればいいのに。

その右、FEA DB-CL。フルコントロールできる光学式コンプを2台搭載し、高域側、低域側に独立して掛けることのできるベースへ完璧に適応した無敵のコンプです。レシオ低めではソフトニー、高めではハードニーになりますが7:1までなのでリミッターにはなりません。分割する周波数は可変で、フットスイッチでハイのみのオンオフも可能、しかも5kHz以上はスルー音がブレンドされているという念の入りようで抜ける音質を担保します。

その右、Lehle Basswitch Dual Band Compressor。定評あるバッファーアンプなどを送り出したリール社のブランドであるベースイッチから出ていたコンプは、やはりベースに特化してハイとローに分けてコンプレッションを動作させます。しかし独立した設定をさせないことでセッティングを容易にしています。その辺はEBSと似ているかもしれません。こちらは分ける周波数をコントロールして掛かりの塩梅を調整する方式で、ソフトニーですがVCAタイプ。FEAを使いやすくしたとも言える理想型であり、私がコンプを組み入れたボードにしようとすればファーストチョイスでした。

その右、T-Rex Comp-Nova。ナチュラル派とカテゴライズされますが、方式はOTAとRossやDynacompと同じ古典的なギター専用仕様。まぁ我々の世代でコンプといったらこういう音になるという典型的な掛かり方を品良くハイクォリティにやってくれるモデルですが、ベースには最早向かないと言った方が正しいようです。好きですけど

その右、Keely GC-2。これはVCA式でdbx 160系と言えるものでしょう。キーリーで評価の高い、お馴染みのコンプ群はOTAのRoss系ですが、Compressor Proが正にフルコントロールでdbx代替機として用意され、それを小型化しノブを省略し使いやすくしたのがこちらです。低域への効きを弱めるため検知信号に細工するBassistというモデルの方が良いかもしれませんが、その点以外は同一なので、別にベース用途でも問題ありません。とは言え物足りなさも感じ、本当ならProが欲しいなぁと思いつつ、でも実使用しないことは目に見えていますのでこちらで我慢している、というわけです。

その右、Rothwell Audio Love Squeeze。ペダルタイプでは大変珍しいFET型で、むしろサステイナーというか、音を潰すというより伸ばす効果が美しいギター用のコンプです。ギターに使うと最高で、ベースにも良き変化を与えられますが、ゲイン設定がマッチせず歪むことはないけれど効き過ぎるきらいがあります。稀少でもあり、(ベースで)使うことはないものの手放せません。

前列左、Floatia Designs Risa compressor。フローティアデザインズの製品はレコーディング機材やハイエンドオーディオに造詣が深いデザイナーが設計、製作しており信頼できます。今回スイッチ無しの掛けっぱなしコンプというコンセプトが琴線に触れ、購入しました。完全にクリーンブースターとして作動可能なトランスペアレントな特性からのコンプ効果というわけで、使いやすさと音の良さで重宝しております。

その右、友人が某所でRothwell Audio Love Squeezeの中古を見つけ、私が所有していることを思い出して所感を尋ねられたのが、この一連のコンプ特集を書くきっかけとなりました。その過程で発見し、興味を抱いて購入したのがTauras Tux MK-2となります。新品時の販売価格で2万円を切っていたようですが、まるで価格に見合わぬ優良品で、望外のヒットとなりました。持ち歩くペダルコンプとして、それを使う意義が大いに感じられる「音を良くする」エフェクターとして認めざるを得ません。特にフレットレスの6弦ベースに使ったとき、興奮するほど音が化け、確信に変わりました。これは名器だと思います。

いずれ時間が取れたら録音して比較、などもやってみたいのですが年内は無理そうなのと、断捨離も進めようかと思います。

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