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一人暮らしの男が、人生で初めて「デリ」を呼んでみた話

「21:40頃に、お伺いします」

そう、返信メールが届いた。

……。

一人暮らしをして、
ある程度慣れてきた時の話。

漢(おとこ)としては、
人生で1度は経験しておきたいアレを
遂に実行に移す時が来た。

その時はいつもより帰るのが早く
時間にも余裕があった。

しかも、家には1人、
アレも相当溜まってる感じだ。

「今日はデリを呼んでみよう」

そう、漢が1回は経験したいであろう、
デリを呼んでみたのだ。

初めてだからか、ビビりながら
周囲に人がいないことを確認し、
誰にも見られないように、

怪しげなサイトを見ながら、
自分の好みを見つける。

もちろんだが、選んでいる時の
携帯の画面は誰にも見せられない。

少しばかり伝えるのならば、
洋風が和風か。

最近は、中華系も増えており、
チャイナ服でのサービスもあるらしい。

もちろん、冬になれば
サンタさんの格好で
サービスをしてくれる。

お店によっては、
色々なオプションを選ぶこともでき、
オスとしての欲を全開で放出できる。

ちょっと、今日は溜まってるから
割高になるけどオプションをつけちゃえ。

そんな感じ。
(僕はそこは未経験)

最近では、女性の働き方として、
副業でその仕事を選ぶ人も
増えてると聞く。

僕としては願ったり叶ったり。

いざ、自分の欲を満たすサービスを見つけ
電話をかける。

「ご希望はございますか?」

「アレをお願いします。」

「オプションはよろしかったでしょうか?
無料でお付けできるモノもございますので、
到着しましたら、スタッフに伝えてください」

なるほど、
定番で、よくあるやつは
無料で使えるらしい。

人生ではじめてのデリには
少々緊張する。

どんな顔でいればいいのか。
お風呂は入るべきか否か。
お金はいつのタイミングで払うのか。
もし、変なのだったらキャンセルは
できるのだろうか。

色々思い悩んだ。

はじめての時は、緊張のあまり
先に風呂を済ませて、歯を磨き、

iPhoneをいじりながら
心の中では、

『はやくこい!はやく!』

っと、獲物を狩るような目で、
その時を待っていた。

予定の21:40分を少し過ぎた時だ。
とうとうやってきた。

「ピンポーン」

心臓がバクバクするのが、
自分でもわかるくらい心拍が上がった。

「こんばんはー♪」

女性の綺麗な声が
インターホンから聞こえた。

てっきり男性が一緒に来るもんだと
思っていたが、女性1人だ。

カメラ越しに映った女性は、
僕好みに仕上げられた
漢としての欲を全放出できる獲物。

玄関のドアを開けた瞬間、
僕の目は野獣のように
ギラギラさせていたかもしれない。

「お待たせしましたー♪
 なんか道が混んじゃってて
 遅くなりました。
 サービスするので許してください♪」

もちろん許すに決まってる。

どんなサービスが待ち構えているのか、
めちゃくちゃ気になっていた。

しかし、相手もお仕事だ。

お会計が先にあった。

まぁ、ここは仕方ない。
彼女も仕事・ビジネスマンなのだ。

それ相応の対価を
支払わなければならない。

領収書はなしで、
お札を手渡す。

「はい、ではこちら、唐揚げ弁当と、チーズインハンバーグ弁当です!あ、サービスでコーラあげますね♪」

彼女が持ってきてくれたお弁当は
作りたてかのように暖かく、
一人暮らしの男の食欲を満たしてくれる。

オプションで,ビールもあったが
やはり割高感は否めない。

人生ではじめて頼んだデリバリーは
意外にもスムーズだった。

それ以降、

デリバリーの楽さにハマり
今では上級会員として利用させてもらってる。

ただ、やはり食費は自炊と比べたら
割高になるのは否定できない。

しかし、

2食分を注文すれば
1食あたり800円くらいで済む場合もある。

男の一人暮らしは、
自炊をして時間をかけて
安く済ます方が鉄板。

デリバリーはやはり
割高にはなる。

ここで、考えるべきは

【時間をとるか、お金を取るか。】

お金をかけて時間を確保して
勉強や仕事ができるなら
そっちを優先したい。

お金で、時間を買うってやつ。

その積み重ねで、
よりよいサービスやスキルが
身につくことによって、

世の中に貢献できたら
いいなぁ、なんて思う。

人生ではじめてのデリバリーは
学ぶことが多かった。

おしまい

及川志伸

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