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兄弟姉妹がたくさんいること

私は自分の下に4人弟妹がいます。
昨日Twitterにて7人目のお子さんを妊娠しているママさんの呟きを見かけ、思うところがあったので記しておきます。



※私は5人きょうだいの長子です。
※自分自身は結婚も出産もしていませんので子ども目線からの意見です。
※子どもをたくさん産むこと自体への批判ではありません。
※あくまで「私の考え」なので大家族の子ども代表のつもりはありません。
※虐待、ヤングケアラーというデリケートな内容を含みます。


以上をご理解した上で読むか読まないかの判断は覗いてくださった方に委ねます。



先述したツイートは現6人姉妹で妊娠中のママさんとその次女さんのやりとりを4枚の画像にまとめたものでした。
今お腹にいる子が生まれたら7人きょうだいということですね。

まず「次女さんが妊娠を喜んでくれない」というところから始まります。
このツイート自体ががネタというオチもあるかもしれません。
家族ですから激しく言い合う日も、普通に仲良くしている日もあるでしょう。
ですが私はこのママさんの言い分に疑問を抱き、次女さんに激しく感情移入しました。
見る側の立場によって感想って変わります。
なので本当に私の独り言程度の認識で見ていただければ。

Twitterには4枚の画像が貼れます。
その中身は
食事をしている時に次女さんが「何でズボンのゴム緩めてるの?」と聞いてきたそう。
そこでママさんは妊娠している事実をみんなに伝えます。
次女さんが「私は世話はしない」宣言。
ママさん曰く、思春期の娘らしいな~とのこと。
続けて「何でそんなに産むの?」と質問する次女さん。
「あなた達が可愛いから。可愛いって罪。でもママの年齢的にこれ(7人目)が最後。令和生まれ6女1人じゃかわいそうだから」とママさん。
次女さんは「5女の時も6女の時も最後って言った。お金に困る。(自分が)甘えられない」と訴え、ママさんは「お金は何とでもなるよ。甘えに来たらいいじゃーん」っていう姿勢。
そして「思春期の次女にストレスはかけたくないけど世の中都合よくいかないもんだって身近なところから教えて差し上げなくては」「貴方(次女さん)は貴方の好きなことをすればいいんだよ」
大体こんな感じでした。

読まなければいいのに最後まで読んでしまった私が馬鹿なんです。
でもあまりに次女さんと私の境遇が似すぎていて……他人事とは思えませんでした。
私の母もこんな感じだったと思います。
このママさんも私の母も自分自身は幸せなのでしょう(私が出来損ないなのは不満だと思いますが)
でも子ども達が親に意見するってすごい労力を使うことなんです。
次女さんは思春期と書かれていることから10歳以上18歳未満と推測します。
その多感な時期にここまで真正面から親にぶつかれるなんて…と尊敬しました。
私はモヤモヤしたものを抱えながらも「どうせ分かり合えない」と伝えることを諦めてしまったので。

このツイートをきっかけに改めてきょうだいがたくさんいることについて振り返ってみました。
私の場合ですがお暇な方はこの先もお付き合いください。
ただの自分語りです。
繰り返しますが大家族、兄弟姉妹がたくさんいることや妊娠出産を否定する意図はありません。
でも私は悲しい、辛い思い出の方が多く思い浮かびました。


私は3歳で「お姉ちゃん」になりました。
それまでは誰よりも可愛がられていたと母は言いますが肝心の「可愛がられていた」記憶はありません。
はっきり覚えているのは「お姉ちゃんでしょう」「お姉ちゃんなんだから」と毎日怒鳴られ、年齢にそぐわない高度なことをさせようとする母親の鬼のような顔と決して口出しをしない(私からしたら助けてくれない)父親。
私にべったり懐いて、何もかも私と同じじゃないと気が済まない長男の泣き顔です。
「個を尊重」なんてものはまだない時代だったので家でも保育園でも弟のお世話係でした。
保育園はよくいえばアットホーム、悪く言えば「ただ定められた時間内子どもを見てるだけ」な園風だったので(数年前に時代に合っていないと行政からお𠮟りを受けてから変わったそうですが)弟が泣いたら「お姉ちゃん来て!」と年少クラスに呼び出し。
弟は全然園に慣れず、年長の私が年長クラスで過ごせた時間の方が少なかったです。
ほぼ年少クラスに居て、弟だけじゃなく他の子のお世話までさせられました。
今じゃ考えられないですがおやつの配膳、お昼寝タオルケットの回収なんかの仕事も「お手伝い」と称して任されていました。
母が二人目を妊娠してからはつわりでイライラしている母のご機嫌を窺いながら家でも弟の世話を開始。
当時6歳です。
祖母が手伝いに来てくれてはいたのですが病弱な人で家事を一人でこなすのは不可能。
母が妊娠6か月になった頃に小学校に上がった私は登校前に食器とお風呂を洗い、帰宅したら洗濯物を入れて食材の買い出し。
弟と一緒にお風呂に入って、寝かしつけ。
これら全て私がしなければならない「お手伝い」でした。
同級生と接する時間が極端に短かったこともあって他の家庭もそうしているのだと本気で思っていたし、次第に同級生を「子どもっぽい」と馬鹿にするようになりました。
自分も子どものくせに。
そんな空気を感じ取ったのか、学校ではそこそこ酷いいじめにあっていました。
でも親には言えません。
悲しむ顔を見たくなかったのか、学校に乗り込んで文句を言われるのが嫌だったのか……何もしてくれないのが怖かったのかはよく覚えていませんが「言ったらダメだ」と思っていました。
そこで家の仕事を積極的に引き受けることで母に褒められ、学校にいる時間を少なくしようという作戦に出ました(欠席は許してもらえなかった)
そして8歳になった頃「妹ができるよ」と母に言われました。
しかしその妊娠には色々とトラブルが付きまとい、母は入退院の繰り返し。
入院前夜の母に「お母さんは赤ちゃんを産むために入院するからね。でも妹を産んだら死んじゃうかもしれない。赤ちゃんは絶対お家に帰ってくるからお母さんがいなくなっても面倒を見てあげてね」と言われて大泣きしたのが忘れられません。
その時も抱きしめるでもなく、慰めるでもなく「何で泣くの!?お姉ちゃんがそんなでどうするの!?」と叱られました。
結果無事出産となり、4人きょうだいに。
何事もなかったかのように普通の暮らし(私は主婦業を担っていたけど)が戻ってきました。
ただその直後に次男に持病が発覚し、母は次男に付きっきりに。
授乳は母にしかできないことですが、妹のおむつを替えたりお風呂に入れたりも私の仕事に加わりました。
その後しばらく間が空いて末弟を妊娠。
自分の生い立ちを書いてくるという宿題があったのですが「きょうだいがたくさんいて幸せです」という一文で締めくくり、その作文は賞を取りました。
私の場合はきょうだいが可愛くない訳じゃないんです。
ひたすらに母の愛情が分散しまくり、不足していただけで。
上記ツイートと同様母の年齢的にもう妊娠出産は難しくなってようやくきょうだいが増えなくなりました。
私は中学生になっていました。
3歳で姉になり、6歳で姉兼母代理になり、8歳で姉兼は母代理兼主婦代理になり……中学で部活を始めるという理由で少しだけ家事育児から解放されました。

