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食事の基本形 実践編

〇はじめに
 何事においても基本は大切であり、それは食事に関しても同じです。メディアなどでさまざまな食品や栄養素が取り上げられ、その度に試してみるけど結局何がどういいのかわからないまま、また違うものが注目を集めればそれを試して・・・と情報に振り回されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 そうならないためには、正しい情報を選ぶこともそうですが、基本をしっかり抑えておくことがポイントだと思います。

 例えば、たまに「プロテインをたくさん飲んでいるけど全然体が大きくならない」と言うアスリートがいるのですが、話を聞くと食事量が少なかったり偏った食事内容であることが多いのです。「からだ(筋肉)づくりにプロテイン」と言われているからプロテインさえ飲めば・・・と思いがちですが、食事の基本ができていなければそれらプラスαの栄養素は本来のはたらきを発揮できません。

 ということで前回、『食事の基本形 理論編』として「なぜ?」「どうして?」を説明しました。そこで今回は、それでは「どうすれば?」のところの実践編をお伝えしたいと思います。

 食事の目的の一つは栄養素を摂取することであり、その栄養素もさまざまな種類があります。しかし、それらを一つ一つちゃんととれているかチェックすることはとても大変です。たくさんある栄養素の中で押さえておくべきものは、糖質(炭水化物)・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル(無機質)の「5大栄養素」です。この5大栄養素がきちんととれていると、プラスα(その他の栄養素)も有効にはたらいてくるでしょう。
 しかしここでも、「糖質をとるためにはこの食品をとって、たんぱく質をとるためにはこの食品をとって・・・」と、細かく考えてはいられません。そこで、5大栄養素を偏ることなくとるための簡単な方法として、「食事の基本形(主食・主菜・副菜・乳製品・果物)」があるのです。

前回のnote「食事の基本形 理論編」へ

〇お皿の数は少なくていいんです!
 朝から「主食・主菜・副菜・乳製品・果物」を揃えて食べる時間なんて、そうないでしょう。そんな時は、1つのお皿にいろいろのせてまとめて食べられる「ワンディッシュ作戦」がオススメです!例えば、「ご飯とおかずを用意する」と考えると大変ですが、丼物にしてしまえば1皿で主食と主菜がとれますし、さらにそこへ野菜も加えれば1皿で主食・主菜・副菜が食べられます(例えば中華丼やタコライス)。丼物に副菜までは加えられなかったら、具だくさんのおみそ汁にして、ヨーグルトにフルーツを入れて食べれば、朝からでも「主食・主菜・副菜・乳製品・果物」が揃います。
 パン派の方は、シンプルなトーストではなくチーズトーストにすれば主食に乳製品がプラスされますし、ピーマンや玉ねぎやトマトなどの野菜ものせてピザトーストにすれば副菜もプラスされます。さらに卵またはハムまたはツナフレークものせれば主菜も一緒にとれることになり、主食だけのトーストが主食・主菜・副菜がとれるスペシャルトーストになります。具だくさんのサンドイチやホットサンドもいいですね。
 飲み物も、果物の代用として100%オレンジジュースやグレープフルーツジュースを選んだり、たまにはブラックコーヒーではなく牛乳(乳製品)を入れてカフェオレにしてみてはいかがでしょうか?

〇外食でも「主食・主菜・副菜・乳製品・果物」を揃える工夫
 働いている人は昼食がコンビニ食や外食になることが多いかもしれませんが、ここでもできるだけ「主食・主菜・副菜・乳製品・果物」を意識して選びましょう(コンビニ食や外食については、また別の投稿で詳しくご紹介したいと思います)。しかし、食事の基本を全て揃えていると、経済的に苦しくなってくることも考えられますので、その場合も「一緒にとれるもの」を選ぶようにします。例えば、コンビニでおにぎりを買う時に具を鮭にして主食と主菜を一緒にとるようにしたり、菓子パンをやめてサンドイッチにすると主食と一緒に主菜や副菜がとれます。おにぎりの鮭やサンドイッチの卵や野菜の量は少しだけかもしれませんが、その少しの積み重ねが数か月後もしくは数年後に大きな差となるのです。
 「自分自身の体は自分自身で選んで食べた食事からできているのです。良くするも悪くするも、強くするも弱くするも自分次第!(前回より)」なのです。
 また、時間的にだったり量的にだったり、一度に全部は食べられないこともあると思います。その時は間食(補食)を取り入れます。例えば、「昼食で主食・主菜・副菜は揃えられたけど乳製品と果物がとれなかった」という場合。恐らく夕食前に一度は空腹を感じると思います。その時に昼食でとれなかった乳製品と果物をとるようにします。外食で丼もの屋さんへ行った時は、丼ものとみそ汁で主食と主菜と副菜はとれていると思いますので、食後はコンビニへ寄ってヨーグルト(乳製品)とブリックパックの100%オレンジジュース(果物)を買っておいて後で食べるように(間食に)すると、昼食+間食で食事の基本が揃います。

〇オリジナル混ぜご飯を
 ご自宅で料理をする時は、混ぜご飯が便利です。炊き込みご飯や炒飯もいいですが、ひじきの煮物をご飯に混ぜたり、ツナフレークと細かく刻んだほうれん草とご飯をマヨネーズで和えたりと、具も味付けも組み合わせ無限大。
 ちなみに今回の写真は、酢飯に枝豆(冷凍枝豆が便利)とカニ風味のかまぼこを混ぜたもの。枝豆にはたんぱく質の他にビタミンCも含まれていますし、酢飯にすることによって食べやすくなり、糖質の摂取量が確保されると疲労回復も進むため試合後のリカバリー食としてもお勧めです。

 こうしていろいろと工夫して栄養素をとることは病気を予防して健康でいることはもちろん、スポーツをしている人であれば体調が良いと練習や試合で自分の持っているパフォーマンスをしっかり発揮することにつながります。毎日続く食事の中であれこれ難しく考えずに、まずは「食事の基本」を意識してそれを継続していきましょう。その積み重ねがきっとご自身のプラスになると思います。

 間食(補食)については、次回の投稿で詳しく取り上げようと思っていますので、ぜひ引き続き来月もご一読ください。

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