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備品アンプに苦戦 の巻

三連休の実感なく仕事していましたが、本日のライブ・サポートは電車入り指定でしたので最小限の装備で向かいました。会場は海を見下ろす絶好のロケーション。

バッファー内蔵ペダル型チューナーとローインピーダンスのボリュームペダルのみ。楽器はdragonfly CHB5/345。スパルテッドメイプルトップ/アッシュバック、メイプル/ブビンガ5ピースネックにパウフェロウ指板。24フレット34.5インチネック。

最小構成

アンプはヘッドがashdownのD-classで初めて使いました。キャビネットは古いtrace elliot 1524、15インチが2発という大型。小屋のDIはradial j48と定番で総じて問題のないセットでした。

本番時のセッティング

アンプのトーンノブはハイ・ミッド・ローの間にローミッドとハイミッドという5band構成です。これのローミッド、ハイミッドの二つがセッティング開始時には0(min)になっており、その他が12時位置という珍妙なセッティング。一旦全てを12時に戻してゲインとマスターを適切に整え、リハーサルをスタート。

この「フラット」位置だとバキバキで辛いものでした。ミッドを16時くらいまで上げたり、ハイを10時くらいまで下げたり、諸々弄くり回してもベタっとした分厚い鳴りがピッチ感を伝えてくれません。自分の弾いている音が正しいか正しくないか、また強弱含め、固さ柔らかさのコントロールがまるで反映されません。1曲ごとに、なんなら曲中でアンプの調整を試みても改善がありませんでした。

ベース側はPUの2個ともタップしてシングルコイルで運用、通常通りのJB状態です。オンボードプリアンプのEQは全てセンター。これでいつも不満ない音が出ているのですが、アンプセッティングでやりづらかったので、バランサーを少しリア側に振ってみました。これにより聞こえ自体は良くなったのですが、その音楽にマッチするトーンとして積極的に採用したいものではありません。

細さを改善するため、HBにしたり、その際、2個の組み合わせを色々試しました。当然のことながら、楽器上のパッシブトーンを絞ったり、EQのトレブルを絞ったり、ローも絞ったり、ミッドの周波数を切り替えて増減を試みても、結局求める音になりませんでした。

これらの奮闘は予想されたもので、トレースのキャビがもたらす特性かと思われます。トレースのヘッドは、当時自身でも所有しており愛用していましたが、EQをバイパスしてしまえば極めてフラットでした。その組み合わせで柔らかい音も出せていた気がするのですが、D級アンプのクリアさと楽器が持っている押し出しの強さが、ガチガチの固い音に結実してしまったのだと思います。こういう傾向はアッシュボディの楽器で起きることがあります。指板に関係ないですがエボニーだとやや高頻度で経験あります。

各プレイヤーに独立した回線でモニターが来ており、アンプを諦めて私の左側面に置かれた転がしに、ベースのみを返してもらいました。私は中音(なかおと)がうるさいのが嫌いで、極力モニターはもらいません。今日の場合も、右手にいるドラマー用のモニターが必要なバンドサウンドを返してくれていました。前に立つボーカルやブラス用の返しだって聞こえてきます。なので当初から完全に切ってもらっていたモニターに、自分の音だけ返してもらうことで弾き易い環境を作ることができました。

とはいえ、モニターから返るトーンは、若干バランスに欠いていて好みではありません。DIで拾うストレートなライン音のはずですから、このベースはこんな音なのかと、少々がっかりしました。この瞬間に、ベースはデフォルトのPUセッティング、EQフラットへ戻してあります(結局これが一番気持ちいいので)。しかるに、微量でアンプも鳴らし、モニターとのミックスで漸く気に入る音が聞こえる空間に立つことができました。本番は、お陰様で満足のいく演奏を行うことができ、結果、幸せな一日となりました。

日が沈みかけると感傷的になる光景




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