でも中学生って本当に多感な時期で、性的なことにはとにかく興味のある子が多く……「お前の両親お盛ん」ときょうだいが多いことがからかいのネタになりました。
「私が望んだ訳じゃないのにな」と…それこそ思春期の私は思っていました。
だけどこういう話をしても母は「あんたがきょうだいたくさん欲しいって言ったから産んだんだ」と言い張ります。
全部私の責任だそうです。
母と父は私に言われたら絶対に子どもを産まなきゃ何かものすごい不利益を被る契約を誰かと結んでいたのでしょうか?
結局妊娠に繋がる行為をしたのも、子だくさんを望んだのも大人側だと感じます。
だって子どもの「弟(妹)ほしい」発言なんてよくありますよね。
それを全て真に受けていたらそれこそずーっと生み続けなくてはならないことに……。
せめて「貴方が弟(妹)が欲しいって言ったんだよ。でもママとパパも欲しかったんだよ」じゃダメだったんでしょうか?

随分自分の話に偏ってしまいましたが冒頭で挙げたツイート主とその次女さんが実実在し、本当にあのような状況に置かれているのなら一種の虐待と言ってもいいんじゃないかと思います。
上の子はどうしても我慢を強いられます。
下の子にも下の子の悩みがあるのは分かっています(真に理解はできていないでしょうが)
けど「下の子がいるんだから」と好きな習い事をできなかったり、選べる進路が限定されていたり……愛情が分散しまくって「もう大きいんだから愛情はいらないよね」と決めつけられたり……。
「何とかなっている」と感じているのは案外親側だけで子どもが子どもらしくいられる権利を奪っていないかどうかを振り返ってみてほしいです。
私は3歳から中学生まで続いたお姉ちゃん(お母さん代わり)体験を経て「もう家事育児はいいや」って気持ちになりました。
「いい年して結婚しないの?」と言いますがもう自分が生きていく上で必要な家事以外はしたくないし、育児も十分です。
仕事をして、趣味の時間を持って、生きていきたいです。
老後は寂しいかもしれません。
でも他人と一緒にいる自分、うまくやっていく自分がどうにも想像できません。

全てを親のせいにしていても仕方ないですし、私の持って生まれたものも大いに関係しているのでしょう。
ただ「愛情の受け取り方がド下手」なのは明らかに幼少期の愛情形成が上手くいかなかったからだと思っています。
一番甘えてもいい存在であるはずの両親に「鬱陶しい」って顔をされた瞬間、子どもながらに色々と察します。
実際口に出されたこともありますし、暴力で遠ざけられたこともあります。
「そんな目に合うのならもう何もしないほうがマシ」「人に期待するだけ無駄」という思考回路は私の場合ですが随分早い段階で出来上がってしまっていました。
その後、精神を病んだりでカウンセリングを受ける機会もありましたが必ず親との関係を指摘されます。
一緒にカウンセリングをと勧めてくださった先生もいらっしゃいましたがまた「鬱陶しい」を見せつけられるのが嫌で全て断ってきました。
両親が素直に来てくれるとも思えません。


少子化の時代、子どもをたくさん産めるというのは本当に素晴らしいことです。
しかし今の生活をまず客観視し、その妊娠出産に無理はないか考えてほしいです。
精神的にも金銭的にも、です。
お金が全てではないですが生きていく上で必要不可欠なものです。
「お金がない」って精神的にも追い詰められます。
愛情もそう。
家族という血の繋がりはあっても各々意志を持った人間の集団なのですから「全てが自分の思い通り」なんて不可能です。
いつも誰かがちょっとずつ我慢して、譲り合って、成り立っているものでしょう。
けど家族内の誰か一人がものすごい我慢を強いられていないか、その人(子)なら許してくれると甘えすぎていないか、自分の胸に聞いてみてください。

ツイート主さん、授かった命は大切にしてあげて欲しいです。
でも次女さんのことも「思春期だから」で片付けすに、向き合ってあげてください。
小さいものって無条件に可愛いんです。
ツイート主さんは気付いていないかもしれませんが絶対に末っ子にかかりっきりになります。(赤ちゃんの命を守るために必要な行為ですし)
生まれてくるまでに話をできる機会を持てるといいですね。

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