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がんだと診断されるまでのお話


診断に至るまで

元気が取り柄!それなのに…?

もともと体は丈夫な方で、週6勤務をこなせるくらいには体力に自信がありました。
2022年はメインの職場に加えてスクールカウンセラーとして働いていました。

健康診断、いつもであれば『痩せてから行く…』と年度末ギリギリになって漸く行くのですが(引き延ばしたくせに痩せられた経験なし笑)、2022年に限ってはスクールカウンセラー先に提出しなければいけない書類があったのでいつもより早い12月に健診を予約しました。

何の自覚症状もなく、いつも通り検査をこなしていたら…
胸部レントゲンを撮った後、なかなかレントゲン室から出してもらえない。どうして???
そのときは何もピンとこず、10分ほどしてやっと解放。
職場に戻って『閉じ込められちゃいましたよ~』なんて笑い話にしていました。

その翌日、健診を受けた病院から着信。
『できるだけ早く、診察を受けに来てください。』
切迫感のある声にビビりながら、その2日後に受診することになりました。
その日、ひとりで過ごすのはソワソワするから、いつも良くしてくださる居酒屋さんにお邪魔して熱々お鍋を食べました。お鍋もお酒も美味しいなぁと、目の前のことに集中しようとするものの、少しでも気を抜くと不安でいっぱいになってしまってしんどかったな。
その後すぐに知っている人たちが来てくれて、一緒に楽しい時間を過ごしてくれて本当に助かりました。

『地元に帰った方が良い。』

そして診察の日。
診察前に造影剤CTを撮った気がする。初めての感覚ですごく怖かったです。
そして診察で、『肺に沢山の影がある』『大腸に腫瘍があるかもしれない』『ほぼ確実に大腸がんだと思います』と先生からお話がありました。
いやいやいや。
7月にレントゲン撮ったとき、何の問題もなかったのよ?
その後8月にコロナになったから、それで肺に影響があるんじゃない?
そんなようなことをいろいろ伝えたけど、先生は首を振るばかり。
『仕事は一旦休んで、地元に帰った方が良い。』
いやいや、待って。そんなことはしたくないし、必要ない。
泣きながら駄々をこねたら、先生がご自身の息子さんのお話をしてくださりました。息子さんも医師で、若くしてがんになったらしいです。初めは一人暮らしをしていたけど、どうしても生活が回らなくなってきて実家に戻ったんだとか。
(その後、復調されたそうです。良かった!)
結局そのときは地元には戻るという選択はせず、近隣の大きな病院へ受診するための紹介状を発行していただきました。

今でもすごく覚えているのが、『ジャンクフードやお酒飲みすぎたでしょ』という先生の言葉。
がんの要因って1つではないだろうけど、連続飲酒していた私には返す言葉がありませんでした。ジャンクフードはそんなに食べないしお酒も量は飲まないけど、休肝日は少なかったから。
がんになったのは自業自得なんだ。家族に申し訳ない。仕事ができなくなったらどうしよう。
そんな気持ちが繰り返し浮かぶ中、その日のうちに大きい病院を受診させてもらいました。

その後、大腸カメラ、胃カメラ、PET CTを受けて診断待ち。
気持ちが追いついていかない中、やるべきことはどんどん進んでいくのよね。検査自体が辛いというより、どうして私は今ここにいるんだろう?とか考えて不安になって大泣きして検査技師さんを沢山困らせました。

本当に私の話ですか???

まさか自分が…?いやいや、何かの間違いだよ。
まさにキューブラー=ロスの『死の受容プロセス』における否認の段階です。
心理学の知識を使って自分の状況を整理しようとする私もいました(防衛機制の知性化ですね)。

自分に起きていることをしっかり理解するまでに時間がかかると思いました。
自分でも訳がわからないから、周囲にはなお一層気を遣わせたくなくて沢山意地を張りました。大丈夫だから気にしないで!って言いたかった。何も大丈夫じゃないのに。

放っておいてほしい気持ちもあったけどひとりぼっちになるのも怖くて、そんなときにただそばにいてくれた人、病気関係なく一緒に笑ってくれる人の存在はすごく大きかったなぁと思います。
勿論、寄り添いつつもやるべきことを指南してくれる人にも本当に救われました。
本当に本当にありがとうね。

心理士PONから闘病中のあなたへ

混乱したらルーティーンを活用して!

何が起きているのかよくわからない状態だからこそ、いつも通りだと感じられる瞬間に注目しましょう。ルーティーンにしていることがあれば、それを試してみましょう。
例えば、朝起きてカーテンを開ける。コーヒーを1杯飲む。このルーティーンだけでもOKです。

混乱している状態というのは、いわば脳が大忙しなのです。いろいろなところに神経を張り巡らしているので、無意識に緊張状態になっていると思います。
ルーティーンにより“いつもの自分”を取り戻すと、混乱・緊張状態から少し距離が取れて、リラックスできる時間が生まれます。

時間ばかりどんどん過ぎていく、自分だけが置いて行かれている…
そんな感覚になるときこそ、一旦立ち止まりましょう。スピード感を求められるときも沢山ありますが、混乱したままではベターな策をとることは難しくなります。

まずは“いつも通りの自分”を大切に。
リラックスの感覚が掴めて気持ちのキャパに余裕が生まれ始めたら次の段階、少しずつ現状と向き合っていくことになります。

書くのは簡単ですが、ものすごくきつい作業ですよね。
何でこんな目に遭わなきゃいけないんだって、私も何度も思いました。

では、また書きます🐼

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