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叱る前にすることがある③

叱ることは、難しい。

叱ることは少ないが、叱るべきときには叱る」という姿勢をもっていないといけない。

4回に分けて、そのための方策を、叱ることを考えている。


<ブックの目次>

 Ⅰ 叱らなくてすむシステムをつくる

 Ⅱ 叱る前にやるべきことがある

★Ⅲ 叱るまでの段階を意識する

 Ⅳ 叱るときには真剣に叱る


Ⅲ 叱るまでには段階があることを意識する

☆1つ1つ声に出して「~しなさい」と注意をしていけば、クラスにはマイナスの雰囲気が漂う。注意力に課題のある子でなくとも、刺激になる。周りにいる子どもたちのことも意識しながら、注意の仕方も選ぶ。


(1)無言で伝える

 ・指で

  多くは問題をノートに書き写しているのに、まだ書き始めていない子。

  机間を回りながら、黙ってノートを指さす。


 ・目を合わせて

  音読で声を出していない子。

  目が合うまで、じーっと見つめる。

  目が合ったら、何らかの合図を出す。


 ・ジェスチャーで

  給食での班の会話が大きいとき

  黙って手で「下げて」と合図


 ・手で

  全校朝会中、腕をぶらぶらさせている。

  肩にぽんと手をのせたり、

  腕に手をふれたりして、気づかせる。


(2)「教えてあげてね」

 ・注意し合えるようにする

  「手遊びしてしまっている子がいたら、そっと教えてあげてね」

 ・クラスの実態にもよる

  かえって注意だらけになり、うるさくなることもある。

  「先生が注意するから、みんなはできることをしてね」

  ということにする。


(3)名前を呼ぶ

 ・「〇〇さん」

  名前を呼ばれたら、たいてい、何をすればいいかわかる。

  でも、ここまで手をつくしているはずだから、

  「名前を呼ばれたら遅いよ」ということも伝えておく。


(4)問いかける

 ・「先生が言いたいこと、どんなことだと思う?」

  答えられたら、「がんばろうな」でいい。


(5)ユーモアのある注意に転化する

 ・「先生がこのスイッチを押したら穴に落ちていくよ」

  笑えるようにする。


(6)「わたしメッセージ」で伝える

 ・「おしゃべりがあると、先生、やりづらいんだ」

  この方が、「うるさいです」というよりも、

  自分の気持ちを伝える手本になる。

  率直に伝えた方がいい。

  「だから、協力してほしいんだ」


(7)注目しない

 ・注目してほしくてあえてやっている問題行動については、

  強化しないために「教育的無視」という方法を取ることもできる。

 ・「あなたらしくない行動には応じないよ」と宣言してもいい。

  「教育的無視」をしていると、急に「適切な言動」をすることがある。

  そこは絶対に見逃さないで、認める。

  これができないと、ただの感情的な無視になってしまう。


(8)タイムアウトにする

 ・「うん、先生やみんなの言うこと聞かなかったね。タイムアウト。

   もうこの時間は叱りません。帰りの会のあと、先生のお手伝いね」


 

 前回の「肯定的な言い方」「助言する」「できている子をほめる」「関係のない話題で話しかけながら、気づかせる」なども含めて、叱る前にできる関わりかけはたくさんある。

 叱ることを少なくするためには、いくつも引き出しをもち、試していくことが大切だと思う。



 <参考>

机間巡「指」について

ユーモアのある注意の仕方について



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